田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌景観資産⑪  指定第23号「カトリック北一条教会司祭館カテドラルホール」& 指定第22号 「カトリック北一条教会聖堂」

2021-10-31 16:58:15 | 札幌景観資産巡り

 北一条通という札幌市のメイン通りの一つである「国道12号線」に面したところに二つの歴史的施設が並び建っている。このことからも二つの施設が札幌市がまだまだ発展する前に建設されたことが偲ばれる。

 札幌市の北一条通りを車で走っているとサッポロファクトリーの隣に明らかに周りとは雰囲気を異にする一角がある。そこに建っているのがカトリック北一条教会の聖堂と司祭館である。

   

※ カテドラルホールの前景、玄関方向から写したものです。

 最初に建てられたのは「司祭館カテドラルホール」の方である。資料によると札幌におけるカトリックの布教は、1881(明治14)年、植物採集家としても知られるフォリー神父によって始められたそうだ。フォリー神父は1898(明治31)年に札幌軟石の壁に瓦屋根を組み合わせ、1階を司祭住宅、2階を会堂とする建物を建てたという。その後、聖堂が建設されたりしたことから、建物の目的も変遷を重ねて現在は教会のホールとして活用されているということのようだ。

   

※ カテドラルホールを横から写したものですが、割合小ぶりな建物です。

   

※ 窓の枠の上部にみえるものが「まぐさ石」と呼ばれるもののようです。

 建物は外から見ると、シンプルな二階建てであるが、質素ながらも力強さを感じさせる造りである。窓や出入口の上には水平に渡したブロック石が見られ、これは「まぐさ石」と呼ばれるもので、ギリシャの古代建築にも見られるものだそうだ。

                        

《カトリック北一条教会司祭館カテドラルホール 情報》

◇所在地 札幌市中央区北 1条東6丁目10

◇建設年 1898(明治31)年

◇構 造 木造一部石造

◇指定年 2008(平成20)年3月26日

◇その他 内部は非公開

◇訪問日 2021年10月24日 

   

   

※ こちらは「聖堂」です。わりあい可愛い印象ですね。

 そのカテドラルホールと繋がって隣に建っているのが「聖堂」である。「聖堂」の方の建物はキノルド神父が札幌に赴任した翌年の1916(大正5)年に建設されそうであるが、その時直ぐに「聖堂」になっているかについては調べきれなかった。私が調べたところでは、戦後になって1953(昭和28)年になってカトリック札幌市教区が成立したことにより現在の建物が大聖堂となったようだ。

   

※ ステンドグラスも外からではその美しさが分かりません。

 その「聖堂」は、小ぶりな木造一部石造りの建物であるが、ロマネスク風の中央の塔や左右のゴシック風の小尖塔、外壁や窓には連続した装飾が施され、その外観は中世ヨーロッパの教会の雰囲気を漂わせているとも言われている。

 今回は内部を見学できなかったが、聖堂ではコンサートなども催されているとも聞く。機会があればそうした催しに参加し、内部も見てみたいと思う。

   

カトリック北一条教会聖堂 情報》

◇所在地 札幌市中央区北1条東6丁目10

◇建設年 1916(大正5)年 

◇構 造 木造一部石造

◇指定年 2008(平成20)年3月26日

◇その他 教会行事がなければ見学可  ※事前に許可が必要

◇電 話 011-231-4189(カトリック北一条教会)

◇訪問日 2021年10月24日

   

※ 二つの施設は写真のように隣り合っています。

   

※ 二つの歴史的な建造物の横には近代的な教会の関連施設が建っていました。

 


今年の清掃ボランティア終了!

2021-10-30 18:16:11 | ボランティア

 私たち(近美を愛するブリリアの会)が夏の間定期的に続けている近代美術館前の歩道の清掃活動を、本日30日をもって今季の活動を終了した。途中、緊急事態宣言が発せられたことにより2回の中断を余儀なくされたが、今季は計13回の活動をすることができた。

 「近代美術館の前を勝手にきれいにしましょう!」と呼び掛けて始めた私たちの清掃ボランティアだが、今季12年目を迎えていた。雪が路上から消えている4月から10月の間、およそ2週間に1度の割合で早朝に清掃活動を行ってきた。だからこれまでは年間15~6回の活動をしてきたのだが、本年は5月と9月に緊急事態宣言が発せられたことで、通常の活動は11回に止まった。その他に街路樹枡花壇の植え付け、整理と2回の通常外の活動を含めて今季は合計13回の活動を行った。

 この時期の近代美術館前の歩道は大変である。秋も深まったこの時期は、頭上を覆うように聳え立つ大木から大量の枯葉が舞い降りてくる。今朝も清掃前の路上は枯葉で埋まっていた。(ややオーバーな表現かな?)その大量の枯葉を私たちは機械力がないため、全て手作業で竹ぼうきで掃き集めるのだ。そして札幌市から支給されている40kg詰めのボランティア袋に収集する。本日は正確に数えなかったがボランティア袋12~3袋はあったのではないだろうか。

   

※ 清掃前の近代美術館前の路上の様子です。

   

※ 会員の方々が手に手に竹ぼうきを持って、文字通り手作業で枯葉を集めます。

   

※ 掃き集めた枯葉は、このようにところどころに集め、ボランティア袋に収納します。

   

※ 集まったボランティア袋です。ゴミ集収集車で運んでもらいます。

 私たちが掃き清めて、路上がすっきりとした姿を呈するのは一瞬である。掃いた後からも次から次へと枯葉が舞い落ちる。だから私たちは一瞬の美” を求めての清掃活動なのである。先ほど(午後2時過ぎ)路上を見てきたが、枯葉がかなり路上を覆っていた。

   

※ 清掃を終えた後の路上は一瞬ですがきれいな状態になりました。

 本日の清掃活動の他に、ART文字などを象っているクサツゲの冬越しのために、枝を棕櫚縄で結わえる作業を行った。この作業はけっこう大切である。小さな株に葉がたくさん付いているクサツゲは雪の重み耐えられないこともある。枝を結わえることで雪の害が逃れることができるのだ。

   

※ 棕櫚縄で結わえる前のART文字を象るツゲクサです。

   

※ 棕櫚縄で結わえ、冬越しの準備ができたクサツゲです。

 野山の動物たちと同じように私たちの活動も冬眠に入る。いつもは活動終了後に反省交流会を行っているのだが、今年はコロナ禍ということもあり取り止めとした。したがって会員の方々とも約半年間のお別れである。来春の再会を約して…。


心不全は怖~い病気!?

2021-10-29 18:54:09 | 講演・講義・フォーラム等

 脚のむくみが気になる。最近息切れがするようになった。こんな症状を自覚される方はいませんか?それは心不全予備群かも?心不全を患う人が激増する時代がやってくるという。罹患すると5年後生存率が50%前後ともいわれる怖~い病気の話を聴いた。

 昨日(10月28日)午後、札幌市教育文化会館で開催されたNHKエデュケーショナルが主催する「健康応援フェスタ2021に参加した。当初、このイベントは9月2日に開催予定だったようだが、コロナ禍のために日程を延期して開催されたようだ。(そのため掲載したポスターの日程は9月2日になっている)

        

※ 健康応援フェスタのポスターであるが、日程が9月2になっている。日程が延期されたのだ。

 フェスティバルは、①講座「漢方的な考え方で健康に」、②座ってできる健康体操、③シンポジウム「心不全パンデミックに備える」の三部構成となっていた。

 ①の講座「漢方な考え方で健康に ~知っておきたい養生~」は札幌ひばりが丘病院の村井政史医師が講義された。村井氏は漢方の考え方「心身一如」という言葉を紹介され、ヒトは “食べる” “出す” “動く” “楽しむ” “寝る” というヒトとしての基本的な事柄がバランスよく保たれることが大切であると説かれた。そのバランスを保つためには食べ物や運動を適切に行うことが大切であり、このことを漢方では「養生」と称しているそうだ。その養生に努めるだけでは回復が難しくなった時が「漢方薬の出番である」とお話された。西洋薬が症状にダイレクトに働きかけるのに対して、漢方薬はあくまで体全体に働きかける(養生)ることによって症状の回復を図るとの違いについて述べられたと解釈した。

 ②の健康体操については、実際に身体を動かしての体験だったが、その効用についてはいわずもがなである。問題は継続であるが、これが難しい。意識の高い人はフィットネスジムなどに通っているのかもしれないが、私は特別何もしていない。何か考えなくては…。

 さて③のシンポジウムである。「心不全パンデミックに備える ~患者・家族を支える医療~と題して、九州大学医学部教授の筒井裕之氏、聖マリアンナ医科大学准教授の木田圭亮氏、京都大学医学部助教の小笹寧子氏、さらにゲストして歌手の伍代夏子さん、そして司会は元NHKアナウンサーの好本惠氏が務めるという豪華版のシンポジウムだった。

   

※ フェスタは写真はNGだった。そこで開会前に会場の雰囲気をパチリと…。

 とても内容の濃いシンポジウムだったのだが、その全てを再現することは難しい。私なりに記憶に残った言葉を紹介することにする。まず「心不全とは、どのような症状か」というと、「心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり生命を縮める病気」と定義された。高齢になると心臓の弾力性が落ち硬くなるが、そこに心筋梗塞・不整脈・心筋症などが心臓の傷害が加わると、心臓が不調となり心不全になり易くなるという。我が国は超高齢社会を迎え、2025年頃には65歳以上が30%を超える状況だという。高齢者の数自体が増えれば心不全の患者数も増加し、即ちパンデミック状態になる恐れがあるという。   

 その心不全という病気には4つのステージがあるとされた。ステージAとは高血圧、糖尿病、動脈硬化などの症状にある者。ステージBとは心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症などを患っている者。医療界においてはここまではまだ「心不全予備群」と分類しているそうだ。そしていよいよ「心不全」が発症し、症状の進行・悪化の度合いによってステージC、ステージDと分類するとのことである。

 ここで一つショックだったのは心不全を発症すると完全回復は望めないということである。心不全の医療はあくまで「症状の進行を防ぐための医療」だということだ。シンポジウムはこの後、その医療の方法、薬、リハビリテーションなどについてのお話があったがそのことについては省略するが、お話を伺っていて最も大切なことは、気がかりなことが多少でもある場合は一刻も早く専門医の診察を受けることではないか、ということだ。

 私にも若干気懸りなところがある。近いうちにぜひ一度、診察・相談に伺わねばと思わされた今回のフェスティバルだった。

 なお、歌手の伍代夏子さんがゲストで同席されたが、歌を披露するために同席されたのではなく、伍代さんの夫である杉良太郎さんが過去に心臓弁膜症を患ったことから、食生活などに気をつけている体験を語るためにゲストとして招請されたようである。


札幌景観資産⑩  指定第7号 「日本基督教団札幌教会礼拝堂」

2021-10-28 17:06:52 | 札幌景観資産巡り

  札幌景観資産で7番目に指定されたのが「日本基督教団札幌教会礼拝堂」である。教会は創成川東沿いに建てられているが、よく目立つ建物である。私は内部を見たくて日曜礼拝に参加した。

    

※ 創成川公園側から撮った札幌教会礼拝堂です。周りを高いビルに囲まれています。

 札幌教会の礼拝堂は当初1889年に木造で設立されたが1903年に火事で焼失したために、翌1904年に外壁を札幌軟石で覆った現在の礼拝堂が完成したそうだ。

 建物全体は正面に礼拝堂。左手に塔を配置したロマネスク風の建物であるが、建設後100年以上が経過したことで、札幌軟石の壁の色は歴史の重みを感じさせるような重厚な佇まいを見せている。

   

※ 本来は灰白色の札幌軟石の壁が100年以上の風雪にさらされやや黒ずんでいます。

 後述しているように「外観のみ見学可」となっていたが、礼拝に参加すれば内部を見ることも可能と分かった。そこで野次馬根性旺盛な私は特別にキリスト教に関心があるわけではないのだが内部の様子が知りたくて日曜礼拝に参加することにした。参加するにあたって、日本基督教団のことを少し調べてみると、メソジスト派の教会ということでプロテスタントに属していることが分かった。

   

※ 窓一つとってもこだわりが見て取れます。

 礼拝に参加している方々はやはりお年寄りの方が多く、約30名くらいの方が参加していたようだった。礼拝は奏楽、招調、讃美、聖書、祈祷、説教…、と続いたが、新参者の私にとっては司会者や牧師は確かに日本語で話されているのだが、その意味を理解することはまるで困難だった…。しかし信者の方々と同じような所作をしているうちに、内部の写真を撮ることなどとてもできない気持ちになり、一枚も写真を撮ることはなく約1時間の礼拝は終わった。

   

※ 礼拝堂の横には教会の建物(礼拝堂以外の機能を備えたところ?)が続いていました。

 ところが帰宅してから思い出したのだが、私は過去に友人たちとグループでこの教会を訪れ、見学させいただいてことを思い出した。その時は礼拝などの行事が行われていなかったこともあり、内部も自由に撮らせてくれた。その際にアップした拙ブログを添付しておくので、興味のある方はそちらを覗いていただきたい。(その時の様子はこちらから⇒)

   

※ 建物は札幌景観資産の指定だけではなく、国の「登録有形文化財」にも指定されています。

日本基督教団札幌教会礼拝堂 情報》

◇所在地 札幌市中央区北 1条東1丁目3

◇建設年 1904(明治37)年

◇構 造 木造石造

◇指定年 2006(平成18)年3月7日

◇その他 外観のみ見学可。

◇訪問日 2021年10月24日


スピレアマジックカーペットを刈る!

2021-10-27 16:32:43 | ボランティア

 北海道知事公館前や道立近代美術館前の歩道のところにヨーロッパ原産でバラ科のスピレアマジックカーペットという被地植物が植わっている。それが徒長して醜くなったので手作業で整枝作業を試みた。(但し、私たちが刈ったところは近代美術館前だけである)

 「スピレアマジックカーペット」という植物は、それほどポピュラーな園芸植物ではないだろう。私も初めて聞いた名だったが、調べてみると原産地がヨーロッパで、バラ科の植物だという。そして耐寒性に優れていて草丈は50cm程度の常緑低木とのことである。

 「スピレアマジックカーペット」が最も鮮やかなのは春である。常緑とはいっても冬の時期にはかなりの葉を落としてしまう。それが春を迎えると一斉に黄緑色の葉を出す。この時期はカーペットの名のごとくまるで萌黄色のカーペットが地面を覆っているように見える。その後の夏の頃には緑色が濃くなり、さらにはピンク色の花を付けたりしながら夏から秋の間を彩る植物である。

 その「スピレアマジックカーペット」がところによって成長し過ぎてしまい、中には80cmを超えるようなところも出てきて、全体が醜い状態となっていた。近代美術館前の路上を清掃する私たち「近美を愛するブリリアの会」にそこを整理したり、管理したりする責任も義務もないのだが、気になる存在だった。会員の方から「なんとかしたい」という希望も伺っていた。

   

※ 刈り込む前の状況です。(上下ともに)

   

 そこで路上を管理する中央区土木部に「刈り取って、整備したいが良いだろうか?」と伺ってみたところ、「構わない」との回答を得た。

 私たちには刈払機のような機械はなく、刈込挟による手作業で行うより他に方法はなかった。昨日(10月26日)会員の一人に声をかけ、二人で整枝作業に取り組むことにした。素人作業のため、仕上がりに不安があったが…。

 支柱を立て、綱を張って高さを一定にするように工夫を凝らした。高さは枝の高さが最も低い60cmに合わせることにした。(それでも基準よりは高いのだが…)

   

※ 支柱を立て、綱を張って高さを揃えるようにました。

 二人で懸命に鋏を動かし、枝の高さを揃えていった。同時に前側も切り揃えていった。ただ鋏を動かし続けるだけなのだが、年老いた私は直ぐに息が上がった。それでも鋏を動かし続けた。途中で作業に気付いた会員の方が一人駆け付けてくれ、作業を助けてくれた。

   

※ 私たちが使用した刈込挟です。

 幅1m40㎝、長さ約25m。一応刈り終えた時には2時間が経過していた。刈り終えた後を見てみると、やはり手作業であり、その上素人作業である。けっして満足できる出来ではなかったが、「まあ多少なりとも切り揃えることができたかな?」ということで妥協することにした。

   

※ 刈り込みを終えたスピレアマジックカーペットの様子です。(上下ともに)

   

 来春にはきっとそれなりに整った萌黄色のカーペットを見られるだろうと夢見て作業を終えた。


DVDフォーラム「持続可能な環境を目指して…」

2021-10-26 16:28:13 | 「めだかの学校」関連

 私が所属する「めだかの学校」において、昨日よりDVDフォーラム「持続可能な環境を目指して…」のシリーズが始まった。その第1回目は映画「不都合な真実」(2006年公開)を視聴しての話し合いだった。

 今年1月のことだった。「めだかの学校」の新年度の活動計画を協議した際に「SDG ’sについて学びたい」という声があがった。それを聞いた私は「SDG ’sそのものを学ぶには焦点を絞りづらいかなぁ…」という思いを持った。そうした時にNHKスペシャルで「2030未来への分岐点」という放送を視聴して「これは使える!」と実感した。2030未来への分岐点」は3回シリーズからなっていた。その3回の内容とは、①「暴走する温暖化脱炭素” への挑戦」、②「飽食の悪夢~水・食糧クライシス」、③「プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界」のシリーズだった。私はこの3回に映画「不都合な真実」「不都合な真実 Ⅱ」を合わせて5回シリーズとした活動計画を提案したのが全体からの賛成を得て、今年度後半の活動計画に組み入れられることにした。(年度後期の12月は年末のために1度お休みとしていたので5回となる)

   

 その第1回目の活動として昨日(10月25日)映画「不都合な真実」を視聴しての話し合いとなった。私自身は映画「不都合な真実」を封切時に観たのを始めとして、すでに3回観ているので、感想的なものはすでに拙ブログにもアップしているので、今回はそちらのページを紹介することで割愛することにする。(過去の「不都合な真実」に関する投稿 《1》 《2》 《3》

 さて、フォーラムの方である。5回のシリーズを会員5名に割り振って、それぞれがナビゲーターとして映像の内容に関連することについてレポートするとともに、コーディネーター役も兼ねて、参加者からの感想や意見を求める形で進行することにした。

 第1回はM氏の担当だった。M氏は6枚ものレポートを提出され、地球温暖化の現状についてレポートされた。M氏のレポートは1990年に国連で地球温暖化について議論が始まったことから、1992年のブラジルで「温暖化条約」が設立したこと、1997年の京都議定書、2015年のパリ協定まで、地球温暖化についての歴史を振り返る内容であり、参考になった。私は特にブラジルの国連会議においてセブァン・スズキが感動的な演説をしたことを懐かしく思い出していた。

 その後、参加者の感想を述べあったが、それぞれが各々の関心事について発表され、皆さんが地球温暖化について高い関心を抱かれていることを覗かせた。私は?というと、私はこの「不都合な真実」のナレーター役であり、この映画に出演したことが契機となってノーベル平和賞を受賞されたアル・ゴア氏が2000年のアメリカ大統領選挙において、ジョージ・ブッシュ氏と大接戦を演じた末に惜敗してしまったことに関心が向いていた。

   

 タラレバの話になってしまうが、もしあの選挙でゴア大統領が誕生していたら、地球温暖化の流れはどうなっていただろうか?と考えてしまった。コトはそう簡単なことではないことは十分に分かっているつもりだが、少なくとも地球温暖化に対する世界の流れは今とは違っていたのではないだろうか?と考えるのはうがち過ぎだろうか?過ぎ去った話をしても仕方がない。これから4回のシリーズの中で、地球温暖化問題だけではなく、今地球上に生起している様々な問題について考えてゆきたいと思う。


札幌景観資産⑨  指定第28号 「永井邸」

2021-10-25 16:15:14 | 札幌景観資産巡り

 指定第28号の「永井邸」はかなり都心に近いビル街に建っている。近くにはプリンスホテル札幌のタワービルが聳え立ち、木造の住宅の落ち着いた佇まいがかえって永井邸を際立たせているようにも見える。

   

※ 古色然とした佇まいの「永井邸」です。

 この永井邸も北海道帝国大学(現在の北海道大学)の医学部の永井一夫教授の自邸として建てられたものだそうだ。こう見てくると札幌景観資産の中で北海道帝国大学の教授邸が三邸も入っている。現在指定から外れはしたが「旧星野邸」も北海道帝国大学の教授邸である。こう考えると、当時の帝国大学の教授というのは俸給も高く、かなりの特権階級だったのかな?ということが伺える。

   

※ 邸宅のすぐ近くにプリンスホテル札幌の円形タワーが見えます。

   

※ 石塀で囲っているのも、昭和初期の広壮なお住まいの特徴でしょうか?

   

※ 窓枠の白色と、壁の黒色のコントラストが落ち着いた美しさを醸し出しています。

   

※ 住宅の向こうにもビルの壁が覗いています。

   

※ 窓の金枠がいかにも昭和初期の建物らしさを醸し出しています。

 さて「永井邸」であるが、永井教授はドイツ留学の経験があり、そのことを活かし自ら建築のプランを練った住宅だと伝えられている。住宅は大正期に都心に隣接する住宅地として発展した一帯に建てられたという。黒塗りの下見張りと白塗りの窓枠のコントラストが外観を印象付けているが、外観についてはほとんど改修をしていないと伝えられている。

 なお、邸宅名の冠に「旧」が付いていないところをみると、現在も永井一夫教授の子孫が暮らしておられるようである。現在もお住まいであるからもちろん内部は非公開である。

   

永井邸 情報》

◇所在地 札幌市中央区南2条西12丁目323-5

◇建設年 1931(昭和6)年

◇構 造 木造

◇指定年 2009(平成21)年8月6日

◇その他 個人宅につき非公開 ※敷地内無断立入り禁止。

◇訪問日 2021年10月7日


リサイクルアート展2021

2021-10-24 19:28:43 | 作品展・展覧会等

 リサイクルの思想を啓蒙しようと、第7回「リサイクルアート展」が10月22日~24日の日程で札幌駅前通地下歩行空間「キタサンHIROBA」で開催されているが、本日その会場を覗いてきた。

   

 世の中、SDG ’sの大合唱である。SDG ’とは、 Sustainable Development Goalsの略称で、「持続可能な開発目標」と訳され17の世界的な目標が設定された。その17を見てみると、地球の持続性と世界中の誰もが幸せになることを願った目標である、と私には映る。その中にはもちろん12)作る責任、使う責任、14)海を豊かに、15)陸も豊かに、といったリサイクルに繋がる目標も入っている。

 たまたま私が所属する「めだかの学校」では、明日から「持続可能な環境を目指して…」と題してのDVDフォーラムの連続開催を予定している。そうしたことからもこのリサイクルアート展のことを知った時「是非とも見なくては!」と思い、本日会場に足を運んだ。

   

 会場には応募全作品312作品から一次審査を通過した23作品が展示されていた。

 さすがに一次審査を通過した作品である。どの作品も単に使用しなくなった素材を活かしているというだけでなく、芸術作品としての評価に耐えうる作品ばかりだと私の目には映った。ただ、私自身に芸術的素養がないため、審査員が優秀と認めた作品を中心に紹介することにする。

 まずは各年代のグランプリ獲得作品である。作品と共に、作者が語った《コンセプト》と《使用素材》も併せて紹介する。

◆小学生の部グランプリ「デイノティラヌス(恐ろしい暴君) 橘 漸(6年生)

   

 《コンセプト》近所の大きな廃棄物処理場の鉄くずを見て、ゴミで出来たゴジラならぬゴミラを作りたいと思いました。でもそれで作ることは出来ないので、身近にあるとうさんが毎日のむ缶ビールのゴミがいっぱいあるので、これを使って大きいゴミラを作りたいと思いました。出来上がってみたらとてもカッコイイので、オリジナルの名前デイノティラヌスにしました。

《使用素材》・アルミ缶◆中学生の部グランプリ「段ボールオブジェ

                (シロナガスクジラ、犬、フクロウ、魚2匹)

                                   木村 孔

   

《コンセプト》段ボール原紙の素材が好きで、それが生きるようなオブジェにしました。

《使用素材》・段ボール・新聞紙・チラシ・使用済みの半紙・木工用ボンド

◆高校生の部グランプリ「あっ!スズメさんが危険!蜜を避けて!チュンチュン

                       WE💛ART(香川県立高松西高校/10名)

       

《コンセプト》私たちは学校でたくさんの紙を使っています。それらが白紙の状態の時は茶色い包装紙で包まれています。そしてその茶色い包装紙はゴミ箱へ?この茶色い包装紙をARTに変えてみよう!そんな思いつきから制作が始まりました。

《使用素材》・紙(コピー用紙を包んでいた包装紙・新聞紙・和紙)

◆一般の部グランプリ「今日までの地図 明日への道」林 誉之(父)・麦穂(娘)

       

《コンセプト》これまで使ってきた古い道路地図を使用して、これからの明るい未来へ続く道を表現したいと思いました。感染症の蔓延、そして通信技術の革新によりいま、移動することの意味が大きく変わりつつあります。また、情報伝達手段としての紙は電子記録に置き換えられ、誰でも簡単に正解らしいものは見つけられるようになりました。しかし、実際に出かけて様々な土地や多様な人・文化を肌で感じ、迷ったり遠回りして得た経験は我々にとって大切なものです。同時に、人間の社会・文化活動は未だ環境負荷が大きく、その価値を守るために自覚を持って行動することが必要だと思います。地球上のあらゆる地域の人々が積み重ねてきた歴史が環境と調和し、環境型社会へのロードマップとなることを願います。

《使用素材》・古くなった地図・段ボール・垂木(1×4端材)

 以上が年代別にグランプリを獲得した作品であるが、芸術的センスのない私の目から見て印象的だった作品を何点か紹介することにする。

Neptune(ネプチューン) クラブザンビア(京都先端科学大学付属高校/6名)

   

《コンセプト》水は古代から地球や人間と共生してきたものであり、今では生命の源となっています。人は水を利用し、様々なものを生み出し、それを生活の一部にしてきました。その水の調節をコントロールするために生まれたのが蛇口です。ひねるだけで簡単に水が出る。そんな当たり前のことができない地域の人からすると、作品の蛇口から出ている少量の水もとても貴重なものです。

《使用素材》・ペットボトルのラベル・お菓子の空き箱・シュレッダー・針金・赤外線センサー・電球・加工木材・新聞紙

※ なお、この作品には次のようなコメントが添えられていました。

 リサイクルアート展全体の作品を審査したうえ、審査委員全員が高校生の部「クラブザンビア」のNeptuneはダイナミックで力量が高くリサイクルアートの象徴的な作品で一般の部の準グランプリに相当する作品と評価しました。

Re sheet(レ  シート) 村上 結輝

        

《コンセプト》リサイクルされにくい感熱紙が使われるresheet(レシート)という素材に注目し、感熱紙の熱によって色が変化する特徴を活かしたモノトーンのグラデーションを美しいsheet(合わせ紙)素材を開発しました。そのsheetを使ってseat(腰掛け)を制作しました。

《使用素材》・レシート・木材・糊

 

ITONAMI~北国の森では」 YOMO KAORI

   

《コンセプト》情報社会の進化は「第五世代」~society5.0を迎えた現代、大量のデータを即座に送受信し、人間の記憶量の千倍を凌駕するビックデータから情報を送り出すことも出来るように、いつしか万能感に浸っていたかのような私たち人類も、コロナ禍にあっては成すすべなく不安と閉塞感の日々を送る他ありません。2020年地球上を席巻した疫病。それは未だに人類を翻弄し続けています。未知のことに憂い、おろおろするばかりの人類に対し、地球上の生き物の姿勢はこれまでと何が変わっただろうか?…そう考えてみたことが制作のきっかけでした。動植物は、自然環境に徐々に順応しながら、古からの営みを今も続けています。誰に教わることもなく生きる為のスキルと、自らの命を次の世代に繋げ、シンプルに今を生きることに専念する姿があるだけです。北海道の山奥では空・水・樹木など、まだ残る環境の中で、今もこのような姿が見られるのだろうかと想像しながらの制作でした。

《使用素材》・バーベキューの使い捨ての金網・スタンプ式トイレのトイレ洗浄剤空き容器・トイレットペーパー芯・緩衝材・発泡スチロール・フラワーオアシス・再利用割りばし・針金・廃棄家電の配線コード・紐・空き缶・古い木枠・ベニヤ板・台所のスポンジ受け・古布切れ端・クリアファイル・竹製ランチョマットをバラしたもの・スキー用グローブ中綿・ボタン・縫い付け用木綿糸・古紙から作った手作り紙粘土・古紙・樹脂粘土・古着からほどいた毛糸・湿布の空き袋・プラスチックハンガー・結束バンド・強力両面テープ・接着剤・アクリル絵の具・水性カラーペン・古いリースの芯材

 まだまだ作品はたくさんあったが、この辺で紹介を終えることにしたい。出品者のコンセプトを伺うと、それぞれリサイクルに対する思いが伝わってきて、それが作品に反映されているところが興味深く思われる。

 今回紹介した中で作品の横には「コンセプト」と共に、紹介はできなかったがそれぞれの「アピールポイント」も掲出されていた。その中で次のようなアピールが私の心に残った。それは「出来た作品がゴミなってしまったらリサイクルにならないので、ずっと捨てずに飾り続けられるように気をつけて作りました」という小学生のコメントが目を惹いた。


屯田防風林の観察会でユキムシの生態を聴く

2021-10-23 19:17:00 | 環境 & 自然 & 観察会

 本日、「秋の屯田防風林観察会」に参加した。参加者は指導者2名を含めて計5名と寂しい観察会だった。参加者数同様に観察会そのものもやや寂しい感じが否めなかった。そのような中、サブの指導者だった方の「ユキムシの一年」のお話は興味深い内容で本日の収穫だった。

   

※ 屯田防風林の野趣あふれる散歩道です。

 札幌市北区に広がる屯田防風林は開拓の姿を残したまま地域住民の方々にとって野趣あふれるウォーキングコースとして人気がある。私も何度か訪れたことがあるが、今回その防風林で観察会があると聞いて参加してみることにした。観察会のテーマは「秋の屯田防風林で紅葉と木の実、野草、冬の使者ユキムシ” を観察しよう」というものだった。

 観察会はまずメインの指導者(ガイド)だった方が用意した資料を用い、いろいろな木々の種子と実、また種子の散布についての説明を長々とされた。その説明の内容がまた私には生煮えに聞こえてきたのは私の思い過ごしか?その間およそ40分間、立ち続けたまま聞く私にはかなり辛い時間だった。  

   

※ 説明を聞く参加者たちです。(後半ようやく腰を降ろしてお話を聴きました)                                  

 ようやく屯田防風林に入った。目に入った木について説明を受けた。①ヤマグワ、②ドクゴボウ、③ヤチダモ、④クルミ、⑤シンジュ、といった木の種の説明を受けた。木々の紅葉はほとんど見受けなかったのは育っている樹種の違いだろうか?

 樹種や植物の名前を覚えるのが苦手な私にとって、こうした観察会を何度も受講することで、牛歩のように遅い歩みだが名前を覚えることができたら、と思っている。

   

※ ドクゴボウの葉です。

   

※ ヤマグワの葉です。

   

※ ヤマグワの実です。

   

※ 高く成長したミズナラの木です。

         

※ ミズナラの木肌です。

   

※ クルミの若木です。これくらいの若木では実はつけないそうです。

   

※ クルミの葉です。

   

 ※ この写真2枚はシンジュという木の葉です。

   

 林の中で目立ったのが、木肌の荒々しいヤチダモだった。そこで出番となったのがサブの指導者である。道内では初雪が降る10日くらい前になるとユキムシが群舞する。(もっとも最近ではそうした光景を目にすることが少なくなってきたようだが…)実はユキムシが群舞するのは、アブラムシが成虫と化してトドマツからヤチダモの木に移動する現象だということなのだ。

   

※  このユキムシの写真はウェブ上から拝借しました。

   

※ ミズナラの木肌の近接写真です。この木肌の溝の中で越冬するそうです。

 その後、指導者の方はユキムシの生態について詳しく説明された。ヤチダモに移ったユキムシは卵を産み(第六世代)、ヤチダモの樹皮の溝などで越冬する。そして春4月頃になると孵化し、ヤチダモの樹液を吸って成虫(第一世代)となるが、5月には新たな命(卵)が誕生し、成長すると羽の生えた成虫(第二世代)となる。そして初夏になるとトドマツの根元に移動するそうだ。その移動は数が少ないために気付かれないで移動が完了する。そしてユキムシはトドマツの根元の土中で根から樹液を吸いながら(第三世代、第四世代)土中で生活しながら世代交代をするそうだ。そして第五世代が土中から出て、羽の生えた成虫として雪が降る前にヤチダもの木に移動するという。つまりユキムシは年間6世代ほど交代しながら、生命を繋いでいるということだった。残念ながらユキムシそのものの観察はできなかったが、とても興味深くお話を伺うことができた。

 あるいは私の聴き方に間違っているとこめがあるかもしれないが、指導者の方はユキムシのことをかなり詳しく研究されている方だと思えた。

 私は観察会を終えた後、指導していただいた方に「大学で研究されている方ですか?」と問うた。すると「えゝ、生物物理学をやっていましたが、退職しました」と答えられた。偉ぶるところが少しもなく、私たちのような素人に分かり易く説明してくれる姿に氏の人間性の素晴らしさを見た思いだった。

 ことほど左様に、人に何かを伝える、教授するということは難しいものだなぁ、と改めて教えられた本日の観察会だった。            


来春を夢見ながら…

2021-10-22 16:20:26 | ボランティア

 本格的な冬がやってくるのを前にして、今日は来春を夢見ながらマンション前の花壇に球根の植え付け作業を行った。スノードロップ、クロッカス、チューリップ…、いずれも春の花壇を彩る花たちである。きっと来春はマンション前を華やかに彩ってくれるに違いない。

 私が所属するボランティアグループ「近美を愛するブリリアの会」は、近美前の歩道を清掃するだけではなく、いつの間にかマンション前の街路樹枡内の花壇のお世話も担うことになってしばらく時が経った。

 当初は夏花壇だけだったのだが、一昨年あたりから春花壇もお世話するようになった。そこで今日、夏花壇を整理して、来春の春花壇を彩る球根の植え付けを行った。本日の活動はいわば臨時の活動だったこともあり、会員の方々の参加はちょっと少なめの5人だった。

   

※ アイビーで四季咲きベゴニアを囲んだ夏花壇の今朝の様子です。

 活動の内容は、夏花壇を彩った赤、ピンク、バイカラーの三色の四季咲きベゴニアはまだまだ元気だったが、初雪の便りも聞かれる時期となったために整理した。そして、ベゴニアを整理した後に、培養土を補充し、堆肥を混ぜて苗床を作った。

 そこへあらかじめ私の方で作成した花壇植栽計画に従って、スノードロップクロッカス、大球のチューリップミニチューリップと4種の球根を植え付けた。私を含めて皆さん花づくりには素人のため、昨秋の植え付けでは球根を植え付ける深さが浅かったために、春の花の時期に一部の球根が浮き上がってしまったこともあり、今回はそのことに注意しながらの作業となった。そして植え付けた後はしっかりと踏みつけて万全を期した。

   

※ 植え付け作業の後始末をする会員の皆さんです。

 マンション前とマンション横の計4つの街路樹枡内に球根の植え付けを無事に終えることができた。

 今春はチューリップだけだったために、早春の花壇が寂しかった。そこで今回は4月上旬頃に花の時期を迎えるスノードロップ、続いて4月中旬のクロッカス、そして5月のチューリップと次々と花を楽しめるに違いない。

   

※ 春花壇のために球根の植え付けを終えた街路樹枡花壇です。

 間もなく札幌には寒く厳しい白い冬がやって来るが、来春の雪が消えた後の華やかな花壇を夢見ながら冬を過ごしたいと思っている。