まりっぺのお気楽読書

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『シルヴェストル・ボナールの罪』古くさいんですのじゃ

2014-08-29 23:01:03 | フランスの作家
LE CRIME DE SYLVESTRE BONARD MEMBRE DE L'INSTITUT 
1881年 アナトール・フランス

まぁ、1800年代に書かれている物語に新しさを求めるのは無理ってものですが
あまりにも古い、古すぎる! 風情はありますけどね。

最初は難しい本の話しばかりが書かれていて、つまらない話し!と
イライラしながら読んでいましたが、後半にいくにつれて盛り上がりました。
すごーくゆるやかにですけど…

主人公はシルヴェストル・ボナールという年老いた学士院会員で
この、学士院会員というのはけっこう高い地位のひとみたい…調べてないけど。

彼はセーヌ河畔のアパルトマンの一室で本に埋もれて暮らしています。
一緒に暮らしているのは、長年勤めているお手伝いの口やかましい老女テレーズと
ボナール家で一番偉そうにしている猫のハミルカルです。

お話しは二部構成で、第一部は『薪』
うーんと… 説明するのが難しいんですが頑張ってみます。
アパルトマンの上の屋根部屋にお情けでおいてもらっている本のセールスマンのココズと
その妻子の存在に、ボナール氏が気づいたのが発端です。
その後何年もの時がたち、ボナール氏が探し求めていた本の目録を探しにシチリアに旅して
悔しい思いをし、フランスに戻ってきて… という流れになっています。

すごーくザックリ言うと『鶴の恩返し』的物語。 『笠地蔵』でもいいや。

第二部は『ジャンヌ・アレクサンドル』で、物語としてはこちらが断然面白かったです。

ポール・ド・ガブリー氏が受け継いだ蔵書の目録を作成するために
リュザンヌに滞在することになったボナール氏は、ひとりの少女に出会います。
それがなんと! 忘れられぬ初恋の人の孫娘ジャンヌ・アレクサンドル。
今は不遇の身のジャンヌの世話をしたいと思うボナール氏でしたが、そこには数々の障害が…

ガチガチのコチコチの出不精で、クレマンチーヌとの叶わぬ初恋以降は
わが家と本だけを愛してきたボナール氏が俄然アクティブになりますよ。

この物語は、本の虫だった作者が自嘲をこめて書いたらしいのですが
今で言うオタクっぽさは、キライじゃないですよ、私は。
いいじゃない? 本の虫… それで暮らしていけるならぜひそうなりたいよ。

本筋とはまったく関係ないけれど、テレーズみたいな境遇もいいですね。
趣味に没頭してて家の事は一切構わないご主人様の下で好き勝手! 生涯勤めたいね。
アイドルの合宿所のおばさんっていうのもいいか… あらやだ… 妄想が…

復刻版だからか、文体もセリフももってまわった感じがしてめんどくさいのよね。
冒頭から四分の一ぐらいまではグッタリすると思います。
内容はけっしてつまらなくないので、現代風に書き直していただくと読者が増えるかもよ。
できたら古い本の説明は省いていただきたい。
ただ、アナトール・フランスらしさが台無し!ってことになりかねないですけど…

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