
おすすめ度 ☆☆☆☆
内戦の勃発により戦場と化した近未来のアメリカを舞台に、最前線を取材するジャーナリストたちを主人公に圧倒的没入感で描いたアクションスリラー。
連邦政府から19もの州が離脱したアメリカ。テキサスとカリフォルニアの同盟からなる“西部勢力”と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が繰り広げられていた。「国民の皆さん、我々は歴史的勝利に近づいている——」。就任 “3期目”に突入した権威主義的な大統領はテレビ演説で力強く訴えるが、ワシントンD.C.の陥落は目前に迫っていた。ニューヨークに滞在していた4人のジャーナリストは、14ヶ月一度も取材を受けていないという大統領に単独インタビューを行うため、ホワイトハウスへと向かう。だが戦場と化した旅路を行く中で、内戦の恐怖と狂気に呑み込まれていく——。
一行が目の当たりにする凄まじい破壊の跡、武装集団によるリンチと虐殺には、思わず息を呑む。アメリカ人同士が殺し合う凄惨な内戦の現実だ。同時に、ジャーナリストの息遣い、スクープを狙う嗅覚、戦場取材の高揚と恐怖が描かれる中でリアルな人間性が丁寧に表現される。
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