旧三月二十六日。二十四節気の【立夏(りっか)】です。そして新暦端午の節句。これは旧暦でお祝いしましょう。今年は6月13日木曜日です。
夏の立つがゆえなり。
『暦便覧』(天明八年/1788年発行)
実にシンプル。今日から夏なのです。日本の夏という季節は、三つの顔を持っています。これから梅雨入りまでの爽快なる初夏。長雨が続きながらも合間にキラリと光る青空が広がる五月晴れの頃。そして、梅雨明けとともにやってくる暑い盛夏。一つの季節でこれほど表情が豊かなのは夏、と言っていいでしょう。
一気に温かくなって、あっと言う間に桜を咲かせてしまった三月の陽気が嘘のように、ここしばらくは、涼しい、あるいは少し肌寒いような陽気が続いています。春の締めくくりを彩る藤の花が、この低温のおかげで少し長持ちをしてくれたようです。一方では、ツツジやサツキが早くから咲き始め、菖蒲の葉も青々としています。写真は一週間ほど前の浜離宮恩賜庭園ですが、晩春から初夏の草木が見事に共演していました。
秋の半ばとともに、一年で最も過ごしやすい季節の到来です。ただ、この初夏の方が日の出がずっと早く、日没も遅いので、一層行動的になると思います。特に清々し早朝の時間を有効に使いたいものです。