ELEPHANTS CAN REMEMBER
1972年 アガサ・クリスティ
この物語は12年前におきた心中事件の真相をポアロが探る、というものです。
過去の事件を解決するというと『五匹の子豚』を思い出しますね。
ミス・マープルなら『スリーピング・マーダー』や『復讐の女神』などでしょうか。
過去の事件の最大の問題点は、あまり証拠が残っていないことですね。
そして人々の記憶が曖昧で外的な影響を多く受けてしまっていること、かしら?
ポアロの盟友ミセズ・オリヴァが、パーティーで出会ったいけ好かない女性に
突拍子もないことを言われたことからポアロが過去の事件解明に乗り出します。
ミセズ・オリヴァの名付け子シリヤの両親レイヴンズクロフト夫妻は
12年前にコーンウォールで亡くなっていました。
ふたりともピストルで撃たれていて、崖の上で見つかりました。
警察はこの事件を心中として解決していました。
シリヤの恋人デズモンドの母ミセズ・バートン=コックスは、ミセズ・オリヴァに
「どちらがどちらを撃って自殺したのか」シリアに聞いてほしいと頼んだのです。
相手にしなかったミセズ・オリヴァ…しかし真相は気になります。
ということでポアロに相談し、自分は聞き込みにまわります。
ふたりの合い言葉は “ 象 ”
なんでも、象は古いことを覚えているといわれる動物なんですって。
たしかにミセズ・オリヴァが会った人々は昔のことを話してくれました。
いとこが亡くなった夫妻と親しかったカーステアズ、
夫妻の赴任地マラヤの近所の家で乳母をしていたミセズ・マッチャム、
帰国した夫妻の家で一時働いていたミセズ・バックルなどなど…
皆覚えていることを絞り出してくれました。
だが、しかし
みんな言うことがどこかバラバラよ…
病気の噂、浮気の噂、近所でおきた事故の話し、と事件後騒がれたことを
いろいろな角度から話すのでどれが事実かわからなくなってきます。
そうですね、人の記憶は曖昧ですよね。
10年前に起きたセンセーショナルな事件のこと、どれぐらい覚えていますか?
「そういえば…」的に大筋は思い出せても細かいことは飛んじゃってますね。
ほとほと困り果てたミセズ・オリヴァでしたが、ポアロはそこから活路を見出し
最後の証人に会いにジュネーブに向かいます。
この物語はですねぇ…
亡くなったレイヴンズクロフト夫人がカツラを四つ “ も ” 持っていたことに
ポアロがずーっと注目していたことも謎解きの大きなヒントですけど
ある人(故人)の存在がわかってからは結末は見え見えです。
だからどうやって解決まで持っていくんでしょう? ということが気になって
最後まで読んだのですけど…
うーん…どうでしょう?
確かに証拠が無い事件なので証人の告白しか糸口はないわけなんだが
その人が頑なに証言を拒んだらどうなっちゃう?
という元も子もないことを考えてしまいました。
やはり犯人にもう一度事件をおこしてもらわないと…物騒でごめんなさい。
クリスティの小説は “ 推理小説 ” という 概念には収まりきらない何かがあります。
表現の面白さだったり、人間観察の鋭さだったり、恋愛小説の要素を含んでいたり…
だから犯人が途中でわかっても最後まで読めてしまうんですよね。
この『象は忘れない』もそんなタイプの物語だと思います。
とりあえず、人の記憶はけっこういい加減だということを肝に銘じましょう。
どれを信じて何を信じないか…全て聞き手にかかっているということも忘れずに
映像もいいけど、活字はより心理劇が楽しめます
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね
1972年 アガサ・クリスティ
この物語は12年前におきた心中事件の真相をポアロが探る、というものです。
過去の事件を解決するというと『五匹の子豚』を思い出しますね。
ミス・マープルなら『スリーピング・マーダー』や『復讐の女神』などでしょうか。
過去の事件の最大の問題点は、あまり証拠が残っていないことですね。
そして人々の記憶が曖昧で外的な影響を多く受けてしまっていること、かしら?
ポアロの盟友ミセズ・オリヴァが、パーティーで出会ったいけ好かない女性に
突拍子もないことを言われたことからポアロが過去の事件解明に乗り出します。
ミセズ・オリヴァの名付け子シリヤの両親レイヴンズクロフト夫妻は
12年前にコーンウォールで亡くなっていました。
ふたりともピストルで撃たれていて、崖の上で見つかりました。
警察はこの事件を心中として解決していました。
シリヤの恋人デズモンドの母ミセズ・バートン=コックスは、ミセズ・オリヴァに
「どちらがどちらを撃って自殺したのか」シリアに聞いてほしいと頼んだのです。
相手にしなかったミセズ・オリヴァ…しかし真相は気になります。
ということでポアロに相談し、自分は聞き込みにまわります。
ふたりの合い言葉は “ 象 ”
なんでも、象は古いことを覚えているといわれる動物なんですって。
たしかにミセズ・オリヴァが会った人々は昔のことを話してくれました。
いとこが亡くなった夫妻と親しかったカーステアズ、
夫妻の赴任地マラヤの近所の家で乳母をしていたミセズ・マッチャム、
帰国した夫妻の家で一時働いていたミセズ・バックルなどなど…
皆覚えていることを絞り出してくれました。
だが、しかし
みんな言うことがどこかバラバラよ…
病気の噂、浮気の噂、近所でおきた事故の話し、と事件後騒がれたことを
いろいろな角度から話すのでどれが事実かわからなくなってきます。
そうですね、人の記憶は曖昧ですよね。
10年前に起きたセンセーショナルな事件のこと、どれぐらい覚えていますか?
「そういえば…」的に大筋は思い出せても細かいことは飛んじゃってますね。
ほとほと困り果てたミセズ・オリヴァでしたが、ポアロはそこから活路を見出し
最後の証人に会いにジュネーブに向かいます。
この物語はですねぇ…
亡くなったレイヴンズクロフト夫人がカツラを四つ “ も ” 持っていたことに
ポアロがずーっと注目していたことも謎解きの大きなヒントですけど
ある人(故人)の存在がわかってからは結末は見え見えです。
だからどうやって解決まで持っていくんでしょう? ということが気になって
最後まで読んだのですけど…
うーん…どうでしょう?
確かに証拠が無い事件なので証人の告白しか糸口はないわけなんだが
その人が頑なに証言を拒んだらどうなっちゃう?
という元も子もないことを考えてしまいました。
やはり犯人にもう一度事件をおこしてもらわないと…物騒でごめんなさい。
クリスティの小説は “ 推理小説 ” という 概念には収まりきらない何かがあります。
表現の面白さだったり、人間観察の鋭さだったり、恋愛小説の要素を含んでいたり…
だから犯人が途中でわかっても最後まで読めてしまうんですよね。
この『象は忘れない』もそんなタイプの物語だと思います。
とりあえず、人の記憶はけっこういい加減だということを肝に銘じましょう。
どれを信じて何を信じないか…全て聞き手にかかっているということも忘れずに
映像もいいけど、活字はより心理劇が楽しめます
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね