まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『婚約』生真面目さが漂ってます

2014-02-06 21:26:02 | ドイツの作家
DIE VERLOBUNG 
ヘルマン・ヘッセ

ヘッセは特に好きではないのですが、なぜか何冊か持っています。
だけど読んだ覚えがないので読んでみました。

3篇しかありませんので、全部紹介します。

『婚約(Die Verlobung)/1908年』
白リンネルを扱う地味な店の、無言の店主アンドレアス・オーンゲルの
35年前のある事件は、街の人々に広く知られています。
若きアンドレアスは背が小さいことに引け目を感じていましたが
ある日、美しいマルグレートに恋をし、行動をおこしました。

この物語はものすごく好きでした。
主な理由としては、舞台がリンネル屋さんというところなんですけどね。
それから、主人公がもの静かで恥ずかしがりやで真面目すぎる男性というところ。
読んでいて「頑張れ!」と応援したくなりました。

『世界改良家(Der Weltverbesserer)/1912年』
24歳のベルトルト・ライヒャルトは、学生時代をすごしたミュンヘンで
自称芸術家たちとつきあったりしながら無為の日々を過ごしていましたが
新しい倫理を追究する一団に感銘を受け、好意を寄せていた顧問官の娘アグネスが
止めるのも聞かず、チロールの山小屋を買ってミュンヘンを後にします。

宗教ではありませんが、今でいうカルトなんですかね?
主人公は芸術家たちや倫理家の言うことを素直に信じてしまう傾向があるのね。
すごく手玉にとりやすいタイプだと思うの。
もしアグネスと上手くいったとしたら、たぶんアグネスの言いなりになると思う。
夫としてはいいんだか、悪いんだか…

『マチアス神父(Pater Matthias)/1912年』
若いマチアス神父は、愛想がよく親切で、外見も美しく、布教活動も上手で
尊敬を集めていますが、実は情熱的な過去を持ち、現在もある秘密を抱えています。
田舎への布教を命じられて上首尾に終わったマチアス神父は
ある町に立ち寄り、僧衣を脱いで酒場へと向かいました。

最初の方は世渡り上手とか、要領がいい人としか思えないマチアス神父なのですが
この後、かなり手痛い目に遭うんですよね。
こんなにウマく生きてきたのに、ツメが甘いとしか言いようがありませんが
実は、前半の裏がある人物の時の方が、後半の改心した神父より魅力的に思えました。
イキイキして人間らしかった気がするのですが… もし教訓話だとしたら失敗?

ヘッセといえば、お馴染みの『車輪の下』がありますね。
ありますねって… ぜったい読んだはずなのに、びた一文覚えてない…
たぶん好きでなかったんでしょうね。

そういえば、以前『青春はうるわし』を読んでますね。
それもあまり好印象ではなかった気がする… まぁ、長閑でよかったんですけどね。
『青春は~』よりは、こちらの方が物語として面白かった気がします。

書いてて思ったんですけど、私がこの一冊が好きだとしたら
それは全て、一話目の『婚約』に因るものですね。
実は他2篇はそんなに面白く思えなかった…

ただ、ヘッセは真面目な人だったんじゃないかしら? と思えたた一冊でした。
黙々と書く、早寝早起き、手のかからない良い夫、という感じ。
あくまでも想像です。私は作家自身にはあんまり興味ないからさ。

読書好きには、時代や国や内容は違っても、それだけで読みたくなるという
お気に入りのシチュエーションがある人がいるんじゃないでしょうか?
私の場合は、下宿屋・安ホテル・布屋・大衆食堂なんかが舞台になっていると
それだけで2ランクぐらい好き度がアップするようです。

ヘッセが面白くないなんて、ばーか とお怒りの方もいらっしゃいましょうが
読者って勝手なものだと理解してほしい…

ひとことK-POPコーナー
EXOがすごいことになっているのね! もう埼玉スーパーアリーナって…
てことは、SMの序列からいってSHINeeは今年DOME? いいけど、代々木ぐらいが見やすくて好きなんだけどなぁ…

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