日経BPネットでアナリストの森永卓郎氏は「自動車が国内で売れない理由」として、それは人口減でも若者の車離れでもなく、構造改革による格差拡大だ、と断言している。
いわく、地方都市では車は必需品であるが、構造改革の犠牲となった低所得者は貯蓄を取り崩し、もはや車を買う余裕もなくなっている、というのだ。
格差の拡大は事実だと思うが、本当にいわゆる「ワーキングプア」層の増加が新車販売に影響を与えているのだろうか?
ワーキングプアといわれる、年金のない老夫婦や母子家庭が格差社会前なら新車を所有していたとは思えない。これは別の問題なのではないか。
もちろん、そこまで極端ではないが格差社会が低所得者層を拡大させ、車が欲しくても買えない人々を増加させているのかもしれない。
でも私の感覚では、そういった悲鳴はあまり聞かない。買いたくても買えないというよりは、特に新車を買いたいと思わない、という雰囲気しか感じられない。
私が思う国内で車が売れない理由は、主に2つ。
ひとつは、車の品質が上がり、昔の車のように経年劣化しなくなってきている、そしてここ10年で主要なキラーコンテンツであるエアバック、ABS、ナビという装備が付いてしまっているから、どうしても買い換えたいと思わない、さらに、車はすっかりコモディティ化したので、新車を買うと一目置かれるとか、古い車はみっともないという価値観がなくなってきている、こうした市場環境の変化が新車への買い替えを阻害している。
それと、若者の車離れ。
どうしても一人一台車が必要な地方は別として、若者が自分専用車を欲しがらない。家の車を必要なときに使うということで満足している。
これはお金がないから、所得が低いからという理由では説明しきれない。
ちなみに:
昭和60年 大卒初任給15万円、バイト時給550円、ガソリン1リッター145円、小型車新車130万円。
現在 大卒初任給20万円、バイト時給800円、ガソリン1リッター155円、小型車新車150万円。
若者がこぞって車を所有していた25年前と比べて、むしろ車を保有することはやさしくなっているように見える。
もちろん、この数字に表れない若者のニート化などが影響しているということも否定できないが、それ以上にライフスタイルの変化が大きい。
若者に限らず、誰でも「どうしても必要なもの」があれば余計に働いてでも手に入れるものだ。その証拠に、所得が低いから携帯をもてない、という若者の話はあまり聞かない。
25年前に若者の神器であった車が今は携帯に変わっている。
今の若者にとって車のプライオリティは想像以上に低い。
都市部は便利だから車は要らない、という指摘もあるが、これもおかしい。
都市部の若者がこぞって自分専用の車を所有していた20年前と現在とで公共交通機関の利便性にたいした差はない。これでは説明が付かない。
結局、現在の若者にとって「自分の車を所有する」ことの、ライフスタイルに対する貢献度合いが高くない、ということしか理由はない。
いわく、地方都市では車は必需品であるが、構造改革の犠牲となった低所得者は貯蓄を取り崩し、もはや車を買う余裕もなくなっている、というのだ。
格差の拡大は事実だと思うが、本当にいわゆる「ワーキングプア」層の増加が新車販売に影響を与えているのだろうか?
ワーキングプアといわれる、年金のない老夫婦や母子家庭が格差社会前なら新車を所有していたとは思えない。これは別の問題なのではないか。
もちろん、そこまで極端ではないが格差社会が低所得者層を拡大させ、車が欲しくても買えない人々を増加させているのかもしれない。
でも私の感覚では、そういった悲鳴はあまり聞かない。買いたくても買えないというよりは、特に新車を買いたいと思わない、という雰囲気しか感じられない。
私が思う国内で車が売れない理由は、主に2つ。
ひとつは、車の品質が上がり、昔の車のように経年劣化しなくなってきている、そしてここ10年で主要なキラーコンテンツであるエアバック、ABS、ナビという装備が付いてしまっているから、どうしても買い換えたいと思わない、さらに、車はすっかりコモディティ化したので、新車を買うと一目置かれるとか、古い車はみっともないという価値観がなくなってきている、こうした市場環境の変化が新車への買い替えを阻害している。
それと、若者の車離れ。
どうしても一人一台車が必要な地方は別として、若者が自分専用車を欲しがらない。家の車を必要なときに使うということで満足している。
これはお金がないから、所得が低いからという理由では説明しきれない。
ちなみに:
昭和60年 大卒初任給15万円、バイト時給550円、ガソリン1リッター145円、小型車新車130万円。
現在 大卒初任給20万円、バイト時給800円、ガソリン1リッター155円、小型車新車150万円。
若者がこぞって車を所有していた25年前と比べて、むしろ車を保有することはやさしくなっているように見える。
もちろん、この数字に表れない若者のニート化などが影響しているということも否定できないが、それ以上にライフスタイルの変化が大きい。
若者に限らず、誰でも「どうしても必要なもの」があれば余計に働いてでも手に入れるものだ。その証拠に、所得が低いから携帯をもてない、という若者の話はあまり聞かない。
25年前に若者の神器であった車が今は携帯に変わっている。
今の若者にとって車のプライオリティは想像以上に低い。
都市部は便利だから車は要らない、という指摘もあるが、これもおかしい。
都市部の若者がこぞって自分専用の車を所有していた20年前と現在とで公共交通機関の利便性にたいした差はない。これでは説明が付かない。
結局、現在の若者にとって「自分の車を所有する」ことの、ライフスタイルに対する貢献度合いが高くない、ということしか理由はない。