ひろの映画見たまま

映画にワクワク

園子音監督「紀子の食卓」、家族の映画です。

2012-09-02 17:21:09 | 日本映画
園子音監督、2005年作品。

DVDで鑑賞、このDVDには、園子音監督と映画ライターとの語りが、全編の裏についています。

おかげで、この映画の裏話がよくわかりました。

158分の長尺ですが、4時間ものにしたかったらしい。

ただ、撮影期間を短く設定され、その分、濃縮された映画となっている。

5(?)部構成になっていて、それぞれの立場からの描写。

主人公紀子、17歳高校生、妹と父母の4人家族。

新聞部で活躍するも、とくに家族と軋轢があるわけでないが、インターネットで知り合ったサークル仲間に逢いたくて東京へ。

家族は伊豆で暮らす。すなわち、田舎と都会のギャップ。

上野駅54さん、あてもなく上京した紀子は、コインロッカーの54番の前でクミコと出会う。

彼女は<レンタル家族>を主宰し、家族のぬくもりを欲している人たちに疑似家族を提供する仕事をしており、紀子も<ミツコ>として、仲間入りする。

一方、2002年5月新宿駅8番線プラットホームから女子高生54人が集団飛び込み自殺をした。この事件にかかわりがあると察した妹も上京、姉と合流する。

その後母親の自殺、父親もこの状況を察して、レンタル家族の客に。

映画は、長い、おまけにセリフが多い、中には聞き取りにくい場面も、という意味で非常に難解な映画になっている。

奇才園子音が「愛のむき出し」の前に撮った作品だ。家族問題がテーマで、性や暴力の描写は少ない(ただ、血のりは園流だ)。

そこここに、巧みにメッセージが隠されており、考えされられる映画だ。でも、重たい映画だ。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする