ずっと前に修理の依頼をいただいていたLML
正直、受け入れの時期がいつになるかもわからない状況であることと、作業依頼のキャンセルも全然OKであることをお伝えし
ひたすらお待ちいただいておりましたが、
随分とお待たせしたお客さんに恐る恐る電話(いつものこと)してみると、その後も車両事情に変わりはなかった(他店にて修理完了!など)ようで
僕としてはこれでも早く受け入れることができたものだと自負しながら作業開始。
あれもこれも右側に集中、左側にはバッテリーと電装品とスペアタイヤ。
この車両について何も履歴はありませんから
低速での不調の末、始動不可となってしまった、購入からこれまでのことをお客さんから
しつこいまでに聞き取ったうえでとりかかります。
症状からするとまずはキャブレターを診ておきたくなるものでしたが…原因はそこには無く。
頼りなさそうなイグニッションコイルを当方保有のテスト用(CDI点火用)に交換すると
とりあえず運転可能な状態に回復。
試運転してみると走れなくはないけど、この程度では満足とは言えないフィーリング
「はじめは普通に走れていた」とのことですが、それがこの状態だったのかもしれません。
これはどうやら簡単なことではなさそうなので、さらにさらに故障探求を進めた結果
CDIのコンデンサーに蓄電される電気が不足している模様。
オーナーさん自ら確認済みのプラグのスパークも、点火エネルギーが十分ではなかったということのようです。
フライホイール1回転で100V以上の発電をするチャージコイルだけでも交換は可能でしたが
先々を考えてバッテリー充電用コイルも含むステータAssyで交換を希望されたオーナーさんの判断は正解です。
VESPAの事情に詳しいわけではないけどこのようなパーツが普通に手に入る事情というのは助かります。
スロットルへのツキの悪さのせいか、少し濃いめに変更してあったセッティングもその必要ないはずなので
元に戻します。
レバーホルダーごと上下に回転させてシフトするマニュアルトランスミッション
これまでに僕が乗ったことのあるVESPAでは最もシフトがスムーズでミスしにくいのには感心しました。
このくらい正確にシフトできれば、30年くらい前にヴィンテージ50sを購入(新車で)してくれた
オシャレな女子さんたち…挫折せずにもう少し乗れたかも (^_^;)
LMLはこれが初めてで他の機体は知りませんが、このくらいの使い勝手はあるべきだったのでしょう。
実用的にきちんと走るし、何と言っても心地よい (*^^*)
オーナーさんからは終始催促なし、一直線に故障の原因にたどり着けなかったこともご理解いただき
このおおらかなスクーターに相応しいお人なんだな~と思いました。
想定外の長期お預かりとなってしまい、さらに先延ばしになってしまったお客さんへ、次の受け入れOKの連絡をするのが怖いです。
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