人気劇団キャラメルボックスの公演だというので、まったく予備知識のないまま「クロノス」という芝居を見に行った。
ロビーで原作本、梶尾真治著「クロノス・ジョウンターの伝説」が販売されていた。人の名前にしては奇妙な・・・・などと考えていたら、これがタイムマシンの名前であった。
ただし過去に人を射出すると間もなく、それ以上の力で引き戻すという機械。現在にではなく未来に帰ってしまうわけだ。
3つの短編の連作になっておりその内の一つが今回の舞台化作品。
乙一の小説もそうだがタイムトラベルものは切ない要素がからんでくる。距離的な隔たりならともかく、何十年、何百年という時間に隔てられていると愛し合った二人は二度と逢えないか、再びあった時の年齢差は浦島太郎状態になってしまう。
読者あるいは観客としては何とかしてあげたいと思うが、作者もそこを考え抜いてくれているのが良く分かる。
キャラメルボックスは来年、残りの2作を2本立てで舞台化してくれるそうだ。