まりっぺのお気楽読書

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『水車小屋攻撃 他七篇』ゾラ再発見!

2016-03-04 22:57:27 | フランスの作家
L'ATTAQUE DU MOULIN 
エミール・ゾラ

ルーゴン・マッカール叢書のせいか、私の中でゾラは完全に長篇作家というイメージが
でき上がっていて、ゾラの短篇集? と、すごく不思議な気持ちで読み始めました。

短篇集とはいっても、8篇のうち4篇が70ページ前後あって、短めの中篇って感じ?
ゾラは手を抜かずに風景や背景を細かく描写してまして、内容もぎっしり書き込まれ
読み応え十分でした。

反戦を訴えていると思われる『水車小屋攻撃』、妻の浮気がテーマの『シャーブル氏の貝』
『パリの胃袋』『ナナ』を彷彿させる、やっぱりゾラだ~!の『ジャック・ダムール』
私には理解できない男心と恐ろしい少女の駆け引きを描いた『一夜の愛のために』が中篇。

『小さな村』はエッセイなのかな? こちらも戦争への抗議を込めています。

それ以外の、まさに短篇という3篇をご紹介しますね。

『周遊旅行(Voyage circulaire)/1877年』
1週間前に結婚したばかりのリュシアンとオルタンスは
オルタンスの母親が目を光らせていて、一時もふたりきりになれない。
リュシアンの父親ベラールおやじの助け舟で
二人はノルマンディーへ一ヶ月の新婚旅行に出かけることになった。

せっかく二人きりで旅行に出られたのに、ハネムーン離婚? なんてハラハラしてたら
いい感じで終わりを迎える物語です。
若い二人には今後、姑さんの意地悪に負けずに頑張っていただきたいですね。

『ある農夫の死(La Mort d'un paysan)/1876年』
70歳のジャン=ルイ・ラクールは、頑健な農夫だったが、ある日倒れ
翌日畑でも腕に力が入らなくなると、その次の日からはベットから起き上がらなかった。
医者を呼ぶのも拒み、子供たちや孫を畑に行かせた。

フィリップの『質撲な人の死』と『老人の死』を思い出しちゃいましたね。
人の死はこうありたい… 言うは易し…
他にも、貴族・ブルジョワ・プロレタリア・小市民の死の四篇があるらしいです。 読みたい…

『アンジェリーヌ(Angeline)/1899年)
2年ほど前ポワシー近郊を自転車で通りかかり、あまりにも酷く朽ち果てた館を見つけた。
心を打たれ近所の宿の老女に話しを聞くと、40年ほど前に嫉妬に狂った継母に殺された
12歳の美しい少女の幽霊が出ると言う。

女二人のドーロドーロした過去が暴かれていくのでしょうか? ってワクワクしてたら
こちらもいい感じの話しに終わってしまった。
館の Before - After がすごくて、ちょっと笑えました。

ゾラは、短篇はハッピーに終えたかったんですかね?
長篇は、ゾラの物語は好きなんだけど、ここまで残酷に終わらせなくても… と
心が重くなるものが多い気がしますが、せめて短篇では読者の心を軽くしようなんて考えた?
そんな気は使っていただかなくてもよかったんですけど、おかげで楽しく読めました。

いずれにしても、なぜ今まで、ゾラに短篇があるってことを思いつかなかったんだろう!
ぜひ他の短篇も読んでみたいでしょう!!

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