SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画 「今宵、フィッツジェラルド劇場で」

2007年09月12日 | 映画(カ行)
 小林正樹監督の「化石」(井上靖・原作)には岸恵子の死神が黒の喪服で登場する。本作ではヴァージニア・マドセンが白いコートに身を包んでラジオ・ショーの舞台に現れる。果たして彼女は天使なのか死神なのか。

 監督ロバート・アルトマンは結果的に遺作となった本作で、その謎のキャラクターに「老人が死ぬのは悲劇ではないのよ…」と言わせている。果たして自らに死の予感はあったのか?

 今宵を最後に幕を閉じる、長年続いた公開ラジオショーの最後の舞台に集まるスタッフと芸人たちを描くアルトマン得意の群像劇だ。

 終末の光景の中で実際に命を落とす老いた歌手と対比させて、まさにこれから道を歩み始めようとする新人歌手(リンジー・ローハン)に希望を託している。彼女が突然降って沸いたように初舞台を踏むことになるエピソードはかつての名作「ナッシュビル」を思い出させるが、あのエネルギーも、いまや老練の境地のアルトマン、今回はとても穏やかだ。

 劇場を買収してこの幕引きの元を作ったトミー・リー・ジョーンズの帰りの車に「白いドレスの女」が乗り込んで・・・。

 それにしても、メリル・ストリープもウッディ・ハレルソンも、これほど歌が達者だとは知らなかった。


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2 コメント

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役者 (kimion20002000)
2007-09-23 19:29:30
TBありがとう。
豪華な配役でしたねぇ。
リンジー・ローハンの眼鏡にも、萌えました(笑)
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こんばんは (David Gilmour)
2007-12-02 22:06:41
トラバ、ありがとうございます。

貴記事を読んで、「ナッシュビル」が見たくなりました。

それでは、またよろしくです!!
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