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「プリンセスチュチュ」ファンページ

フォルクスオーパーのくるみ割り人形

2010-05-10 22:34:49 | その他
先日フォルクスオーパー@ウィーンで「くるみ割り人形」を観てきました。
演奏もそれなりに良かったですが(「雪の国」の少年少女合唱が無かったけど...)、バレエも面白かったです。
子供向けバレエ?だからってこともあるんでしょうが、演出は現代的ながらオーソドックスな線を外しておらず、分かりやすくて素直に楽しめました。

第1幕の衣装は20世紀後半~現代の雰囲気。
ちょっとフォーマルなホームパーティーな感じで、女の子たちは可愛いAラインのワンピース、男の子たちは上品なお呼ばれスタイル(?)。
特に、女性招待客たちのロングドレス(+後でストールが加わる)が、それぞれ単色のシンプルな型で、それが大人たちの踊りの時にはくっきりとカラフルに映えて、とてもきれいでした。
あと、メイド&執事っぽい人たちと、車椅子に乗った『おばあさま』もいたな。

ドロッセルマイヤーはスキンヘッドに派手なフロックコートで、やたら踊りの上手い、イカしたオッサンでした(笑)
そしてどうやらゲーム・プログラマーらしく、子供たちに聞かせるお話は、お姫様と王子様と『クリーピーマン(Creepyman;這い虫男?)』なるアメコミっぽい悪役の出てくるゲーム画面。
最近の子にとっては、お伽噺=ゲームなんですね(笑)
で、後でくるみ割り人形が戦う相手も、ネズミじゃなくて『クリーピーマン』でした。
動物愛護という教育的配慮なのか、それとも単に最近の家にはあんまりネズミがいないからなのか。
まあ確かに、物がネズミに齧られて被害に遭うっていうのも、最近の子にはピンとこないんでしょうね。

マリア(バレエでは『クララ』のことが多いですが、ここでは『マリア』でした)は、現実の女の子のマリアと、夢の中の『プリンセス・マリア(Prinzessin Maria)』の二人一役(?)仕立て。
くるみ割り人形は、人形→人間が演じる『人形』(戦闘時)→くるみ割り人形王子(Prinz Nussknacker)の三形態(笑)で、グラン・パ・ド・ドゥはプリンセス・マリアとくるみ割り王子が踊ってました。
『人形』役の男の子はおっとっと、って感じだったので、『王子』に変わった時はほっとしましたが、女の子のマリアを踊った女の子はすごく上手くて、この子にそのまま「クリスマス・ツリーの下でのパ・ド・ドゥ」以降も踊らせてもいいんじゃないかと思ったくらい。
でも実際には、振付上(原振付はワイノーネン版)、大人のダンサーじゃないとムリなんでしょうけどね。
ヴァリアシオン(各国ダンス)は、まあ、普通に面白かったです。「花のワルツ」で寝かけましたが(笑)

舞台があまり広くない(「雪の国」のシーンで一斉に14人も踊ってるといっぱいいっぱい 笑)こともあって、セットは基本的に簡素でしたが、子供たちにとっては、想像力で補えるから充分かな?
フォルクスオパーはシュターツオパーより庶民的(とは言ってもシュターツオパーも日本で観るのに比べれば断然安いんですけどね)で、おめかしした子供たちもたくさん来てましたが、子供が観て楽しめるものだったと思います。
5月なのに、すっかりクリスマスみたいな気分になってしまいました(笑)