
TAKEN AT THE FLOOD 

1948年 アガサ・クリスティ
変な邦題
と思ったけど直訳なんですね。
題名の意味がいまひとつ分からんのですが、物語は面白かったですよ。
物語はロンドン空襲で死んだゴードン・クロードという大富豪の遺産を
全て受け取った若い新妻ロザリーンとその兄デイヴィッド・ハンター VS
一銭も手に入れられなかったクロード一族、というお決まりの遺産問題を中心に
世知辛く展開します。
独り身のゴードンはずっと自分の兄弟姉妹やその家族に温かい手を差し伸べていて
クロード一族は、悪い人たちではないのですが、ゴードンに寄生していたのでした。
ロザリーンはどこか鈍そうですが頼みこめば援助の手を差し伸べてくれそうです。
けれどもにがにがしいことに、彼女の兄デイヴィッドが財産管理をしていました。
ならず者のようなデイヴィッドはクロード一族を忌み嫌い冷笑していたのです。
デイヴィッドは悪意に満ちた男で読んでいてムカムカするのですが、言っていることに
一理はあるかもしれないですね。
クロード一族は今まであまりにも金の苦労を知らずに生きてきたし
ゴードンひとりに頼りすぎていたということです。
クロード一族の中にもひとり、デイヴィッドのそんな考えに共感する人物がいます。
ゴードンの姪のリン・マーチモントです。
クロード一族のよりどころは、ロザリーンが以前結婚していたという噂と
その夫がまだ生きていて、ゴードンとロザリーンの結婚は無効だという望みです。
そこへ謎の男 “ イノック・アーデン ” が現れて殺されたところでポアロ登場です。
(伏線でその前にも登場しているんですけれども…)
イノック・アーデン…テニスンですが、思わせぶりな偽名です。
日本だと誰になる? 『君の名は』の春樹ですか? 違うね
その後、あろうことかロザリーンが薬の飲み過ぎで事故死(?)し、
ロザリーンの前の夫を知っていると言っていたポーター少佐が自殺(?)するという
展開をみせるこの事件。
しかもリンはいとこのローリィと婚約していながらデイヴィッドに惹かれてしまいます。
危険な男には逆らいがたい魅力があるってことでしょうか?
トリックはいたってありがちで、ラストに「やっぱりね」と思うのですが
デイヴィッドがあまりにも疑わしいために、逆に一族の誰かが犯人なのでは?と
疑いつつ読み進められて面白いですよ。
それに「やっぱりね」の他にも意外な事実がいくつかあったりします。
普段は上品で高潔な人もお金のためならなりふりかまわなくなるんですねぇ。
この物語のポアロはそういう人たちに同情的なのですが
それはちょっとアンフェアじゃないかしら?
誰に共感するかで、印象がちがう一冊かもしれません
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね


ポアロを演らせたらこの人!スーシェ版DVD
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余談です
BBC版『満潮に乗って』はゴードンの死因をガス爆発にしてました。
ドイツの視聴者に配慮しましたかね?


1948年 アガサ・クリスティ
変な邦題

題名の意味がいまひとつ分からんのですが、物語は面白かったですよ。
物語はロンドン空襲で死んだゴードン・クロードという大富豪の遺産を
全て受け取った若い新妻ロザリーンとその兄デイヴィッド・ハンター VS
一銭も手に入れられなかったクロード一族、というお決まりの遺産問題を中心に
世知辛く展開します。
独り身のゴードンはずっと自分の兄弟姉妹やその家族に温かい手を差し伸べていて
クロード一族は、悪い人たちではないのですが、ゴードンに寄生していたのでした。
ロザリーンはどこか鈍そうですが頼みこめば援助の手を差し伸べてくれそうです。
けれどもにがにがしいことに、彼女の兄デイヴィッドが財産管理をしていました。
ならず者のようなデイヴィッドはクロード一族を忌み嫌い冷笑していたのです。
デイヴィッドは悪意に満ちた男で読んでいてムカムカするのですが、言っていることに
一理はあるかもしれないですね。
クロード一族は今まであまりにも金の苦労を知らずに生きてきたし
ゴードンひとりに頼りすぎていたということです。
クロード一族の中にもひとり、デイヴィッドのそんな考えに共感する人物がいます。
ゴードンの姪のリン・マーチモントです。
クロード一族のよりどころは、ロザリーンが以前結婚していたという噂と
その夫がまだ生きていて、ゴードンとロザリーンの結婚は無効だという望みです。
そこへ謎の男 “ イノック・アーデン ” が現れて殺されたところでポアロ登場です。
(伏線でその前にも登場しているんですけれども…)
イノック・アーデン…テニスンですが、思わせぶりな偽名です。
日本だと誰になる? 『君の名は』の春樹ですか? 違うね

その後、あろうことかロザリーンが薬の飲み過ぎで事故死(?)し、
ロザリーンの前の夫を知っていると言っていたポーター少佐が自殺(?)するという
展開をみせるこの事件。
しかもリンはいとこのローリィと婚約していながらデイヴィッドに惹かれてしまいます。
危険な男には逆らいがたい魅力があるってことでしょうか?
トリックはいたってありがちで、ラストに「やっぱりね」と思うのですが
デイヴィッドがあまりにも疑わしいために、逆に一族の誰かが犯人なのでは?と
疑いつつ読み進められて面白いですよ。
それに「やっぱりね」の他にも意外な事実がいくつかあったりします。
普段は上品で高潔な人もお金のためならなりふりかまわなくなるんですねぇ。
この物語のポアロはそういう人たちに同情的なのですが
それはちょっとアンフェアじゃないかしら?
誰に共感するかで、印象がちがう一冊かもしれません
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BBC版『満潮に乗って』はゴードンの死因をガス爆発にしてました。
ドイツの視聴者に配慮しましたかね?