SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画 「オリバー・ツイスト」

2006年02月13日 | 映画(ア行)
「戦場のピアニスト」に次ぐロマン・ポランスキーの新作。どちらも時代や運命に主人公が翻弄されていくところに共通点がある。そういう意味では脇役や周辺のうねりの方にむしろ大きな意味を持たせてあるようだ。(主役が弱い?)
 
 悪人の逃亡シーンなど昨今のアクション映画を見慣れた眼には意外と平板だし、オリバーの出生の秘密などは触れられることがない。現代の観客にとってみれば、そんな偶然があるわけがないとむしろ覚めてしまうような要素が巧妙に削られている。銅版画の画面が動き出すオープニングから再び銅版画で閉じられるラストまで穏やかな語り口である時代が語られている。

 1968年のキャロル・リード監督のミュージカル「オリバー!」に比べると、食べ物に対する執着=飢えのリアルさや、ラストの悲嘆の底にいる悪人フェイギンとの対面などに監督の個人的な思いが現れているように思える。

 休日の劇場、チケットブースがやけに混んでいると思ったら大半は隣のスクリーンで上映中の「THE○○○ホテル」の観客だった。


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