この日もまた満員の聴衆を前に「街歩き研究家」の和田哲氏のお話は冴えわたった。パワーポイントを駆使して、北海道の、そして札幌の歴史の一コマを実に興味深く紹介してくれる技にはいつも感心して聞き惚れる和田節である。
昨日(5月27日)午後、道民活動センター(かでる2・7)において、今年度第1回目の「ほっかいどう学かでる講座」が開催されました。 この日は「北海道・札幌おもしろ歴史散歩」と題して街歩き研究家として活躍されている和田哲(さとし)氏が講師を務めました。
私が和田氏のお話を聴いたのは、これまで10回を下らないと思われますが、和田氏のお話はいつも豊富な資料を用意してパワーポイントで提示してくれるだけでなく、和田氏の巧みな話術にも感心しているのです。
昨日(5月27日)午後、道民活動センター(かでる2・7)において、今年度第1回目の「ほっかいどう学かでる講座」が開催されました。 この日は「北海道・札幌おもしろ歴史散歩」と題して街歩き研究家として活躍されている和田哲(さとし)氏が講師を務めました。
私が和田氏のお話を聴いたのは、これまで10回を下らないと思われますが、和田氏のお話はいつも豊富な資料を用意してパワーポイントで提示してくれるだけでなく、和田氏の巧みな話術にも感心しているのです。

この日は、北海道、あるいは札幌の歴史の一コマを12のエピソードにまとめてお話されました。
その12のエピソードとは…
① テレビ塔の電光時計
② 珈琲発祥の地・宗谷
③ 冬のスポーツ黎明期
④ スピードスケート世界選手権
⑤ 動く国道
⑥ 滝川の不思議な碁盤の目
⑦ 旭川の巨大ロータリー
⑧ 石炭と鉄道
⑨ 岩見沢の謎
⑩ 餅の街小樽
⑪ 盆踊りの唄
⑫ 夕張北高最後の卒業式
〈おまけ〉苫小牧の地名
この題名を見るだけで、「どんな話なのだろう?」と興味を持たれるのではないかと思いますが、いかがでしょうか?
何度も和田氏のお話を聴いている私には、以前に聴いた話を再び聴くこともありましたが、今回は12のエピソードのうち聞いたことのある話題は、①、③、④の三つだけで、残りは初耳の話題ばかりでとても新鮮でした。
どのエピソードも興味あると思われますが、その中でも「動く国道」というエピソードは興味ありませんか?
国道が動くとは、勝鬨橋のように橋が上がったり、あるいは回ることを言うのかな?と思いましたが、そうではありませんでした。
道内にはたくさんの国道が走っていますが、札幌⇔留萌間を結ぶ国道231号線があります。 この区間には大河・石狩川が流れており、現在の石狩市付近の河口に近いところは川幅が1,500mもあり、橋を架けることが困難だったそうです。
そこでこの区間は「渡船」によって結ばれていたということです。つまり「渡し船」が国道だったわけです。したがって人々は「動く国道」と呼んでいたということです。
社会が車社会となり、交通量が増えた昭和40年代には、一日に渡船を利用する人が4,000人、車両が1,500台を数えたということです。
昭和47年には「石狩河口橋」の一部が通行可能となり、昭和51年には全面開通となったということです。なお「渡し船」の方は、それ以降も運航を続けましたが、昭和53年になって全面廃止となったということです。

※ 完成した「石狩河口橋」(全長1,412m)です。
和田氏はこうした歴史の中にうもれたような話題を掘り起こし、私たちに提供してくれます。しかも、当時の写真資料などを揃えて…。
きっと和田氏は、常にアンテナを張り巡らせ、私たちが興味を抱く歴史的なエピソードはないものか?探し続けられているのではと思われます。
これからも機会あるごとに和田氏のお話を追いかけたいと思っています。