今年の新春ツーリングで四国を走った時、ゴールドウイングと何度か乗り換えた時
ステアリングヘッドの動きに違和感を感じたので、そのことを伝えると本人は別に違和感は感じていないとのことでした。
たしかに、この程度でオーナーさん側から不調を訴えられたことはまだありませんから症状としては初期。
それでも自粛期間中、県内をソロでお散歩的コース(これがまた阿蘇山周辺の雲海チャレンジとはなんともうらやましい)を
ステアリングの動きを気にしながら走っていると、さすがに気になりだしたそうでオドメーターの距離も距離だし
これまで必要に迫られることが無く先送りにし続けてきたメンテナンスを実施するよう腹を決めした(僕が)
SKF製のテーパーローラーベアリングのコンディションは予想通りでしたが、10万kmを越えるまで
必要に迫られず怠慢でいられたのだから大したものです。
感心するのはベアリングの下に着座するリップシール(ステムシャフトに通している)
こういったところのクオリティーにいつも注目しています。
腕が二本しかないので一人で脱着するには結構なストレスのかかるステアリングステム
ここにグリスをこれでもかと塗り込む(すり込む)ことでストレス解消!
僕が引退するまでココ再び見ることは転倒でもしない限りたぶんないと思います。
ステアリングだけでなく実はフロントフォークもノーメンテナンス…でした。
これについては、「いつかフォークオイルが滲みでもしたらその時やりましょう」
なんて思っていたら11万kmを越えた今まで、一切ココが湿ることはなく今日に至りました。
勿論、これまでフロントフォークの機能に劣化を感じたことが無かったわけではありませんが
タイヤを前後セットで交換すると、当然劇的に気持ちよくなるのでこちらも先送りになっていました。
抜き取ったフォークオイルが酷いことになっていたのは当然ですが
片方のフォークのテンションアジャスターのプランジャーがカートリッヂダンパーのロッド内で固着しているのには手を焼きました。
僅かですが水分の混入が見られ、簡単に言うとサビていたようです。
フロントフォークなんて密閉されているから水なんて入るわけないように思われますが
ストロークすればダンパーによる減衰力は熱エネルギーに換わるわけでフォークオイルは加熱と冷却を繰り返し仕事をしているわけだし
その上、外から工具で回転させて調整するダンピングアジャスターやプリロードアジャスターだってあるのだから
極々わずかに空気だって入れ替わるのでしょう。
そうすると長い長い時間をかけて水分がフォーク内部に留まることだってあるだろうと思えば説明がつきます。
要するにサスペンションのダンパーはハンドリングの良し悪しわからなくても
「たまには分解しメンテナンスをしなさい」ということですよね (^_^;)
僕もこの最近のコンディションのアドベンチャーに乗っても
不愉快に感じるほどのハンドリングではなかったし、タイヤが新しくなればやっぱり喜んでバンクさせてましたもんね。
ただ一つ、「あれっおかしいな」 と思っていたのはメインスタンドを立ててフロントフォークが伸び切る瞬間の様子が普通とは違うなぁ 程度のこと
倒立フォークのボトム付近の内側
ここは目立たないので錆が出ていることが多いし、たとえ軽い錆でも見えなくすることはできても無かったことにすることは無理
前オーナーも現オーナーもココはよく務めた証拠。
テンションダンパーのアジャスターロッドの高さも揃って組立開始。
アジャスターのプランジャーが固着してた片方のアジャスト機能が固定されたままになっていたのに
あれだけ走らせておきながらそこを突きとめて不調を指摘できなかった僕ですから
社外品のクッションユニットに交換したいなんて全く思わずにいられる「WP」に注文などを付けられるわけはありませんから
フロントフォークオイルも純正にこだわりました。
僅かに自由長が短くなったフォークスプリングも新品に
これで元通りに回復しているはず。
走行中以外は紫外線にさらされることのなかったアウターチューブのアルマイト
中ほどの色の濃いところがステムでクランプされていたところ
走行時間だけでの色褪せですからよく働きましたね。