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20世紀初頭のフィンランド内戦の物語。ロシア革命の影響を受けた急進的な赤衛軍と政府系の白衛軍の争いだ。敗走する赤衛軍女性部隊の全員が、投降後輪姦されて荒野に放されたあと、脱走として銃殺される。
これを違法として追求する若い准士官が、ただ一人の生き残りを正規の裁きの場へ連れて行くというのが主筋である。長い旅の中でほのかに心が通い合うように見えるが、女性は心を開いているわけではない。
原野にポツンと建つ、これが裁判所か、という施設に人文主義者と言われる判事がいて、彼が判決を下す事になっている。
ここが異様な雰囲気を持っており、「地獄の黙示録」のマーロン・ブランドが王のように君臨した「帝国」のような様相を帯びているのだ。
戦争が知的な人文主義者であった判事を変貌させている。彼の隠された秘密によって、たどり着いた二人の運命がどのような結末を迎えるか、極めて上質のサスペンスを見るように最後まで目が離せない。
久々に映画らしい映画を堪能できた。これは大人の映画だ。
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