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『白鳥の湖』...というか

2012-06-27 23:03:07 | その他
ミハイル・プレトニョフ(ロシアのピアニストで指揮者)と彼が設立したロシア・ナショナル・オーケストラが来日してたので、聴きに行ってきました。
私はわりと好きなオケなんですが、日本ではあまり知名度が高くないらしく、お客さん達の会話を聞いてると、樫本大進(ベートヴェンのロマンス第2番その他で共演)目当てで来られた方が多かったようで...(実は私もけっこう樫本さんの比重は高かった 笑)

もちろん樫本さんのヴァイオリンはシビレるほどの素晴らしさで、至福でしたv
ただ、樫本さんのナチュラルで豊かな、歌うようなヴァイオリンと、このオケの、目鼻立ちがくっきりはっきりしたド迫力のロシア美人みたいな音(なんだそりゃ 笑)が合うのか?と思ってたんですが...意外にいい味出してました。取り合わせの妙というか。
私は、お上品で繊細過ぎる演奏とか、逆に感傷的あるいは甘過ぎる演奏とかはあんまり...なので、これくらいが丁度バランス良くて、ジャスト好みな感じ。
でも、このオケを初めて聴かれた方は、ちょっと度肝を抜かれたんじゃないかな(笑)

で、メイン(というのはコンサートの後半、休憩後にやる曲のことですが)は『白鳥の湖』からの抜粋(プレトニョフによる編曲)で、実のところそんなに期待はしてなかったんですが、これが大ウケ(個人的に 笑)
まあ、たいがい、予想してた通りではあったんですが...
しっとりしめやかなところはしめやかなものの、なよなよと儚い悲愴な白鳥というよりは、転がり落ちていく悲劇的な運命とはっきりきっぱり闘う悲壮な白鳥?

エッヂが利いてるというか、音が若いというか(実際の楽団員の方々は若い人ばかりってわけじゃないんですが ;)、個々の音やフレーズが際立ってて、シャープな印象。
さらにエネルギーがあり余ってる感じで、しまいには猛スピードで爆走するわ、ホールの音響設備が飽和するような大音響で管楽器(特に金管)とパーカッションが鳴り響いて弦楽器の音を掻き消すわ(←これは多分にホールのせいもあるでしょう)で、私は爆笑をこらえるのに必死でした...
(『白鳥の湖』で大笑いするってどうなのよ 笑)

ただまあ、バレエの伴奏ではこういう『雰囲気』重視で、細かい解釈(ニュアンス)とか微妙なバランスにはあんまりこだわらない演奏もよくあるので、むしろバレエファンの方には好まれるかもしれませんね。

あと、コンサートの最初にやったグラズノフの『中世より』という管弦楽組曲(私は初めて聴きました)はなかなか面白くて、拾い物でしたv
実際の中世の音楽に近いというわけではなく、あくまで「中世ってこんなイメージ」という、まあある意味、映画音楽みたいな曲。
中世モノのBGMにできそうな感じ、かな?