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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

天の火をぬすんだウサギ おほしさまのちいさなおうち

2018-11-27 16:02:40 | ひらきよみ(読み聞かせ)

11月16日は4年生のクラスでの読み聞かせ当番でした。
当初は、ペアさんが「届ける絵本」を読んで、私が残りの時間で
1冊読むという段取りでしたが、前日の夜になって急にペアさんの
ご都合がつかなくなり、当日の朝「届ける絵本」を受け取って、
ひとりで2冊読むことになりました。
幸い、以前に読んだことがあった絵本だったので、それほど動揺
せずにすみましたが、こういう可能性があることも考えて、課題の
絵本は自分が読まないとわかっていても、手元に置いておいたほうが
いいかもしれないと思ったのでした。

こちらが今回の「届ける絵本」


私は2012年11月(え?!もう6年も前!!)に6年生のクラスで
読んでました。(過去ログ

動物たちがリレー形式で火を運んでいくところが面白いですよね。
互いを「りす、りす」とか、「カラス、カラス」とか、そのままで
呼び合っているのが、なんか今回読んでいて新鮮に感じました。



2冊目は、読もうと思い用意していった絵本です。


夏に、作者の渡辺鉄太さんのお話を聴く機会があり、その時に
まだ発売前だったこちらの絵本を鉄太氏が読んでくださいました。


遊びにすっかり飽きてしまった男の子が、お母さんに何か楽しいことは
ないかと尋ねると、お母さんはこう言います。

「おかあさん、なにか たのしい あそび おしえて」

「それなら、たんけんに いくのはどう?
おほしさまのおうちを さがしてみるのよ。

おほしさまは、よぞらにいるだけじゃないのよ。
とびらも まどもない、ちいさな あかい おうちにも すんでいるの」


扉も窓もない、小さな赤いおうち。

男の子は、道で踊っている女の子に会い、農場へ行き、おばあさんからは
風に訊いてみたら、と言われます。風に吹かれながら、丘のてっぺんまで
登っていくとそこにはくだものの木が生い茂っていました‥。
男の子はもしやこれではないかしら、と思い、拾った実をお母さんの
ところへ持っていくと‥ああ、そういうことだったのですねー。
可愛らしいお星さまが現れます。

巻末にもあり、鉄太氏もおっしゃっていましたが、英語圏では、リンゴの
季節になると図書館や幼稚園などでよく語られるおはなしだということでした。

誰もが知っている「語り」で伝えられてきたお話を、絵本にするのは
かえって難しい作業だったのかなーと思いますが、最後の場面を
男の子のこの言葉で締めくくることで、子供と母親との信頼関係や、愛情が
感じられ、「お星さま探しの話」で終わることなく、物語としての味わいが
増しているように感じました。

いつだって おかあさんが
おしえてくれる あそびは、
ほんとうに おもしろいのでした。


今年のりんごは、縦割りではなく、みなさん、ぜひ輪切りにしてみて
お星さまをみつけましょうね。


コメント
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