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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

みみをかたむける

2020-11-25 17:07:08 | 好きなもの・音楽や本

福袋』と一緒に図書館から借りてたのは、まかてさんの
こちらの本。


前から気になっていたのを、やっと借りたって感じ
なのですが。

江戸吉原の話‥くらいしか中味を知らなかったので、
てっきり表紙に描かれている太夫が主人公なんだと
思っていたら、吉原黎明期の遊女屋で育てられ、のちに
その店の女将になっていく花仍(かよ)の生涯の物語でした。

もちろん、読み応えはたっぷりありました。
一面、葦で覆われていた辺鄙な土地が江戸一番の色街へと
変わっていく歴史的な側面がわかったりとか‥遊女たちの
生活がリアルに描きだされていたところとか‥。
ただ、花仍と、花仍を引き取りのちに妻にした西田屋の甚右ヱ門
との関係を、もう少し知りたかった読みたかったという気持ちも
残りました。


読了後、すこし江戸時代から離れたくなって、偶然見かけた
この文庫本を読んでみました。(表紙に惹かれたのかもしれません)


普段自分からは進んで手にすることはないジャンルなのですが、
同じ職場の人や、近所の読書好きな方が、時折この手の本を
勧めてくれたりするのです。

少年犯罪を扱った、とても重い内容の物語でした。
終盤になってわかってくるいじめも、とても陰鬱で残忍で‥
果たして最後に救いはやってくるのかーと、何度も息苦しく
なりながら、でも、結末が知りたいので、とても早く読み終えました。

親と子の関係は一筋縄では行かず、こじれてしまった糸を
ほぐしていくのが難しいことはわかりますが、こんなにも子どもの
気持ちをわかってあげられなかったのか、と非常に残念でした。

あの時、電話に出ていればと、この物語の中で何度も何度も
父親は悔やむのですが、あれ何かと似ていると、読了後に気になって‥
何が自分の中でひっかかっているのかと思ったら。
落花狼藉』の中で、花仍がひきとって育てている娘との関係が
うまく行ってないと思い悩む中で、なんでもっと早く言わなかったのと
きつく問いたときに、娘から、自分はすべて言ってきたのに、
お母さんはいつも忙しくしていて、自分の言うことなんてまるで
聞いていないようだった、と言い返される場面があり、それから後も
何年も口をきいてくれなかったというのがあったのです。

父と息子。母親と娘。もちろん親子の関係でなくても、夫婦であっても
兄弟姉妹であっても、誰かの話に耳を傾ける、ということは、人間関係の
基本中の基本なんだなーと思った次第です。


犯罪が描かれている物語はもうやめよう、と思ったにもかかわらず、
もう1冊この本も読みました。

こちらは警察もの、ですね。誘拐事件をめぐる物語です。
たしかに「少女」がキーになっていますが、この表紙の絵は
何を意味しているのでしょう?(笑)。
なんかこれだけ見ると、自転車とか白いワンピースを着た
女の子とかが、真犯人捜査にかかわってくるみたいですよね。
(それとも重大な何かを私が見落としていただけなのか??)


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