時間調整

　不思議なことに、葬儀の読経は焼香をする人の数に関係なく、焼香が終わる頃にちゃんと終わるようになっている。これは焼香する人の多い少ないを僧侶が判断して、焼香客が多い葬儀では同じ箇所をリピートしたり、ゆっくりと読み、逆の場合は途中を省略したりするなど臨機応変に対応しているからだという。

　昔、高校の教師をしていた頃、同じ授業内容を３クラスでしていたのであるが、同じ分量なのにその日の気分や体調で時間が余ったり足りなかったりすることがあった。
　
　人のことは言えないが研修や講習でも、レジュメの内容を半分残して終了したり、逆に時間が大幅に余ったりする講師がたまにいる。

　初めて研修の講師をした時のことをよく覚えている。一字一句を原稿にして臨んだのだが、堅苦しいことこの上ない。人前でしゃべるときのコツはポイントだけを原稿にして、あとはその場の雰囲気でしゃべる。これが一番だ。

　今は講師をさせていただいても、内容はともかく時間配分だけは６０分なら６０分で、９０分なら９０分で出来るようになった。

　その分、口から出まかせを言ったり、タイトルとは無縁の話になったりして「いったい今日は何の研修？」とヒンシュクを買うことがたまにある。