まりっぺのお気楽読書

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『クリスマス・プディングの冒険』読者への挑戦?

2010-12-24 00:07:08 | アガサ・クリスティ
THE ADVENTURE OF THE CHRISTMAS PUDDING 
アガサ・クリスティ

6篇の、少し長めの短篇が収められています。
すごく読み応えがある一冊でした。

この一冊におさめられている6篇のトリックは
よくよく考えるとざっくり2パターンに分けられると思うんですよね。
しかも、同じトリックで3篇づつ続けて書かれているんです。

では6篇続けて書いてみます。
もちろん、トリックの内容は書きませんけど。

『クリスマス・プディングの冒険(The Adventure of the Christmas Pudding)』
ポアロは盗難にあったルビーを求めて田舎の屋敷にやってきます。
クリスマスシーズンの屋敷には若い人たちも集まっていました。
正餐の前、ポアロは誰かから「プディングを食べないよう」というメモを渡されます。

『スペイン櫃の秘密(The Mystery of the Spanish Chest)』
これは『黄色いアイリス』という短篇集の『バグダット大櫃の謎』と
ほぼ同じ内容なので割愛しますね。

『負け犬(The Under Dog)』
アストウェル卿の殺人事件で、甥のチャールズが逮捕されました。
でもアストウェル夫人は納得していません。
その上、犯人は秘書のオーエンだと名指しします。

以上、3つの物語は、ざっくりとひとつのトリックにまとめることができます。

『二十四羽の黒つぐみ(Four-and-Twenty Blackbird)』
ポアロが友人と食事をした料理店には
10年近く火曜と木曜の夜にやってくる老人がいるというのですが
前の週だけ月曜日にもやって来たとウェイトレスが言いました。
3週間後、その老人が死んだと聞いたポアロは勝手に調査に乗り出しました。

『夢(The Dream)』
変わり者の大富豪ファーリー氏に呼ばれたポアロが訪ねて行くと
彼は同じ時間にピストル自殺する夢を毎晩見ると相談してきました。
1週間後にファーリー氏は夢とまったく同じ方法で自殺します。

『グリーンショウ氏の阿房宮(Greenshaw's Folly)』
ミス・マープルの親戚ルーが、奇妙きてれつな屋敷に住むミス・グリーンショウの
書記になった2日後、家政婦とルーは急に部屋に閉じ込められました。
そして窓から見ると、ミス・グリーンショウが庭で矢に射たれて死にました。

後半3つの物語は、ほぼ同じトリックの使い回しです。

これは読者への挑戦?
同じトリックを続けて書いて「解けるかな?」と笑っていたということか?

確かに読んでいる時は気づきませんでした。
だって、どの話も面白くてあっという間に読み終わってしまったんだもの。
私の負けですね

短編集でも満足の一冊
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



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