田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

美術映画 横山大観の「海山十題」を観る

2024-03-31 10:53:29 | 映画観賞・感想
 横山大観といえば日本画の巨匠として名高いが、氏の画には西洋画のエッセンスも含まれているためか、絵画にはからきし弱い私が観ても魅力的である。そんな横山氏が氏の画業50年を記念して描いたのが「海山十題」だという。ところが、その「海山十題」が後世になって物議を醸したそうだ?
     

 絵画や美術品にはとんと関心のない私である。しかし、作品を解説する講演会とか、美術品等の背景を描く映画などにはけっこう足を運んでいる。今回も ‟横山大観の映画” と聞いて観てみようと思い立った。
 映画は3月28日(木)午後、札幌市民ギャラ―リーで映写会が開催されたので参加した。
 映画は「海山十題」の他の作品もいくつか取り上げたが、主題は横山氏が画業50年(1940年)を記念して描かれた「海山十題」についてだった。
 その「海山十題」は時代の波に翻弄され、その一部は所在不明となって “流転の名画” とも呼ばれ、後世になってから横山大観の評価を左右するほどの話題になったという。

   
   ※ 大観は富士山を題材とした画を数多く描いたという。

 されは「海山十題」が制作年に関わってくる。「海山十題」の制作年は前記したように1940年である。1940年というと太平洋戦争前夜である。国全体は軍国主義一色に染まっていたと伝えられている。そうした中、横山が積極的に軍国主義に関与したのか?あるいは有名画家故に体制に利用されたのか?
 海を主題に描いた十作品と、富士山を主題に描いた十作品の計20点が「海山十題」とされているが、その中に数点に真紅の太陽が描かれていることが物議を呼んでいるようだ。さらにはその「海山十題」の20点は即売にかけられ、その売上金が陸海軍両省に献納され4機の戦闘機が購入されたそうだ。
 つまり戦前の横山大観は当時の軍国日本に積極的に関与したという評価なのである。

 
 ※ こちらは「海十題」の一枚です。真紅の太陽が印象的な一枚です。

 映画はその横山大観の評価について、元NHKアナウンサーの山根基世さんの質問に答える形で、映画監督の吉田喜重氏と横山大観記念館々長の横山隆氏(横山大観の孫)の二人が語っている。(横山氏についてはあるいは私の記憶違いの恐れもある)
 二人の横山大観の「海山十題」に関する評価は若干違っているように私には映った。吉田氏は横山大観の画家としての力量を認めながらも軍国日本を後押しする結果となったことに対する横山大観の姿勢に疑義を呈するニュアンスだったのに対して、横山隆氏は戦争と「海山十題」の関連について直接は言及せず、純粋に絵画としての価値を認めてほしいというニュアンスに映った。

     
     ※ 横山大観の晩年の一枚だと思われます。

 このことについて横山大観自身がどのような発言をしたのか知る由もないのだが、彼の功績は1937年に文化勲章を授与され、戦後の1952年には文化功労者に叙せられたことからも、彼の画家としての存在は日本画壇においては欠かすことのできない大きな存在であるということを示しているのかもしれない。

※ 使用した写真は全てウェブ上から拝借したものです。

市民健康教育講座「脳卒中について」

2024-03-30 11:15:50 | 講演・講義・フォーラム等
 ある意味予兆もなく(?)突然に私たちを襲う “脳卒中” しかし、原因も予兆もないわけではないらしい。できれば出会いたくない “脳卒中” について専門医師から “脳卒中” のあれこれを聴いた。
     
 このところ気が付くと健康に関する講座を受講することが多くなった。無意識的に自分の “老い” を意識しているということなのだろう。
 3月27日(水)、西区民センターにおいて西区健康・子ども課が主催・管轄する「市民健康教育講座」が開催された。今回は「脳卒中について」というテーマで、札幌孝仁会記念病院脳神経外科の高平一樹医師が講師を務められた。

       
       ※ 講義をされる高平一樹医師です。

 高平氏はまず、「脳卒中とは、“卒”(そつ)として中(あたる)= 突然倒れる」病であると、その意味を説明された。そして「脳卒中」には「脳梗塞」、「脳出血」、「くも膜下出血」の三種があるとされた。

       
       ※ 脳卒中の中では「脳梗塞」が3/4を占めています。

 そして脳卒中と心臓病を併せて「循環器病」と称されているという。そのうち「心臓病」は多岐にわたるが、その中で「心筋梗塞」と「狭心症」が有名だという。この「循環器病」とは、部位が異なるものの「血管が詰まってしまい、血液の循環が滞ることによって起こる病」という点で共通性があるとした。
 その後、高平氏は「脳卒中」のそれぞれについてその部位の血流が滞る状況や起こる症状を説明されたが、医師でもない私にとっては関心外のことだったのでメモもしなかった。
 問題は「脳卒中を予防することができるのか?」ということである。ある日突然のように襲われる「脳卒中」であるが「予防は可能!」ということである。血管が詰まるということは「動脈硬化」がその要因なのだが「動脈硬化は予防できる」という。
 動脈硬化の原因は、生活習慣病(高血圧、糖尿病、コレステロール)と喫煙だという。これらに留意することで「脳卒中」の危険性はそうとうに低下するということだった。
   
※ 脳卒中の原因となる生活習慣と危険因子を図示されたイラストをウェブ上で見つけました。

 「脳卒中」は昭和年代には日本人の死亡原因の一番だったが、救急医療の発達などにより現在では第4位まで低下したそうだ。しかし、「脳卒中」は後遺症(半身麻痺、言葉の障害、意識の障害、etc.)が残ることで、その後の生活に課題があるとした。
 高平氏は「脳卒中を予防するための『脳卒中予防10カ条』がインターネット上に公開されているので参考にしてください」と話して講義を締め括った。そこで早速のその頁を開いてみたので、その10カ条を転写して本ブログを締め括ることにしたい。
 【脳卒中予防10カ条】
  ① 手始めに高血圧から直しましょう
  ② 糖尿病放っておいたら悔い残る
  ③ 不整脈見つかり次第すぐ受診
  ④ 予防にはたばこは止める意思を持て
  ⑤ アルコール控えめは薬過ぎれば毒
  ⑥ 高すぎるコレステロールも見逃すな
  ⑦ お食事の塩分・脂肪控えめに
  ⑧ 体力に合った運動続けよう
  ⑨ 万病の引き金になる太り過ぎ
  ⑩ 脳卒中起きたらすぐに病院へ
      
       ※ 脳卒中の代表的な症状です。

MUSICAL KNOCK KNOCK!

2024-03-29 12:04:32 | ステージ & エンターテイメント
 う~ん、演じている学生たちはすご~く一生懸命演じているのだが…。 どうしてもアマチュアの甘さが出ていたかなぁ…。それにしても本格的なミュージカルを創るのは大変な営みであることを痛感させられた。
     
 少し時間が経ってしまったが、まとめるのに少し時間がかかってしまった。
3月23日(土)午前11時からかでるホールにおいて「北大ミュージカルサークルハルニレ」の第4回公演が行われ観劇させてもらった。
 本格的な舞台設営、照明、音響を備えたステージを無料で公開してくれるとは…。きっとキャストやスタッフの方々、そして彼らを支えた関係者の方々の懸命な努力で実現したステージだったのだと推測した。ありがとう!
 今回のステージ「KNOCK KNOCK!」は、帯広の高校生が自分たちの“今を変えていきたい”との思いから自らの心の扉をノックして、音楽と共に夢見た景色へ飛び立とう!というテーマのミュージカルである。脚本、演出、挿入歌の作曲、舞台製作、照明、音響、etc.…、全て学生の手による完全な自主制作の舞台であり、演出時間2時間30分になる大作だった。
 考えてみると(考えなくとも)ミュージカルは音楽(歌)あり、劇(セリフ)あり、舞台製作あり、音響・照明効果あり、etc.と総合芸術の極と云っても良い作品である。その総合芸術に一大学サークルが挑むというのだから、それだけ考えても大変なことである。

    
     ※ 写真は彼らのHPから拝借したのだが、この写真は今回の舞台のものではないようです。

 さて、その舞台だが前述したように「ややアマチュアとしての甘さが出てしまったかなぁ…」というのが私の正直な感想である。
 まずキャストであるが、主役を担った三人の女子高校生役だが少ないサークル員の中から選出しなくてはならないことから「仕方がなかったのかなぁ」とは思うのだが…。
 他のキャストたちも北大に入るくらいだから高校時代は勉強に熱中(?)していた彼らにとって、いわゆる今風の若者を演じるにはどうしても役になりきれないものを感じながらの演技だったように感じたのは私だけだったろうか?
 また、スタッフの動きの中で残念だったのは、マイクスイッチャー(などという名称はあるのかな?)のタイミングが時折りずれてしまったところだ。セリフの途中からマイク音声が入るのはかなりまずかったのではないか?
 と粗探しばかりしてしまった感があるが、良いとこもたくさんあった。キャストではムギ役の方の歌唱力が素晴らしかったし、ビジュアル的にもミュージカルスターとしての素質を感じることができた一人だったし、他にも脇役で光っていたキャストも何人か目に付いた。
 また、スタッフの方々も目に見えないところでステージを支えていたことを随所に感ずることができた。
 ミュージカル、というと私は直ぐに「劇団四季」を想い出してしまい、それとの比較をどうしてもしてしまう。しかし、比較することそれ自体がまったく意味のないことなのかもしれない。「劇団四季」はいわば我が国で最も優れた力のあるミュージカル劇団である。彼らと比較すること自体が失礼なことなのに…。

     
      ※ こちらは今回の舞台のエンディングのシーンです。

 そんなこんながありながら、最後は感動のステージをステージ上と観客席で共有することができたのは素晴らしかった。
 彼ら北大ミュージカルサークルハルニレの第5回公演も期待しながら待ちたいと思っている。感動をありがとう!北大ミュージカルサークルハルニレ!


めだかの学校 仲間から学ぶ Ⅲ

2024-03-28 18:58:48 | 「めだかの学校」関連
 めだかの学校「仲間から学ぶ」T&D学習は今回が最終回だった。今回のスピーカーはO氏と私だった。O氏は四国お遍路体験記を、私は私自身のブログ生活を、それぞれ語った。それを聴いた会員の方々の反応は?

 3月25日(月)午後、私が所属する「めだかの学校」「T&D(トークアンドディスカッション)学習」の第4回目の講座を開催した。
 今回はO氏の「遍路雑話」と私の「私のブログ生活」が話題を提供した。

   
   ※ 「遍路雑話」を発表するO氏です。

 「遍路雑話」は、ご存知の四国八十八か所のお遍路を体験した話だった。O氏は退職後に歩きお遍路を計画したが、一気に廻ることはできずに3度に分けて全長1,400キロを完歩したそうだ。一見頑強に見えるO氏だが、足に豆ができたことで一気には廻ことができなかったという。それでも計画されたことを執念で成し遂げたことは素晴らしいことだ。私も “歩き旅” は何度か行ってはいるが、1,400キロもの長距離を歩くことは考えたこともなかった。貴重な体験をされたO氏がちょっと羨ましかった。
 さて、私の方だが私は「リタイア生活を豊かに彩ってくれているブログ生活」と題して、パワーポイントにまとめて発表させてもらった。

     
         ※ 私が作成したパワーポイントの1頁目です。
 発表の要旨は、
◇ 2006年5月6日にブログ開設以来、本年2月末現在で19年目に入ったこと。
◇ 2008年11月17日からは一日も欠かさず連日投稿を続け、2月末現在で1,565日続いていること。
◇ それは旅に出た時はもちろんのこと、2度の海外旅行の際も投稿を続けて現在に至っていること。
◇ 拙ブログへのアクセス数(UU数=訪問したユーザーの実数)を記録し続けているが、ブログ開設以来、年平均が右肩上がりで上がり続けていたが、2021年に一時下落した。しかし、本年に入りUU数が1,000を超えていること。
 等々を発表した後、ブログを始めた意味、連日投稿する意味、ブログを続けていた効用、等々についてお話させてもらった。
 私にとって今やブログで発信することが、大きな生き甲斐となっている。ブログで発信するために、ほぼ毎日外出し、講演・講座を聴き、ステージを楽しみ、体を動かしている。そのこと自体が健康に繋がっていると確信しているし、生きる張り合いに繋がっていると話させてもらった。そして意欲が続くかぎりブログで発信を続けたいと結んだ。

   
    ※ 発表を聴き入る会員の方々です。

 さて、私の発表に対する会員の方々の反応はどうだったかというと、残念ながら芳しいものではなかったというのが正直なところだ。どうも私たちの年代の方々にとってブログなどというものは関心外のことのようだった。つまりブログそのものがどのようなものなのか分かっていただけない方が多数を占めていたように思えたのは残念だった。
 そうした中、私のブログのコアなユーザーの一人であるS氏が「同じように体験した講演やステージの感想などが要領よくまとめられている」と話されたことが何より嬉しい反応だった。
 「T&D学習」の最終スピーカーとして私が相応しかったかどうかは疑問の残るところだが、ともかく多くの会員の方々が会員を前に自分の体験や思いを発表する体験をされたことは、それぞれにとって貴重な体験だったのではと思っている。来季もちょっと別な形で会員同士が発表をし合う場をもちたいと思っている。

名作「ロミオとジュリエット」を観る

2024-03-27 12:05:50 | ステージ & エンターテイメント
 シェイクスピアの名作である「ロミオとジュリエット」を弦巻楽団演技講座の受講生たちは堂々と演じたのでは?と私には映った。昨年に引き続き、弦巻楽団の演劇を楽しんだ!


 3月23日(土)午後、扇谷記念スタジオ「シアター ZOO」において弦巻楽団演技講座の2023年度第3学期「舞台に立つ」の演劇を鑑賞した。弦巻楽団の舞台は昨年も同趣旨の舞台「ヴェニスの商人」を観劇し、「これはなかなか見応えがある」と思い今年もチケットを手配した私だった。
 シアターZOOのキャパは90人ということだが、私が観劇した回は若い方を中心にほぼ満員の盛況だった。
 特別な造作もない中、ただ一つの台が設置されただけの簡素な舞台で「ロミオとジュリエット」は始まった。配役を見ると、半数くらいは弦巻楽団や他の劇団、あるいは大学演劇部と舞台経験のあるキャストが占めていたが、半数は初体験の演技講座の受講生が出演していたようだ。

 
 ※ 弦巻楽団提供の写真です。両家の諍いによる血統のシーンです。

 舞台も衣装も簡素であるということは、真に演技力が試されるということなのだろう。ともかく演者の張りのあるセリフが会場に響き渡った。ところが…、最近私の聴力が衰えてきたのかもしれない。はっきりとセリフが聴き取れないのだ。聞き慣れないイタリア語の翻訳だったということも影響していたのかもしれない。キャストたちは一生懸命演じているのに……。

  ※ プログラムに掲載されていた両家の人物相関図です。(キャスト名も記されています)

 それはともかくとして、この「ロミオとジュリエット」は二人が出会いと共に恋に落ち、密かに二人だけで結婚をする。ところが二人の実家(キャビュレット家とモンタギュー家)の仲が極めて悪いことから二人を悲劇へと導く展開なのだ。両家の争いは策略と決闘が相次ぐという舞台が繰り返される。そして最後は二人共に不遇の死でエンディングを迎えるというストーリーである。それはまさに原作に忠実な脚本である。

  
  ※ ステージの最後、横たわるジュリエットとその傍で息絶えるロミオのシーンです。

 キャストはベテランと受講生が同じステージに立って演じていたのだが、私の目からはどちらがどちらなのはその判別はできないくらい受講生の方々も頑張っていたように見えた。
 舞台は最後まで緊張感に満ち、観客たちを十分に楽しませてくれたと思う。
来年も機会があればぜひ弦巻楽団演技講座の「舞台に立つ」を観劇したいと思う。

死刑制度について考える

2024-03-26 16:43:18 | 講演・講義・フォーラム等
 とても重い問題である。私などが論ずるには荷が勝過ぎるし、私自身死刑制度の可否などについて考えたこともなかった。この重たい問題を考える機会を与えられた…。
     
 3月22日(金)夜、かでる2・7において札幌弁護士会が主催する「映画上映会&死刑制度に関するトークセッション」が開催され、参加してみた。
 映画は「望むのは死刑ですか オウム“大執行”と私(告白編)」という約60分間のドキュメンタリー映画だった。
 内容はオウム事件で坂本弁護士一家殺人事件を機にオウムと対峙し続けながらも死刑制度には反対の立場の岡田尚弁護士
 オウム事件の被害者の一人で、オウムの教祖麻原彰晃にだけは死刑執行をと強く主張していた滝本太郎弁護士。(滝本氏は麻原彰晃が超能力の証とされた「空中浮遊」を自ら再現したことでオウムから狙われた弁護士です)
 オウム真理教家族の会の一員で、夫がオウムのからの猛毒で襲撃され障害者となってしまった永岡英子氏

        
 ※  被害者の会の会員永岡英子氏とオウムから攻撃を受け後遺症の残った ご主人です。

 オウムの教祖麻原彰晃こと松本智津夫被告の弁護団の一人として裁判を闘い、死刑制度に反対する小川原優之弁護士
以上4人の方々が2018年7月の一か月の間にオウム真理教の13人死刑執行後、5年を経た某日、この映画の監督の長塚洋氏の質問に答える形で現在の心境を述べているところを撮り続けたドキュメンタリーである。

        
        ※ ドキュメンタリーを制作し、来札して長塚監督です。
  
 映画に登場した長塚監督をはじめとして4人の方々は基本的には日本の死刑制度についてか反対、または懐疑的な論調でした。曰く、死刑が本当に望まれているか。国が代わって人を殺すことが必要なのか。被害者感情は年月の経過とともに変化していく。等々…。
 特にオウム事件の場合、短期間に大量13人の死刑が執行されたこと、精神的に異常な状態にあるといわれた麻原彰晃の死刑が執行されたこと、さらには死刑囚13人のうち10人が再審請求中にも関わらず死刑が執行されたこと、等々が疑問点として提起された。
 映画上映後、長塚監督と札幌弁護士会の大川哲也弁護士によるトークセッションがあったが、そこで私にとっては衝撃的な資料が提起された。それは世界的に死刑を廃止している国が144ヵ国に上り、OECD加盟38か国の中で死刑制度をとっている国は、米国の一部の州(50州中24州)、韓国、そして日本の3ヵ国のみということだった。その中、韓国では死刑制度はあるものの1997年以降は死刑執行が行われていないという。米国では州によって死刑制度は残っているものの連邦レベルでは2012年に停止していて、国家として統一して死刑執行をしているのは日本のみであるということを知らされた。
 一方で、日本の政府世論調査(2013年調査)によると「死刑は廃止すべきである」が9.0%、「死刑はやむを得ない」が80.0%と死刑制度支持派が圧倒している現実もある。(もっともオウム関連の死刑執行が行われた後は死刑支持派が60%台まで減じたことも知らされた)
 前述したようにこの問題について、私は論ずるに値するほど真剣に考えたことは今までなかった。敢えて言えば日本人の多数派である「死刑はやむを得ない」派であった。しかし、今回の映画とトークセッションに参加してみて「こうした問題にも関心を持たねばならないかな」との感想を持ったが、やっぱり私には難しい問題だった……。



マルヤマクラスアニバーサリーコンサート Ⅱ

2024-03-25 18:16:16 | ステージ & エンターテイメント
 20日のコンサートに続いて、昨日24日にマルヤマクラスで開業15周年記念のアニバーサリーコンサートの第2弾が開催され足を運んだ。今回はピアニストでインフルエンサーとしても活躍する「ふみ」さんのステージだった。
    
 「ふみ」さんとは女性っぽいネーミングであるが、れっきとして若い男性である。ネット上で調べてみると、札幌に住んでいて、本名は「馬渕文也」さんらしいと言われているが確認はされていないそうだ。
 ふみさんは3歳からピアノを始めて、高校のピアノの全国大会で3位に入賞したこともある腕前だそうだが、現在ピアノ歴21年目だという。
 彼はピアノだけではなくYouTuberとしても活動し、チャンネル登録者数40万人を誇り、インフルエンサーとして自身はもちろん、札幌市のことも積極的に発信しているインフルエンサーとしても有名らしい。そのこともあり、現在札幌観光大使としても活躍しているという。
 私がマルヤマクラスに着いたのはコンサート開始の20分前だったが、若い人には人気のようで、すでに大きな人垣ができていた。
    
 コンサート開始時間になって「ふみ」さんが登場した。背の高い色白でいかにも今風な若者の風情で若者人気も頷けた。
 演奏された曲目は、彼によると季節を意識した曲を選曲したということだった。その曲目は…、
 ◇「旅立ちの日に」/坂本浩美  ※ 卒業式ソングの定番(?)
 ◇「卒業写真」/荒井由実
 ◇「春よ来い」/松任谷由美
 ◇「千本桜  feat.初音ミク」/黒うさP
以上4曲だったが、ふみさんのピアノはいわゆるポップス系のピアニストである。前半3曲は私も知っている曲だったが、4曲目の曲はまったく聴いたことのない曲であり、曲の紹介もなかった。演奏後に近くにいた若い方に曲名をお聞きし、なんとか紹介できた。
    
 ふみさんのビアノの演奏は、軽やかで華麗に弾きこなしていたように思えた。ただ、ピアノ演奏だけで勝負していくにはどうなのかな?と思えたのも事実である。
 そのあたりがYouTuberとしても活動している要因なのかな?とも思えた。
 いずれにしても、ポップス系の曲を軽やかに弾く音色は、聴いている人たちを癒してくれる力が確かにある。さまざまな活動を通しながら、札幌の人々の心を癒してほしいと思う。                                     

レバンガの勝ち試合を観戦できた!

2024-03-24 19:22:15 | スポーツ & スポーツ観戦
 今シーズン苦戦が続くレバンガ北海道だが(昨日まで12勝31敗)、昨日は茨城ロケッツに96対81で7連敗から脱出した試合を観戦することができ、気持ち良く帰路に就くことができた!
   
※ 5,816人の観客が詰めかけ満員の会場の「きたえーる」です。

 久しぶりのB1リーグ観戦である。観戦に先立って、どの試合を観戦するか?検討した。 その際、できれば勝利の可能性のある試合を観戦したいと思った。
 調べたところ、B1リーグの東地区で現在第7位がレバンガ北海道、第8位が茨城ロケッツだった。これはもう対茨城ロケッツ戦を観戦するしかないと思い予約した。

※ タイムアウト中にHCのの指示を聞く選手たちです。

 私と同じように考える人が多いのだろうか?この日は立見席ができるほど多くの人が詰めかけ、発表では5,816人が入場したということだった。
 第1Qは互いに調子に乗れず一進一退を繰り返した。特に両チームとも3点シュートの確率が低いのが目立った。このことが両チームとも下位に低迷している原因の一つのような気がした。それでも第1Q後半にはレバンガが僅かに抜け出した。第2Qに入ると、新加入のトラビス選手を中心に爆発して茨城ロケッツを大きく引き離した。第3Qもレバンガは調子を維持し、試合の趨勢はおおよそ決まった感があった。第4Qは茨城の反撃を許したが、それまでの貯金に助けられ逃げ切りに成功し、勝ち切ることができた。
※ タイムアウト中、コート内ではダンスチームかパフォーマンスを披露と、雰囲気を盛り上げます。

 各Q毎のスコアは次のとおり。(前がレバンガ、後が茨城の得点です)
 ◇第1Q(20 - 16)、◇第2Q(35 – 21)、◇第3Q(25 – 18)、◇第4Q(16 – 26)
 ◆試合総計  北海道(96 – 81)茨城

 結果として、現在の順位通りとなり私の目論見は実を結んだ感もあるが、本日(24日)両チームは再戦したのだが、本日は残念ながら52 対 81 で敗戦となってしまったようだ。
※ ヒーローに輝いた新加入のトラビス選手(米国人)がインタビューを受けました。

 最近、スポーツファンとして気になることがある。それは北海道に本拠地を置くプロスポーツチームの不振である。
 サッカーのコンサドーレは開幕したものの3戦勝ち無しで最下位に低迷している。
 フットサルのエスポラーダは今シーズン最下位で、来シーズンはD2に降格し、もしD1に昇格できなければチームの解散も検討されているという。
 バレーボールでVリーグ1部に昇格したヴォレアス北海道も10チーム中第9位と低迷している。
 レバンガ北海道しかり、プロ野球の日本ハムも2年連続最下位と振るわない。
 このように並べてみると、北海道のスポーツファンとしては切歯扼腕の思いで日々のスポーツ欄を眺めている。
※ レバンガ北海道のアイドル(?)乳牛のぬいぐるみを着た若い女性です。

 北海道のプロスポーツの不振の要因を考えると、プロスポーツを下支えするスポンサーとなるべく大企業が北海道にはないという致命的な弱点に行きついてしまう。しかし、一時期コンサドーレの社長だった野々村芳和氏(現Jリーグチェアマン)はそうした環境の中でも工夫を重ね、チーム強化を図り、強豪に伍してコンサドーレファンを喜ばせてくれた歴史がある。(野々村氏の在札時代に何度かお話を聞いたが、彼は小さな企業でも小まめに回り、協力を取り付けることである程度の資金を集めることができたと語っていた)
 野々村氏の意志を継承し、弱点を嘆くだけではなく、その逆境を跳ね返す勇気とアイデアをチーム関係者には期待したいと思っている。そして道民一人一人も逆境の中でも北海道で頑張る選手たちを熱く応援したいものである。


お花の種を蒔きました!

2024-03-23 18:42:15 | 講演・講義・フォーラム等
 私のブログのタイトルとしてはまったく相応しくない、若いママさんが書きそうなタイトル名である。しかし、実際には齢77歳のお爺が春のお花の種まきをしたという話である。
     

 一昨日(3月21日)、札幌エルプラザにおいて「さっぽろ花と緑のネットワーク」が主催する「春に向けて種から花を育ててみよう!」という講習会に参加した。
というのも、私は北海道立近代美術館前の歩道や花壇の整美に自主的に取り組んでいる「近美を愛するブリリアの会」を主宰している関係から、10数年間にわたって「さっぽろ花と緑のネットワーク」が呼び掛けている「さっぽろタウンガーデナー」に登録している一人なのだ。「タウンガーデナー」とは、札幌を緑豊かな潤いのあるまちにするための「花と緑のまちづくり」の仲間である。
 私はこれまで「ブリリア会」の活動はけっこうまじめに取り組んできたつもりだが、「さっぽろ花と緑のネットワーク」が主催する講習会などにはほとんどと言って良いほど参加してこなかった。そこで罪滅ぼしの意味もあり、今回参加してみたのである。
 講習会には30人くらいの市民が参加していたが、案の定そのうち男性は3人だった。
 講習会は至れり尽くせりだった。机の上には花の種、種を蒔くセルトレイ、種まき用の土、そして手袋まで用意されていた。

    
    ※ 主催者によって予め用意されていた花の種まきの用具類です。

 そしてまず全体説明でこの日の作業の概要が説明たされ、3名ずつ座ったテーブルには「種まきサポーター」なる種まきに関する講習を受けた方が指導役として張り付いてくれていた。

   
   ※ まずは作業の概要が担当者から説明がありました。

 植え付ける花の種は「マリーゴールド」、「宿根アマ」、「スィートアリッサム」の3種だった。
 講習とはいっても難しいことではなく、次の手順で種まきしたということである。
 ① 土(培養土)をセルトレイに均等に入れる。
 ② 土を均し、そこに5mm程度のくぼみを作って種を蒔く。
   (この日は、マリーゴールドを4粒、宿根アマを20粒、スィートアリッサムを12粒蒔いた)
 ③ 種を蒔いたら、指で押さえて土に馴染ませる。
 ④ その上から霧吹きで土を湿らせる。
ここまでの作業だった。
 この状態でそれぞれ家に持ち帰って、⑤ セルトレイを水受けに入れ、2cmほど水を張って「底面給水」をする。1時間くらいで完全に水を吸ったら、室内の温かいところにおいて発芽を待つ。
 特別難しいことではなかったが、敢えて言えば指定された種の数どおりに植えるのが、小さな種のため神経を使った。

    
    ※ 種まきからおよそ1ヵ月経過した右からマリーゴールと、アマ、アリッサムです。

 私としては、マリーゴールドやアリッサムはこれまでも育てた経験があるが、宿根アマは初めてである。アマは初夏に涼しげな水色の花を咲かせることで知られている。その上、北海道開拓時には麻の繊維として大々的に栽培されていた経緯もある。今夏はアマの花を道立近代美術館前の花壇で栽培してみたいと思っている。

   
   ※ アマの涼しげな色合いがいいですね。 

 お爺が「お花の種を蒔きました!」というお話でした…。

日本内科学会市民公開講座

2024-03-22 16:18:25 | 講演・講義・フォーラム等
 テーマが「科学の進展と未来の医療 2048年の医療はこうなる?」という興味あるテーマだった。2048年というちょっと半端な年度であるが、そこに今回の講座のねらいがあったように思えた講座だった。
     

 一昨日(3月20日)午後、(一社)日本内科学会が主催する「日本内科学会講演会〈市民公開講座〉」かでるホールで開催されたので参加した。
 公開講座のプログラムは次のような構成になっていた。
 ◇講演1「疾患リスクの理解と予防医学の実践~パーソナルヘルスの増進が拓く健康長寿社会~」 
     講師:益崎裕章琉球大学内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座教授
 ◇講演2「人工知能(AI)と共に歩む未来の医療」
     講師;工藤興亮北海道大学画像診断学教室教授
 ◇パネルディスカッション「科学の進歩はこれからの医療をどうかえるか?」
    司会:松本裕子 医療キャスター
       渥美達也 北海道大学病院 病院長
    登壇:益崎裕章 琉球大学内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座 教授
       工藤興亮 北海道大学画像診断学教室 教授
       中村昭伸 北海道大学ダイアベティスマネジメントセンター長

    
    ※ 講演会全体、そしてパネルディスカッションを取り仕切った渥美北大病院長(左)と松本キャスター(右)です。

 まず今回のテーマで「2048年」というのがちょっと奇異にも映るが、その意味するところは、本年は2024年であるが21世紀(2000年)に入り24年が経過したが、その24年間に私たちが想像した以上にコンピュータは進化し、2000年時には想像もしなかったような世界が実現したが、はたしてこれから同じスパンの24年後にはどれだけコンピュータ(AI)の世界が進歩し、それが医療の世界にどのような影響を及ぼすかについて考えてみたいというのが本講演会の趣旨だったのだ。
 ただ、その趣旨やプログラムの内容からいって、これだけのボリュームを僅か1時間40分という短時間で終了するという企画がいかにも惜しかったように思った。主催者側にもいろいろと事情があったものと推察するが、例えば沖縄からわざわざいらっしゃり、とても興味深いお話を提供いただいた益崎教授の講演がわずか30分間だったことなど、いかにも惜しい気がした。(もっとも益崎氏は他の用務も兼ねての来札だったのかもしれないが)ということもあり、二人の講演はたくさんのパワーポイントでの資料を用意され、駆け足での講演となってしまった感があり、とてもメモし切れなかったのが残念だった。
そこで本稿では、講演やパネルディスカッションで発せられた研究者たちの言葉の中から印象的だった言葉をアトランダムに取り上げてみることにした。

    
 まず、益崎教授が「現在17歳の子が100歳まで生き残る確率は50%と推測されている」と発言され、科学の進歩により「人生100年時代」が到来していると話された。
 それを可能にするのは「未病」とされる病気予備軍をいち早く発見し、対策を打つことが科学の進歩によってますます拡大することで長寿が可能になってきたということだ。
 例えば糖尿病や認知症はその症状が顕在化する15~20年前にすでに発症しているそうだ。したがって発症する前から手を打つ必要があるという。「ぶどう糖負荷試験」を行うことによって糖尿病などは重症化する前に見つけることが可能な時代となったと益崎氏は話された。
 また益崎氏は「動物性脂肪」の危険性も指摘された。「動物性脂肪」をヒトはとても好み、麻薬を凌駕するほどの依存性があると指摘した。「動物性脂肪」が摂取過多になると活動量・運動時間・移動頻度が著しく劣化すると益崎氏は指摘した。
 益崎氏のお話で気になったのが「夜間尿は病気予備軍である」と指摘したことだ。夜間尿もまたさまざまな病気の原因を内包しているとの指摘だった。
 そうした様々な病気、あるいは病気予備軍も、AI、IoT、IoB技術が進歩することで「健康長寿スマート社会」が到来すると結んだ。

    
 続く、工藤教授のお話はAIの使い手、ならびに研究者としてAI技術の現在地点を説明するもので、私にとっては難解であり責任もってレポすることが不可能なのでパスさせていただくが、AIの技術の進展によってさまざまな診断の「見える化」が進んでいるという。そのことが病気の早期発見、早期治療に寄与している点が大きいと話された。

    
    ※ パネルディスカッションの登壇した三氏です。

 パネルディスカッションにおいては、現代、そして未来の医療について登壇者たちはさまざまな観点からお話されたが、問題はますます進展するITと人間との関係についてだった。その中で「シンギュラリティ―」という言葉が使われた。「シンギュラリティ―」とは「自律的な人口知能が自己フィードバックによる改良をくり返すことによって、人間を上回る知性が誕生するのでは」という仮説だそうだ。そうした時代を迎えようとしている今、
登壇した三者は、「AIを上手に活用する」、「AIと上手に付き合う」、「少ない医療従事者をアシストする存在」とそれぞれが「AIはあくまで道具であり、扱うのは人間である」と異口同音に語っておられた。
 2000年から現在の2024年までのIT技術の発展は、2000年当時の予想を大きく覆す発展ぶりだったが、今後24年間も我々が現在予想している世界以上の発展が見られるかもしれないという。そうした中で、医療の世界も大きく姿を変えていると思われるが、そうしたことを大いに活用し「人生100年時代」を多くの人と共に迎えたいものである、と私は思ってみたのだが……。