SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画「男たちの大和」 ~ 獅童の「士道」

2005年12月28日 | 映画(ア行)
 圧巻。戦闘シーンの迫力とボリュームはこれまでのどんな日本映画にもなかった。

 大和艦上のみでもこの有様だから実際の沖縄戦の現場は悲惨を極めたことだろうと思われる。「玉砕」という言葉のみの精神論で多くの命が奪われたことになる。

 劇中、長島一茂の台詞の中で「武士道」と「士道」の違いが解かれる。だから獅童?というわけではないだろうが、この映画のテーマが託された重要な台詞である。大災害や大惨事で生き残ってしまったことの苦悩を語られる生存者の方のことなどが思い出された。

 キャストは若手が頑張っている。ただ2、3人以外は誰が誰なのか人の区別がつかない。現在のシーンを演じる仲代達也以外は渡哲也以下重鎮クラスの男優はほとんど見せ場がないが、回想の中の母や恋人を演じる女優陣は短い出番にもかかわらず皆とても良い。

 とにかく観客が多い。特に年配の男性の多さが他の作品にはない傾向であろう。
 必見の映画であるが正月に見るには少し重過ぎるか・・・・。