もう随分と前のことですが、走行中に突然のエンジンストールで山口県東部で走行不能になったところからご連絡をいただいておりましたが、その時点では僕にもなす術がなかったのでとりあえずロードサービスを利用してご自宅にバイクを搬送することをお勧めしておりました。
その後も当方で修理のためバイクを受け入れる時期にまった見通しのつかないまま時間が過ぎておりましたが、
通勤にもお使いだと仰るBMWになんとか作業時間をとれないかといろいろと考えた結果、
エンジンか止まった時の状況とか燃料ポンプの作動音が聞こえるのかなどなどオーナーさんから聞き取り、
ココではないかと思われるパーツをあらかじめ入手しておいて「日帰り一発修理」に賭けることを決断しました。
現在、いやもうずっと前から故障探求と部品の入荷待ちを含むことになる長期お預かりの作業依頼には
その受け入れまでにかなりの期間お待ちいただくといった状態に陥っておりまして
その点寛大なご理解とご協力をいただかないとそもそも当方も対応できない事、皆様にご説明させていただいております。
ココだと睨んだセンサーは本国欠品でしかも納期未定。。。
しかしありがたいことに社外品が存在していますから救われました (^_^;)
作業の通り道にあるACジェネレーターのベルトも用意して、いざ車両引き取りのため県中部へ。
その日は奇しくも先日ハイコンプレッションモンキーのキックスタートで腰を痛めてしまった日の2日後。。。
僕はもういつもの2割程度の力しか出せない役立たずなので、オーナーさんと無理を言って同行してもらった常連さんとの3人で
BMWフラットツインツアラーを積載。
幸い、故障の原因のヤマは当たってたようで
早朝の引取りに始まり、フルカバーの外装と巨大なFUELタンクの脱着、そして主因となるパーツの交換などなど
その日の夜にはオーナーさんにお越しいただき、そのまま乗ってお帰りいただける見通しが立ちました。
ところが、作業中に触ったリヤホイールに異変。。。
シャフトドライブのパラレバーをなすどこかの支点に尋常ではないガタを発見。
安全提供の立場上これを告げずにことを済ませるわけにはいきませんから、
オーナーさんにご報告しさらに許可を得てあらぬ方向に作業は進んで行きました。
到底ニードルベアリングの支持クリアランスで対処できるレベルではなかったのでまずは分解。
さんざんこねくり回した結局ベアリングを壊しながらピボットピンを抜きとれたのが、
もうとっくに腹をくくった深夜。
ファイナルギヤボックスのピボットがこれならスイングアームのピボットも心配になるのは当然のこと
さらに奥まで見に行こうとするのだけど、今度はドライブシャフトのスプラインが固着していて先へ進めない。
それからというもの、数センチメートル挿入されたシャフトを抜くためドライブシャフトを壊さないよう過大な力をかけたり
加熱することもできない中、画像ではとてもお見せできない作業に数日間取り組みましたがとうとう断念。
その間いろいろと情報を集めましたが、
これを抜くことができなかったのは僕だけではなかったことを知り、
自分の無力と自己嫌悪感を経て遂には開き直ることができまして、
このバイクの駆動系の状況と、こうなった原因の推測と
オーナーさんにご来店いただきしっかりとしたご理解とそして許可を得てこの高価なドライブシャフトを
無表情で切断いたしました。
数日間もがいている間、ココを反対側から油圧プレスで押すことができればな~と思っていましたが。。。
それが今 (^_^;)
どうしてこうなったのか、最後に(最初かもしれない)ここを組み立てた時がどうだったのか…
ドライブシャフトの等速ジョイントとしての位相が適切ではなかったことも含めわからないことは多いですけど
他人の作業の批判を自分本位にするのもつまらないので、この先のことだけを考えて作業内容を決めていきましょう。
先ずはドライブシャフトの納期が本国の事情もあって3週間ほどとの宣告 ( ;∀;)
腰痛作業人に頼りの作業リフトはふさがったまま。
お盆前になんとか。。。かも。
とお待ちいただいておりましたお客様たちには誠に申し訳ございませんが何卒ご理解とお許しいただきますよう
よろしくお願い申し上げます。
いよいよ明日からお盆休みと仰る方も多いと思いますが、当方はほぼ作業を続ける予定です。
期間中に作業を受け入れることになっているお客様にはご不便をおかけしますがどうぞよろしくお願い致します。