"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

秋分に手前味噌2013の蔵出し

2013年09月23日 13時02分42秒 | 季節のおはなし

 旧八月十九日。二十四節気の【秋分】に入りました。

  陰陽の中分なればなり
            『暦便覧』(天明八年/1788年出版)

 今年は梅雨明けが早く(東京で7月6日)、暑気、残暑共に厳しかったのですが、秋めいてくるのも早い気がします。「暑さ寒さも彼岸まで」の通り、日中はまだ汗ばむことがあっても、朝晩の涼しさはひとしお。日々秋が深まってきました。
0923higanbana  秋の彼岸
の頃に正確なタイミングで咲く彼岸花も、あちこちで見ることができるようになりました。毒々しさを感じさせる紅の花が目を引きますが、淡い黄色の彼岸花を植えているところも多くなり、こちらはどことなく優しさを感じさせるものがあります。写真の花も、夕陽に染められて秋らしい風情でした。(豊洲のテラスにて)

 さて、半年前の春分に開催した『手前味噌仕込みの会』。今年は大豆こうじと米こうじのブレンドで仕込みました。暑い夏を越し、参加された皆さんの家でどんな味噌熟成しているのでしょうか。
0923misokame  拙宅では、大豆こうじと自家培養米こうじを半々で仕込みました。仕込んで2カ月位経った頃に、一度開けて味噌の様子を見たのですが、その時の色は淡く、舐めてみるとちょっと酸味を感じたのです。「これはひょっとして失敗したかな」と不安になったのですが、怪しいカビ類発生しておらず、そのまま蓋をして置いておきました。
 で、今回。色は市販の赤味噌に近いところまで進んでいます。
味はというと、あの時の酸味が少し変化して個性的な風味に変わっていたのです。それこそ、大豆こうじ100%の八丁味噌の風味というわけです
0923mamemiso  八丁味噌は3年ほどかけて熟成させ、
チョコレートのような濃厚な色と独特の風味になっています。中京地区以外では、出来上がった八丁味噌こそ入手できても、熟成過程の若い八丁味噌に出会う機会はまずないでしょう。ということで、この味噌は、長期熟成された豆味噌の風味をんの少し感じさせる段階なのです。
 将来性を感じさせる味噌です
。もう少しすると"天 のなめこ"が手に入るでしょう。年明けに旬を迎える"寒しじみ"もいいかもしれません他にも"味噌煮込みうどん"、"朴葉味噌"、"ふろふき大根"・・・。いろいろ味わえそうな今年の手前味噌です。