まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
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『一年ののち』なぜ大人の気持ちがわかるの?

2009-02-22 01:17:25 | フランスの作家
DANS UN MOIS,DANS UN AN 
1957年 フランソワーズ・サガン

高校生の頃でしょうか、サガンに凝りましたね~。
サガン × 朝吹登水子氏訳 × 新潮文庫 は全て揃えました。
でも日本で平凡な高校時代を送っていた私には、やはり男女の機微は分からず…
なんで買ったんだろ? 
“ サガンを読む私 ” に酔ってたのかしら? ばかですねぇ

この本を書いたサガンのすごさは、この若さ(21歳か22歳)で
なぜ40代、50代の人間が恋をするってことを知ってるか?てこと。
それも真剣で身を滅ぼしそうな恋を・・・なぜなの?

たいていの若者は40過ぎた既婚の男女が恋に身を焦がすなんて想像できない
というか、したくないんじゃないですか?
自分のお父さんやお母さんと同じ年頃ですもの、気持ち悪い気がします。

ご存知のとおりサガンは18歳で『悲しみよこんにちわ』で鮮烈にデビューし
2冊目の『ある微笑』を経て、この『一年ののち』が3冊目になるのですが
文作のテクニックは別として、急に大人びた感じがします。

若い人たちと会うのが大好きな50代のアラン&ファニーのマリグラス夫妻が催す
月曜日の接客日に集まる男女の恋愛模様が描かれているのですが
愛する人に苦しめられる人と、愛してくれる人を苦しめる人の間には
相容れない隔たりがあるのだ、ということがそこはかとなく分かった気がします。
…てこんな若い人に教えられてどうする!
でも相手は愛に生きるフランス人ですから、勝ち目はありませんね。

40代のベルナールが一夜を共にしたジョゼに夢中になって妻をかえりみず
駆け出し女優ベアトリスにどうしようもなく惹かれた50代のアランが
叶わぬ恋に徐々に身を持ち崩し、そのベアトリスの心を掴んだはずの若いエドワールが
捨てられて苦悩する様が物語を織りなしています。

40や50を過ぎた男性がことごとく若い女性の虜になるのは気に入りませんが
年齢だけじゃない何かがあるようで、少しは安心です。
(でもいろいろ理由はつけても、やっぱり若いからなんじゃ…?)
待っている同年代の妻の身にもなって欲しい…

年齢や境遇に関係なく愛につきすすむ人たち、素敵だとは思いますが
なかなかできることじゃないですよね。
よく「恋をし続けることがキレイの秘訣」なんてぇことを聞きますけど
そうも言ってられないんですよ、これが

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