まりっぺのお気楽読書

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イギリス王ジョージ1世妃 ゾフィア・ドロテア

2008-11-14 01:42:04 | イングランド王妃・王女
大きかった不倫の代償
ジョージ1世妃 ゾフィア・ドロテア


1666~1726/在位 (1714~1726)

ゾフィア・ドロテアは、ジョージが王に即位する前に離婚していたので
王妃ではないのですが、離婚が秘密裏にすすめられたために
合法と見なされなかったようで、ジョージ1世妃とされています。

メアリー2世アンと女王が続きましたが、世継ぎを残さなかったため
スチュアート王家の血を引くプロテスタントという条件にあてはまった
ハノーヴァー家のゲオルク・ルートヴィヒがジョージ1世としてイギリス王に即位します。

即位したジョージ1世は、ドイツからロンドンへやって来た際
美しいと評判の王妃ゾフィア・ドロテアを伴わず
“かかし”というあだ名のエーレンガルトと“象”というあだ名のシャーロットという
見栄えのしない愛人たちを連れて来たため、英国人はガッカリしたそうです。

では、王妃のゾフィアはどうしていたのかというと
彼女は夫がイギリス王になったことも風の便りで聞かせれて
アールデン城で軟禁生活を送っていました。

      

ゾフィア・ドロテアはジョージ1世の従妹にあたります。
彼女にはいくつかの縁談がありましたがうまくいかず、気付いた時には
従兄のゲオルグ(ジョージ1世)との縁談が決まりかけていました。

ゾフィアは送られて来た見合い用のゲオルグの人形をたたき壊し
「あんなブタ鼻となんか結婚しない!!」と叫んだそうで
これが本当の “ 金髪◯◯野郎 ” ですね ・・・失礼しました。

とにかく父親がゾフィアの願いを聞き入れず
彼女は最もイヤな相手と結婚させられてしまいます。

ゲオルクの母ゾフィアは、若い頃ゾフィア・ドロテアの父に婚約破棄をされたことがあり
二人の結婚に渋い顔をしていましたが
結婚が決まると手ぐすねひいて待っていた様子・・・ 怖いわぁ

その上ゾフィアの侍女頭は義父の愛人プラーテン伯夫人
その妹カタリーナもさらに娘ゾフィア・シャーロットも、夫ゲオルクの愛人・・・て
まわりを敵に囲まれて暮らしているような状態です。
夫もゾフィーの方を見ようともしません。 つらかったろう・・・

そんな彼女に近づいたのが、スウェーデンのケニヒスマルク伯でした。
美男子の貴族の愛の告白に負けてしまった、囚われの美貌の公妃・・・なんですが
実際は美しい悲恋の物語ではなく、虚栄心と出世欲が強かったケニヒスマルク伯が
「公妃は寂しいらしい」と聞きつけてロックオンしたことから始まった恋でした。

なんたってケニヒスマルク伯は地位欲しさに
かなり年上のプラーテン伯夫人に取り入った男です。
ゾフィアは本気だったかもしれないけど、伯爵はどうだったんでしょうか?

結局、ケニヒスマルク伯が離れていったことを怪しんだプラーテン伯夫人のスパイ活動と
伯爵の軽率な行動から、二人の恋愛は人々の知るところとなります。
最初、ゲオルクは見て見ぬ振りをしていたのですが
伯爵が他の領主にゾフィアとの駆落ちをほのめかしたことから離婚に踏み切り
その上幽閉してしまったのです。
ケニヒスマルク伯はどうやら処刑された様子ですが、ゲオルクは処刑を否定しました。

離婚するなら自由にしてあげればいいのにね 、どうせ好きじゃなかったのに。
幽閉といっても、ゾフィーに自由になるお金はかなりあり
しばらくすると近所の村までは出かけられるようにって、村の発展に力を貸したそうです。

でも、子供たちには会えないし、夫が王になっても戴冠はおろか一人寂しい城に残されて
一生を終えるなんて、悔しかったでしょうね。

ゾフィア・ドロテアが亡くなってから半年後
ハノーヴァーに戻って馬車に乗っていたジョージ1世に1通の手紙が届けられます。
その手紙は亡くなったゾフィアの遺言で、夫への恨み言が書き連ねてありました。
ジョージ1世はその場で意識を無くし、そのまま数日後に死亡します。
ちょっと作り話っぽいけど、どの本にも書いてあるところを見ると実話でしょうか?

ジョージ1世が感じた恐怖なんて、ゾフィアが何十年も背負ってきた哀しみに比べたら
雀の鼻クソみたいなもんですよ

(参考文献 森譲氏『英国王室史話』『英国王妃物語』
      エレノア・ハーマン『女王たちのセックス』)

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女王たちのセックス

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