『妻の罪状』新津きよみ（著）

新津きよみさんの新刊『妻の罪状』（実業之日本社文庫）を読了しました。
「バナナの皮で あの人 殺せますか……？」
帯のキャッチコピー、インパクトがありますよね。


〈家族関係はどんでん返しの連続）
U-NEXTで配信されていた六話と、書き下ろしの「妻の罪状」が収録された家族ミステリの短編集です。


収録作品は、介護や、いじめ問題、遺産相続など、社会性があってミステリアス。
身近な問題も多く、自分自身に置き換えて考えることができるのではないかと思います。
【収録作品】
第一話「半身半疑」半信半疑では？　と思いながら読み終えて、ぴったりのタイトルだと納得しました。
第二話「ガラスの絆」幼い日、「お兄ちゃんがほしい」と母親にねだった主人公の願いがこんなふうに……。
第三話「殻の同居人」じわじわと浸食される恐怖がたまりません。しかもその相手は……。
第四話「君の名は？」冒頭の漢字の話や名前にまつわる話が興味深かったです。ラストはぞくっとしました。
第五話「あなたが遺したもの」身につまされる相続の問題です。最後は溜飲が下がりました。
第六話「罪の比重」自分のものではない指輪の真相が面白かったです。冒頭から引き込まれました。
第七話「妻の罪状」多重介護殺人と思われていた事件に隠されていた思いがけない真実とは……。


既刊本等はここにまとめています。
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