SEA side

静けさの中で波の音だけが永遠に響きつづける。
美しいものとの出会いの記憶・・・・。

映画「TAKESHIS'」 ~ 多重人格者の世界観

2005年12月09日 | 映画(タ行)
 F・フェリーニやウッディ・アレンの作品にはタイトルに「・・・・の」と監督名が冠される作品がいくつかある。
 本作のタイトルは「'」の位置からいうと複数のTakeshiたちの・・・・ということになる。Takeshiたちの何なんだ?というと「Takeshiたちの映画」ということだろうか。いずれにしても名前が売れていないことには付けられないタイトルである。

 一言で言うと、画家が自分のパレットを公開したようなものだと思う。それが作品かどうかは別として、創造の源であり、ひょっとして創造の秘密が発見できるかもしれないことは確かだ。
 そこから筆で一色ずつ画布に塗りつけていく、その筆のタッチと色の混ざり具合いの面白さを楽しめるかどうかが本作評価の分かれ目であろう。

 意図した色もあれば偶然混ざり合って出現した色もある。だけどそれらをひっくるめて北野ワールドなのである。
 映画に出てくるのは二人のTakeshiだが劇中劇の役柄も含めてもっと多重人格化した、まさにTakeshisの世界である。