旧二月二十八日。今日は二十四節気の【清明(せいめい)】です。
万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也。
『暦便覧』(天明八年/1788年出版)
桜も満開、春爛漫の頃になりました。お花見はしましたか。
咲き始めてから少し寒さが戻ったため、今年の桜は長く楽しめましたね。見頃は桜ばりではありません。此の時期桃色の愛らしい花を咲かせる“海堂(カイドウ)”です。人の目の高さほどのところに花をつけるので、庭木などによく見られますが、この海堂が桜に負けじとばかりに、咲き誇っています。(写真は今朝、佃の住吉神社近くに咲いていた海堂です)
春になると野菜も美味しくなってきます。毎年この時期になると、自分でぬか床をつくってみようかな、と思うのですが、
毎日の手入れが大変だから、と躊躇していました。そんな頃、鎌倉のとある居酒屋で〆に食べた「古漬けの茶漬け」に完全にやられてしまいました。大根の皮とかぶの葉をぬか床でうぐいす色になるまで漬け込み刻んだ古漬けが、なんとも言えぬ滋味に満ちていて感動的でした。この瞬間、やっぱりぬか床を作ろう、と思いを強くしました。
その後とてもタイミングよく雑誌『サライ』2/7号で「ぬかみそ漬け入門」という特集が組まれ、冷蔵庫でも管理できる専用容器が紹介されていたので、早速買い求め“手前ぬか床”を始めました。
(写真:やっぱり定番は胡瓜、茄子、蕪、人参、大根。左端は大根の皮と辛味大根の葉っぱ。これは古漬けにします)
ぬか床を作るのには、まず糠を買わなければ、と月島の商店街にあるお米屋さんを訪ねました。このお米屋さんでは、大きな手前ぬか床があって、美味しいぬか漬けも売っています。ご主人によると「生ぬかからやるのは難しいから、うちのぬか床を売ってあげますよ。入れ物を貸してごらん」と買ってきたばかりの容器を持ってお店の裏に。すっかり熟れているぬか床を容器の1/3くらいまで詰めてくれました。(分けてもらったぬか床には昆布がたくさん入っていました)
理想のぬか漬けを食べられるまでにひと月位を覚悟していたので、ちょっと拍子抜けしてしてしまいましたが、ここはご好意に甘えてずるさせていただくことにして、早速漬けています。ん~~~美味しい!毎朝ぬか床をかき回し、翌日食べる予定の野菜を漬け込む。なかなか楽しい仕事であります。
ぬか漬け専用の琺瑯容器「ぬか漬け美人」は手前味噌の保存容器でも活躍している国産琺瑯メーカーの老舗野田琺瑯の製品です。
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