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NHK山田洋次が選んだ日本映画百選  中原俊監督「12人の優しい日本人」

2012-12-28 13:50:42 | 日本映画
1991年作品。

アメリカ映画「12人の怒れる男」は、評判となった裁判映画だ。

この映画をパロディにしたのが本作で、三谷幸喜の作劇術がきらめいている。

当時は、まだ裁判員制度もなく、目新しかった。

今日の目で見ても、裁判のむつかしさと、それにここでは、日本人という特異なキャラクターが見事に描かれている。

当然、一室の中での、討論映画なので、ちょっとなじめない人にはなじめないかもしれないが、演劇好きの方には、そのスリリングな展開と、周到に練られた作劇術に喝采を送りたくなる出ろう。

12人全員が無罪とした、夫婦の揉め事による夫の殺人事件。だが、議論せず終わりそうになった場面で、一人が反旗を翻したために、討論は展開する。12人それぞれの持ち味を巧みに引き出しながら、殺意の問題とか、証言の曖昧さとか、人を裁くことのむつかしさが浮き彫りにされる。

一方で、人間のえごというか、頑固というか、得体のしれないこだわりがていねいに描かれ真実をついている。



中原俊はこの群像劇を見事に御しきっている。


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