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最初の一冊~松村比呂美

自著の宣伝のために始めたブログですが、今では、風景や食べ物の写真が主になっています。

「アミの会短編アワード」2022 古矢永塔子さん「まだあの場所にいる」

2023-04-20 | 小説

アミの会のメンバーがそれぞれ推薦作を出して、予選、本選と、投票を重ねた結果、「アミの会短編アワード」2022は、古矢永塔子さんの『まだあの場所にいる』(小説すばる8月号)に決定しました。
ラストのほうで、これまで見てきた景色が一変する驚きと、自分の中のルッキズムを突きつけられたような気がして、思わず声が出た作品です。文句なく面白かったです!
古矢永塔子さんの「受賞のお言葉」と、福田和代さんの「推しの言葉」がアミの会公式facebookで紹介されていますので、ペーストしました。

【アミの会の公式facebookより】
大変お待たせいたしました。
去年から始まった「アミの会短編アワード」、第2回の発表です!
2022年の「アミの会短編アワード」は、古矢永塔子さんの『まだあの場所にいる』(小説すばる8月号)に決定しました! おめでとうございます!
古矢永さんからいただいた「受賞のお言葉」と、推薦者・福田和代さんの「推しの言葉」を掲載いたします。古矢永さん、どうもありがとうございました!
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★古矢永塔子さんの「受賞のお言葉」
このたびは、小説すばる掲載の短編『まだあの場所にいる』を、アミの会アワード2022年の受賞作に選んでいただき、大変光栄に思います。
 物語は、三十代後半の高校教師が、自分と全く価値観が異なる転入生に出会ったことで生じる戸惑いを軸に展開します。主人公の戸惑いは、そのまま私自身の戸惑いでもありました。
 ここ数年のうちに、ジェンダーやルッキズムに対する考え方がどんどん変わってゆき、小説家として物語を書くうえでも、ひとりの親として子育てをするなかでも、いかに自分の考え方が凝り固まっていたか、バイアスに縛られていたかに気付かされてきました。とはいえ、すぐに新しい考え方に順応できるわけもなく、柔軟に順応してゆく若い世代に焦りや羨望も感じています。
 私自身のそうした揺らぎを落とし込みながら書いたせいか、途中何度も書き直し、迷いに迷って了を打った作品です。そのため、こうして評価していただいたことを、本当に嬉しく思います。アミの会の皆様、このたびはありがとうございました。
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★福田和代さんの「まだあの場所にいる」推しの言葉
女子高という閉ざされた社会を舞台に、「元・女子高生」だった教師の目で、少女たちのみずみずしい日常を追う物語です。
天真爛漫な転校生・倉橋美月の生き生きとした言動に心をかき乱される主人公のモノローグは、思わず首肯してしまう言葉の連続で、「あるある」「そうそう」とうなずくうち、たったひと言で突如として世界が反転する衝撃に、私の目がまんまるになりました。
――そう来たか!
短篇ならではの鮮やかな手さばきと、「まだあの場所にいる」女性たちへの温かい応援歌であることを含め、アミの会の推薦作にぴったりです。
古矢永塔子さん、素敵な物語をありがとうございました。





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