"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

【菜種梅雨】の頃に思い出すこと

2013年04月21日 11時40分23秒 | 季節のおはなし

 旧三月十一日。二十四節気では昨日から【穀雨(こくう)】に入りました。

春雨降りて百穀を生化すればなり。
          『暦便覧』(天明八年/1788年発行)

 4月の下旬になろうかというこの頃にしては、寒く、冷たい雨が降っています。まさに穀物種子を芽吹かせるための雨、ということなのでしょう。この雨、長引けば「菜種梅雨」となります。
 野原を彩っていた菜の花は終わりが近くなり、花が終わったところは、種が実っています。0421shanghai種はそのまま地に散れば来年また目を出し花を咲かせることでしょう。
 上海で暮らした時、この季節少し郊外に出ただけで眩しいほどの菜の花畑が広がり、目を楽しませてくれたことを思い出します。農家が畑やで育て、種が採れると搾油所に持って行って買い取ってもらうそうです 大きな規模ではなく住人にしてみれば、僅かな現金収入にしかならないでしょうが、各家から集まればそれなりの量になるのかもしれません。(写真は、2009年3月28日。上海市青浦から中心部に向かうバスの車窓より)
 ついでになりますが、菜種の季節
が終われば、ワタの種を撒き、秋には綿花を収穫し、年配の女性がいる家庭では糸を紡ぎ織物を作っていました。暮らしぶりの近代化で、そういう家庭は急激に少なくなっている、と聞いたのが4年前ですから、今はどんな風景になっているのでしょう。季節の移ろいに合わせて住居の周りを有効に活用する、たいへん質素ながらも生活の知恵を感じたものです。そのコットンは素朴でいい風合いをしていて、シャツを一枚仕立ててもらいました。なぜだか菜種梅雨の頃になると、そのことを思い出します。

 ん~。何か種を撒きたくなってきた。よし!植木鉢
で香菜を育てようっ


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