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ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「旅立ちの島唄 十五の春」、南大東島の1年!

2014-03-04 19:13:20 | 日本映画
おすすめ度 ☆☆☆

三吉彩花主演、横浜映画祭で新人賞を取っています。

ちょっと、役柄からすれば大人だし、綺麗だし、そぐわないが、彼女あっての映画のような気もする。その綺麗なすんだ瞳と、凛とした顔立ちは、この映画に欠かせない。

南大東島は、沖縄から東へ360キロ、住民は少なく、高校はない。したがって高校進学はどうしても沖縄へ行かねばならない。十五が、島での最後の年なのだ。

先輩を送り出した仲里優奈(三好が演じる)が、高校進学のため、島を離れるまでの1年間を描いた映画。

始めと終わりに、 少女民謡グループ“ボロジノ娘”の島唄が公開される。島独特の三線の調べは、どこか物悲しい。船出の歌なのに。

優奈は、グループのリーダになり、最後は卒業の唄だ。

優奈の家庭が、島育ちの人々の苦悩を典型するような物語だ。

父は、優しいが根っからの島人、母は本島から嫁に来た、どちらかといえば都会人。兄と姉はいずれも十五で島を離れ、今も本島で暮らしている。母も本島にいる。

したがって、今は父娘の二人暮らし、この年が過ぎれば父は一人ぼっちに。将来はわからないが、島の立場は厳しい。寡黙に演じる小林薫が光っている。

一方、優奈に恋人ができる。北大東島人だが、父が病に倒れ、家庭の事情で進学をあきらめる。優奈は北大東島へ会いに行くが、事情は代えがたい、悲しい別れ。

純朴な島国と、それにふさわしい三好の演技に、ひとしきり田舎を堪能できる。



 
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「東京難民」、どん底まで落ちた学生の顛末は?

2014-03-03 20:14:08 | 日本映画
おススメ度 ☆☆☆☆

21歳の時枝修。親からの仕送りでアパート暮らしの大学生。

父親が借金苦で逃げ出したため、大学はおろかアパートまで放り出されてしまう。

ネットカフェを根城に、何とかなるわと、パチンコに金を突っ込んだりするが、ある日女に誘われ行った先で豪遊、女に逃げられ借金苦に、そこで頼み込んでホストになるが、そこもタコ部屋のような生活が待っていた。

社会派佐々部清が監督、骨太な演出で、東京で難民と化す若者たちの生態を見事にクローズアップしてくれる。

現代の若者たちが安易に生活していて、一端歯車が狂ったら、東京は砂漠なのだということを思い知らせてくれる。

簡単に金が稼げないことを、見事に映像化し、悪にはまるとそれが歯車式に転落の一途なことも知らしめてくれる。福澤徹三の同名の小説を映画化したものだが、なかなか迫力がある。

ただ、ホスト社会の描写が長く、一人のボスであれだけえぐいことができるのかちょと実態がわからないだけに首をかしげるところがあり、引いてしまう。

群像劇の感があり、それぞれの配役も適当で、現実感に差があった。中で光っているのは、井上順のホームレスで、ラストへの救いにつながっている。

暴力的な映画が多い中で、真面目に現代若者の恥部に取り組んだ意欲は奏とすべきだろう。

特に前半は、よく練れた筋運びで納得させてくれる。

ホスト狂いの女性が出てきて、ちょっとストーリー的には無理がある。まあ、話の展開として仕方がないのかも。


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アカデミー賞決まる!「それでも夜が明ける」がグランプリ!

2014-03-03 16:51:30 | 映画
今年のアカデミー賞が決まった。

「それでも夜が明ける」がグランプリ。この7日から公開される。要注意。脚色賞と助演女優賞も

下馬評の高かった「ゼログラビティ」は、7冠。監督賞、視覚効果賞、撮影賞、編集賞、音響編集賞、録音賞、作曲賞。

主演男優賞は、ダラスバイヤーズクラブのマシューマコノヒー、20kg減量して演技は見事だった。ジャレットレッドも助演賞。

主演女優賞は、ウディアレンの「ブルージャスミン」のケイトブランシェット。

外国映画賞は、イタリアの「追憶のローマ」、これは今秋公開予定。

長編アニメ賞は、「アナと雪の女王」

日本映画は残念。

写真は 「それでも夜は明ける」スティーブ・マックイーン監督(左)とプロデューサーのブラッド・ピッド
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「フェニックス 約束の歌」、韓国人気バンドFTISLANDのボーカル、イホンギ映画初主演!

2014-03-02 18:18:45 | 韓国映画
おススメ度 ☆☆☆

人気絶頂のアイドルで自由気ままに生きるチュンイ(イホンギが演じている)は、ささいなことで暴力事件を起こし、奉仕活動を申しわたされ末期がん患者の病院で社会奉仕をすることに。

担当は、結構美人だが、仕事にはうるさく、汚い仕事にうんざり。

だが、徐々に慣れてくるにつれ、それぞれの置かれた立場が分かってくる。(ネタバレ)
































みんな末期がんの苦しみを抱えているのだ。

冒頭、やんちゃで、生意気そうな感じは、イホンギの地か、それとも下手な芝居か。

病院が経営難に陥っており、がんを忘れるためにバンド演奏を楽しんでいた面々が、コンテストに出場することに。

下手さ加減にあきれたチュンイだったが、自らの抱える家族問題も含めて、皆と交流を重ねていく。

そして刑が早く終えられる特権をちらつかされて、バンドを指導することに。

曲も提供し、イベントは盛り上がるはずだったが、ドラムの男性が倒れる。

急きょチュンイも出場することになり、大盛り上がりのステージが。

そして各人のビデオレターが流されるが、余命少ない各人のコメントに涙を誘われる。

韓流ドラマ独特の雰囲気で、死を目前にした人たちのメッセージは心を打つ。

絶唱の歌は明るく、決してジメジメしないところが救いだ。


聞くところによると、この映画を低評価して、妨害している人がいると聞くが、そんなことにめげず、楽しんでください。

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「血の祝祭日」、血糊映画の元祖だそうです。

2014-03-02 16:28:44 | アメリカ映画
1963年作品

世界初のスプラッター映画として現在もカルト的人気を誇る、ハーシェル・ゴードン・ルイス監督による低予算ホラー映画。

これが、スプラッター映画の元祖、だと聞いて、借りてしまった。

エジプト料理店の店主が、依頼で自慢のエジプト料理を作れると大張り切り。このエジプトの聖女をよみがえらせるというまがまがしい題目は面白い。

なぜか、当時若い女性の殺人が横行、死体は見事に内臓が持ち去られていた。

それを警察が追う展開に。

たしかに、人を殺して、内臓を抉り出す血糊シーンは、グロテスクだが、なにしろ低予算映画バレバレの作り。

まあ当時としてはこの程度だったのか。

殺人シーンもあっさりしていて、動物の臓物を使ったシーンはあるが、死体から取り出すシーンとか、血がドバっとかそんなシーンはない。

まあ歴史的映画として鑑賞する以外面白味はない。70分と手ごろではあるが。

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「甘い鞭」、檀蜜主演のSM映画です。

2014-03-01 14:33:15 | 日本映画
おススメ度 ☆☆

  SM好き、エロスサスペンス好き ☆☆☆☆

17歳の少女が、隣に住む中年男性に横恋慕され、監禁、凌辱の限りを尽くされ、やっと逃げて帰ってみると、母親があんた誰とそっけない。だが、、連れていかれた病院の女医にやさしくされ正気を取り戻していく。

そんなトラウマを抱えた少女の15年後、彼女は、忌まわしい過去に親切にしてくれた女医が忘れられず、32歳の今は、不妊治療の女医になっていた。

一方で、監禁時に受けた気持ちがなぜか忘れられず、夜はSM嬢で心を満たしていた。

檀蜜が女医になった主人公を演じ、17歳は、間宮友貴が。二人とも、体を張った演技で魅了する。

当然裸のシーンが多いが、間宮に至っては、全裸監禁なのでずっと裸のまま。

だが全編に漂う異様なサディズムの描写は、肉体に刻まれた傷と擦り込まれた血によって、痛みを観客に強いる。

SM嬢の奈緒子のプレイ画面に、17歳の時の強姦凌辱の画面が同時に進行し、その痛々しさは、石井監督の手腕もあって、半端ではなく、心に突き刺さる。

もうやめてほしいの痛みの気持ちがクライマックスに達し、見るのがつらい感覚が走る。実はここが大切で、それが平気で見られる人にとっては、この映画は素晴らしいとなるのだが、そこまでの異常性を許しえない当方にとってはすごく痛い映画だ。

まあ痛さのえぐさの点で、この映画は現代の日本映画では一つのエポックだろうが、その心情に寄り添える人にとっては涙ものらしい。(ネタバレ)

























SMシーンでの、SからMへの転換シーンは、檀蜜の地か演技か、なんともなまめかしい。

しかしその後の、殺しへ昇華するラストは、監禁された少女のやむを得ぬ事情は分かるが、SM嬢シーンでの、殺しを意識したSMシーンは、映像的にはあり得ても、別室で監視があるはずのSMクラブなら気づかぬはずもなく、強烈な違和感を感じる。

さらなる殺人を止める横から出た腕、これは見事な終りだった。

檀蜜をはじめとする演技陣の巧みさにひかれつつ、どうしても乗れなかった映画だ。
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