おすすめ度 ☆☆☆★
フランソワ・オゾン監督が、映画プロデューサー殺人事件の“犯人の座”をめぐって3人の女たちが繰り広げる騒動をユーモアたっぷりに描いたクライムミステリー。
舞台は1930年代のフランス。いかにもフランスらしい街並みとファッションの美しさ。
有名映画プロデューサーが自宅で殺された。容疑者は、売れない新人女優マドレーヌ。プロデューサーに襲われ、「自分の身を守るために撃った」と自供する彼女は、親友で駆け出しの弁護士ポーリーヌと共に法廷へ。鮮やかな弁論と感動的なスピーチで陪審員や大衆の心をつかみ、正当防衛で無罪を勝ち取る。それどころか、「悲劇のヒロイン」として一躍時の人となり、大スターの座へと駆け上がっていく。
ところが、そんなある日、二人の前にオデットという女が現れる。プロデューサー殺しの真犯人は自分で、マドレーヌたちが手にした富も名声も、自分のものだというのだ。こうして、女たちによる「犯人の座」をかけた駆け引きが始まる―。
トーキー初期の雰囲気をそこはかとなく感じさせるどこか懐かしく粋なフランス喜劇といった感じ。そこに昨今のMETOO運動を思わせる女性差別や男性優位社会の問題点などをシニカルな笑いに変えての作劇がなかなか効果的にキマッていた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます