ITSを疑う

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「高速道路途中下車」ETC2.0限定の愚

2019年10月04日 | ITS

まだ正式な発表はないが、一部報道機関で国交省がETC2.0に限定して、高速道路料金所を途中下車しても3時間以内に再入場すれば追加料金なしにする、という報道がなされた。
これはおそらく事前リークであり、その計画が存在するということだろう。

いわく、サービスエリア同士の間隔が25km以上離れている空白区間が約100区間も存在するため、利用者の利便を向上するべく実施する、また通常旅行客が通過してしまう途中の観光地等への経済効果を狙う、ということのようだ。

これについては何一つ否定しない。まったく結構なことだし、サービスエリア同士の間隔が25km以上離れているのは道路会社の責任なんだからむしろ途中下車無料は当たり前のことのように思う。

問題は、これをETC2.0に限定するということだ。ETC2.0は通常のETCより一万円以上高額。それをつけていないと適用しないというのはどういうことなのか?

いや、ETC2.0の機能で途中下車できるようになったんじゃないの?と思う人もいるかも知れない。事実、メディアはそう勘違いしているようにも思えるし、国交省も意図的に曖昧にしてるように感じる。しかし、それは事実ではない。インターチェンジ料金所の出入りは当たり前の話だが、通常のETCで管理できる。

単に、ETC2.0にしかその優遇を適用しない、ということなのだ

ではなぜそんなことをするのか?
理由は簡単、純粋なETC2.0の普及促進優遇措置だ。

前述のとおりETC2.0は通常ETCより一万円以上高い。しかしその価格差に見合うメリットがない。だから売れない。売れないからこの「途中下車」を普及促進策にするようだ。

では、なんでそんなに売りたいのか?
じつはETC2.0は装着した車の運行履歴を国が吸い上げている。プライバシー情報は隠されているということだが、いつどこを何キロで走ったかが国のサーバーにアップロードされるのだ。これを国は交通政策に活用すると言っている。それなら「その代償としての優遇」だとはっきり言ったらどうなのか?(これは意地悪な言い方で、それを言うと厄介なことになるので言えないのは理解している)

サービスエリアの問題にしても、地域活性化の問題にしてもとてもいい施策だと思う。しかし利用者の利便向上策をなぜ全ETCのうち10%しかないETC2.0に限定する必要があるのか? 地域活性策にしても、対象は多いほうが良いに決まってるのではないか?全ETCを対象にした施策であって当然なのではないか?

よく言われるETC利権という話には私は与したくないし、特段の不正があったとは思っていない。しかしここまで露骨にETC2.0普及策を強行するとなると、裏に何かがあるのではないか、と勘ぐられても仕方がないと思う。国交省はよく考えたほうが良い。

みなさん、この件SNSなどでの拡散を希望します。