スピリチャルTIMES 「とにかく生きてみる!」

スピリチャルTIMESの編集長北村洋一が、この不確定な社会に生きている人々の喜怒哀楽をレポートする。

とにかく生きてみるvs夏の日のえげつない日々「闇金業者」

2011年08月20日 | 自小説 ノンンフィクション小説

とにかく生きてみる。お盆めより続いた深夜バイトは、14日連続出勤といことで久々の休みをとった。今年の夏は、働くぞ・・・と決めたとうりになったことがなにより嬉しい。体はシンドイが、そのプチ達成感に一人酔いしれる今である。
夏の日、24時間テレビ、とくればいよいよ夏も終盤に差し掛かった気がする。
私の記憶の中に、本当にえげつないひと夏の記憶がある。


もうずいぶん昔のことである。私が代表を務めた会社の話しである。
バブルも崩壊し、世の中が不景気に一直線に向かい始めた頃のはなしである。
まず、1ヶ月はど前に、融通で貸した手形が、まんまと暴力団の事務所に持っていかれていることが発覚した。その額はやく3000万円であった。3枚にしていたので、初回に廻ってくる額は1000万ということになる。右も、左も、勿論銀行も、まったく相手にしてくれない状況である。
モータースポーツの企画運営をメインに、スポーツイベントや、またまた須磨のビーチで、海の家を運営していたものの、キャッシュフローはなく、その手形な対策には、全く策はなく、ただ何処かのお金持ちか、親族が家や土地を売って、手形を回収してもらうしかなかった。

そのころ、色々人とのお付き合いもあり、融通手形を取り持ったというか、紹介をしてもらった、フロント企業ぽい人の指南で、この難極に対処していくことになる。
ようは・・この会社を潰すということだ。そして遠くにトブ・・・ということだが、私は会社は潰しても、遠くに逃げることはしたくなかった。それでも携帯を変えて、暫くは自宅に帰らないほうがいいと言う結論で、闇金業者対我々の、熱い、醜い、えげつない戦いがはじまった。
まずは、当面の活動費や、生活費を稼ぐということで、私名義の小切手と、手形で短期融資をこれまた闇金業者から引っ張ろうとするのだ。
闇金といっても、それはシステム金融のことであり、100万までの資金を1週間で15%くらいで貸し付けてくれるのだ。それもファックスと電話と、郵便のやり取りで、事が完了することに初めは驚いた。

まずはスポーツ新聞に出ている、一応登録番号を貰っている貸し金業の会社に電話を入れる。
親切な対応であるが・・・我々のようなもう片目をつぶりかけている会社には、旨い理由をつけて、断ってくる。ここからが始まりである。どのように我々の情報が流れるかは判らないが、その次の日から・・㈱も㈲もつかない闇金会社、システム金融会社から頻繁に電話がかかってくるようになる。私の事務所では、この事件が起こったときにアシスタントの女性がやめた。
一応会社らしい体裁も必要なので、当時のある組の姉さんという方が、電話対応や、業者対応に当ることになった。
電話なる・・・・・
「キタムラちゃん、着たで・・・・」と言いながら、会社の電話にでる。
「はい・・・お世話になります・●●プロモートです。」お年の割りには可愛い声をだし、腹の据わった縁起をするのだ。
「少々お持ち下さい・・・」といって、社長(私のこと)システムから電話・・といって
あらかじめ記入されていた、システム闇金業者の名簿を指差し、「この業者、昨日も電話あったから・・貸すんのんとちゃうか・・」と私に言う。
「はい・・電話代わりました・・・」と言って、やや場馴れしているような声と喋りかたで・・話し始める。「オタクの条件はなんぼや?」と訊く。
「うちは、小切手のみの受付です。御社なら45万円まで1週間、20%でお貸しできます」と説明する。「15%でお願いできんやろか?とかいいながら。じゃ借りたるは・・・」と返事する。
「借りたるは・・・」という言い方は、向こうも商売でやっていることと、此方も他にも業者を選ぶ選択肢があることを促す意味もあると・・その姉さんに教えられた。

「ありがとうございます・・・」と闇金システム業者の声と共に、実際に入金ないなるまでの手順の説明が始まる。まず印鑑と金額と支払い日を書いた小切手を、指定されたところにファックスをする。それから15分もしないうちに、電話があり・・審査が終わりました旨を告げる。
それでは・・・住所を言いますのでと言って、小切手の送り先を指示する。
その送り先あてに、書留で、郵便局から送る。
その郵便局発行の書留の受領書を、もう一度、闇金システムのほうにファックスする。
そこで初めて手続き完了になり・・暫くすると当座の口座に、現金が振り込まれてくるのである。

これを・・・「キタムラちゃん・・1ヶ月ほど繰り返し・・最後に200万くらいを手にいれて・・会社を飛ばすのよ・・・」と軽く言う姉さん。
そしてキタムラちゃんお昼しようか・・と言って、近くのうどんやで出前を取ってくれる。
姉さんのおごりで、かやくご飯つきのうどん定食を食べるのだ。

私は一人で・・「これから、どうなんねんやろーと」、不安一杯になっていた。
そとは、お盆休みが終わりかけていた。24時間テレビが、しきりに「愛」を口ずさんでいた。


つづく

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