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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

ル・コルビュジエ展@国立西洋美術館

2019-03-19 16:48:47 | 好きなもの・美術館や展覧会

3月10日日曜日、久しぶりに国立西洋美術館へ出かけました。

ル・コルビュジエ 絵画から建築へーピュリスムの時代 というのを
観るために、です。






そもそもコルビュジエに興味を持ったのは、私の場合この本からで、



せっかくご本人が設計した美術館で展覧会があるのだから観ておこう
程度の気持ちだったのですが‥これがなかなかよい展示でした。
行ってから気が付いたのですが、コルビュジエがコルビュジエと
名乗るようになる前の10年間くらいの、絵がメインだったころの、
展覧会です。


まず、何がよかったかって、適度な混み具合というか、フツーな感じの
ところ(笑)。入場制限もないし、係員の方が誘導のために大きな声を常に
出していることもないし。
入ってすぐの場所に、コルビュジエ設計の10分の1?モデルみたいなのが
いくつもあったのですが、それを「建築勉強している学生さんなのかな?」と
思われる若い方々が熱心に見ていて、なんかとっても好感が持てました。

その場所‥19世紀ホールというのだそうですが‥吹き抜けになっていて。


脇にある緩いスロープを登って2階の展示室へと動線が繋がっているのですが、
展示とは、ただ広い空間に絵が並べてあればよいというものではないなあと
こういう建物で絵を観ると、つくづく思うのでした。
(なんか、うまく言えませんが、広い部屋が次から次へと繋がっているだけの
場所は面白みがないというか、絵を観るのに飽きてしまうというか‥そんな
気になったことが過去に何度かあったから、です。)


肝心の内容はどうなのかと言えば‥。
ピュリスムというものを、このたびの展覧会で、(わたし)初めて知りました。

キュビズムは知っていたのですが、そのキュビズム(立体派)が第二隆盛期を
迎えた1920年代に、正確には1918年末、ピュリスム(純粋主義)の運動は
シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ(のちのコルビュジエです)と
画家アメデ・オザンファンが共同で開いた絵画展によって始まったのだそうです。

キュビズムがいくつもの視点からみた対象物を1枚のキャンバスに表したものに
対して、ピュリスムは、正面からと、上からの、二つの視点からの静物を
ひとつのキャンバスで再構成したものだという会場内のビデオの説明が、わたしには
一番わかりやすいものでしたが、サイト内の見どころで詳しく説明されているので、
ぜひ読んでみてください。

絵画と建築見本の他に、コルビュジエデザインの家具もあり、ああいう家に住むのなら
家具だって、それにふさわしいものを置きたくなるよねえ?と、つい思ってしまう、
シンプルで機能的な、そして美しいものでした。


会場は、自然な動線で、常設展へと続いていて‥これがまたなかなかの見応えでして。
次の企画展の「松方コレクション展」のことも思いながら、原田マハ著の印象派に
ついての本も思いだしながら、楽しみました。





そしてそして、原田マハさんの『たゆたえども沈まず』で知った、林忠正さんに
ついての展示
ももれなく観ることができて、なんとも濃い時間でした。








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