報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

私の境涯

2014-10-21 21:50:38 | 日記
 たまには小説ばかりでなく、普通の日記も書いてみることにしよう。
 ブログを運営する顕正会員、法華講員は意外に多い。
 私はどこともリンクしていないので、意外と武闘派の包囲網には掛かっていないようだが、あっつぁブログの包囲網は凄かった。
 簡単に見つかってしまったものだ。
 あの頃は、そんなにブロガーの数も多くなかったのだろうか。
 今はそういったシステムが稼働していないせいか、おかげさまでこちらは好き勝手にできる。
 但し、あまり調子に乗って、茜オバハンのようにはなりたくない。

 それはさておき、ブログで自作の小説を掲載している者はどれだけいるのだろうか。
 多分、私だけではないか。無論、自慢する気は無い。あくまで100パー趣味で書いているだけである。
 趣味が充実していることは素晴らしい。それが維持できているだけでも、一応の功徳と見なすことはできよう。
 何しろ、顕正会員の中には活動に追われて趣味活動ができなくなってしまった者達は大勢いる。
 文証は無いが、実際に私がこの目で見て来たのだから間違いない。
 そこへ行くと、宗門に来てからこのような趣味に没頭できるのは有り難い限りである。

 私がウェブで小説を発表したのは、実はこのブログが初ではない。
 私の前の所属寺院の人達は知っているけど、そこで運営されていたSNSに投稿したのがネット初出だ。
 エミリーなどのアンドロイドが主体の“アンドロイドマスター”の前作で、その名の通り、初音ミクなどのボーカロイドが主体の“ボーカロイドマスター”の原案やボツネタを公開していた。
 その頃既にメイドロボットの七海と製作者の平賀太一が登場している。
 どちらかというと彼らを主人公に据え置いて、敷島孝夫をプロデューサーとして招聘し、実験として試作機の初音ミクを世に売り出す……といった内容だったと思う。
 無論、完結することなく私はそこの寺院を出て行くこととなった。
 多分、今の所属寺院でも有志によるSNSは運営されているのだろうが、全く招待が来ないため私が独自にブログを運営していることもあって、存在を確認するまでには至っていない。
 “ユタと愉快な仲間たち”の原作、“顕正会版人間革命”は、私が顕正会を脱会した時点で事実上の打ち切りになったため、SNSで発表はしていない。まあ、初代のブログがリアル“顕正会版人間革命”だったかもしれないなw
 ここで発表している“ユタと愉快な仲間たち”は、稲生ユウタと一緒に行動している妖狐の威吹が代理で主人公を務めた“妖狐 威吹”の続編である。
 作者の御受誡を受けて、主人公も御受誡するストーリーが出来上がったため、再び主人公を稲生ユウタに戻して今に至る。
 威吹のキャラがブレているのは作者の不手際“顕正会版人間革命”“妖狐 威吹”“ユタと愉快な仲間たち”で、それぞれ彼の役回りが違ったからである。

 このように、今手掛けているこの2作品のアイディアを出すのは楽しい。
 仏法の修行とは全く関係無いが、私は「浅井先生の為に全てを捧げる敬虔な顕正会員」ではない。
 大聖人から苦笑される不良信徒であれど、自由気まま信仰を続ける法華講員である。
 恐らくこれが私の境涯であり、今現在の功徳なんだと思う。

 仏法の実践で自分や周囲が大きく変わることは、体験発表で明らかである。
 無論私も良い方向に変わって欲しいと思うことはあるが、変わって欲しくないこともある。
 それが、この執筆活動である。
 これで飯を食いたいなどとおこがましいにも程があるような発言をするつもりはないが、少なくともライフスタイルとして続けられるようにしていきたい。
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“ユタと愉快な仲間たち” 「ユタの添書登山」 2 final

2014-10-21 00:25:30 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[10月18日17:10.日蓮正宗大石寺・六壷→第二ターミナル 稲生ユウタ&威吹邪甲]

「……本日の御参詣、真に御苦労様でした」
 六壷における夕勤行が終わると、導師の僧侶が信徒達に挨拶する。
 顕正会しか体験したことが無い者は不思議に思うかもしれないが、何故勤行の後で導師が朝なら、『おはようございます』、夕なら『こんばんは』と挨拶するのか。
 勤行を始める前に、
「おはようございます(orこんばんは)。これより、勤行を開始致します」
 という挨拶でも良いではないか。
 何のことは無い。宗門では、件のようにやっているので、顕正会もそのようにやっているだけだ。
 こういう所に、辛うじて妙信講時代の名残があるということ。

 ユタは所化僧が退出するのを待って、自らも御宝前をあとにした。
(そろそろ日が暮れると寒いのに、所化さんは素足で板張りの廊下を歩いて大変だ)
 と、思う。

「よし、ユタ!移動するぞ!」
 裏門を出ると、威吹が待っていた。
「今日は同族さんはいなかったみたいだね」
「まあね」
 威吹の為に、なるべく境内から外れた場所を歩く。
 タクシー乗り場のある第二ターミナルも大石寺の敷地内であり、つまり境内の一部であるのだが、堂宇ではない(つまり、御本尊が無い)ため、比較的威力(いりき)の弱い場所であるという。
 威吹ら妖怪に取っては常住御本尊はもちろんのこと、紙製の仮本尊ですら安置されている周辺は、まるで放射能汚染地域のようだという。
 それが安置されているユタの家の仏間には、近づこうともしない。
 よってユタが顕正会員時代、堂々と芙蓉茶寮で一緒に食事をしていたということは、【お察しください】。
 一応、何とか威吹達が立ち入れる箇所が第二ターミナルだ。
「お、ちょうどタクシーがいたぞ」
 ユタと威吹は、1台だけ客待ちしていたタクシーに乗り込んだ。
「富士見ヶ丘のガストまで、お願いします」
「はい、ありがとうございます」
 夕闇迫る中、ユタ達は大石寺をあとにした。
「そうだ。マリアさんに、今向かってることを伝えよう」
 ユタは自分のスマホを出した。
「忙しいな、ユタ」
 威吹は苦笑い。
 電話の後で、
「で、ボクが気を取られてる間、先週はマリアとお楽しみだったのかい?」
「え!?」
「ボクがイリーナ師と長ったらしい話をしている間、キミはマリアの部屋にずっと2人きりだったんだろ?もう童貞とはお別れしたのかい?」
「そ、それは、その……!」
「まあ、答えたくなかったら別にいい。だが、残念だったな。当のマリアは生娘ではないようだ」
「別にいいよ。実際、僕より年上なんだし……」
(そうじゃなくて、処女の失い方に問題があるようだからいいのかと言っているのだが……)
 という言葉を威吹は飲み込んだ。
(まあいい。オレが封印前とこの時代とでは貞操観念が違うようだし、ヘタに口を出して“獲物”の機嫌を損ねる必要もあるまい)
 と、思った。

[同日17:40.ガスト富士宮バイパス店 ユタ、威吹、イリーナ・レヴィア・ブリジッド、マリアンナ・スカーレット]

 エントランス前で待つ2人の魔道師。
 と、そこへ1台のタクシーが駐車場に入って来た。
「師匠、ユウタ君達が来ました」
「富士急グループのタクシーか。ユウタ君も拘るねぇ……」
「……ただの偶然だと思いますけど」
 車から降りて来るユタ達。
「マリアさん!イリーナさん!」
「やあやあ、先週はどうも」
 イリーナは細目のまま、口元に笑みを浮かべた。
「またお会いできて感激です!」
「いいよ。たまたまこの近くに用事があっただけでね。そこへユウタ君達が来ただけだよ~」
「御本尊とやらに感謝するんだな」
 マリアも微笑を浮かべた。
「まあ、それより夕食にしよう。最後のバスが出る前に」
 イリーナはそう促した。
 店内に入って席に着いた時に、
「一緒のバスで来る気か?」
 威吹は訝しげな顔をした。
「もちろん。もう予約は取ったよ。ユウタ君達の真後ろ
「魔法でも使ったのか、貴様!」
「お察しくださいw」
「てめっ!」
「まあまあ。ここは1つ、ユウタ君の幸せの為にマリアと威吹君の席を交換するべきと見まするが、どうでしょう?」
 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ……(思わず拍手&伏せ拝をするユタ、拍手だけするマリア)
「ユタ、目を覚ませ!」
 威吹の叫びに、
「はっ、しまった!つい、顕正会時代の癖が!」
「ユタを変な道に引きずり込むな!おもしろ魔道師が!

[同日18:30.富士急静岡バス富士宮営業所 ユタ、威吹、イリーナ、マリア]

 富士宮市郊外から出発する、東京行き最終便。
 JRバスで運転される。
 ここから乗車する客は少なく、車内は閑散としていた。
「威吹、席交換ありがとう」
「フン……」
 マリアはちょこんとユタの隣に座った。

 バスは定刻通りに、バス営業所を発車した。

〔♪♪♪~。本日もJRバスをご利用頂きまして、ありがとうございます。このJRバスは、東名江田、東名向ヶ丘経由、東京駅日本橋口行きです。……〕

 バスは狭い道をゆっくり進む。
「この前は来てくれてありがとう」
 マリアはユタの方を見て言った。
「いいえ、とんでもない。今度は家に来てくださいよ」
「ああ。明日1日しかいられないが、お言葉に甘える」
「それ、新しい服ですか?よく似合ってますよ」
「ありがとう……」
 威吹はすぐ後ろの席で、寝落ちし掛けているイリーナの方を見た。
「おい。相変わらず、お前の弟子はユタの人形を作り続けているのか?」
「ふふ。もう部屋いっぱいにね。寝る時なんか、“ユタぐるみ”に埋もれてるわよ」
 イリーナは眠たそうな顔から一変、無邪気な笑顔になって答えた。
「あー、そーかよ」
「今度、威吹君のぬいぐるみも作ってもらおうか?」
「要らん。キノみたいに頭をかち割られるんじゃ、たまらんよ」
「ま、マリアもバカじゃないから、もうそんなことは無いわよ」
 人形を使って、呪いを掛けることをイリーナは禁止している。
 以前、マリアはその禁を破ってキノに復讐した。
 もちろん、イリーナは普段は細い目をカッと見開いて、マリアに大声で叱責し、往復ビンタした。
 後にも先にも弟子を怒鳴り付け、体罰を与えたことはなかった。
「ユウタ君もいることだし、少なくとも彼に嫌われないようにする為にも、“呪い”は使わないと思うね」
「だといいのだが……」

 こうして、ユタの支部登山は無事に終了した。
 ユタの功徳の現証はともかく、威吹には今後についての課題が待ち受けていた。
 どうクリアするか、見物である。
 
コメント (5)
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