旧十月十一日。冷え込んできました。東京ではここしばらく冬晴れの日が続くようです。日が沈みあっという間に夕闇に包まれる頃、いつの間にかぽっかりと浮かんだ月が存在感を増してゆきます。今宵十一日目の月を“宵月”とはよく言ったものですね。
関東の平野部では紅葉が見頃を迎えています。銀杏やいろはもみじが色づき始める中、ハッとさせられるほどひときわ朱に輝いているのがハゼノキです。この木の名前がわからずにずっともやもやしていたのですが、たまたま近所で作業をしていた植木屋さんが教えてくれました。美しいからといって触れては大変。ウルシ科なのでかぶれてしまうそうです。
普段は落語や講談といった演芸を楽しむ寄席、上野広小路亭で珍しく長唄を中心とした音楽のライヴをやるというので観に行ってきました。このところ日本舞踊や歌舞伎を通じて、生で聴く三味線音楽の魅力にはまってゆく真っ只中なので、とてもタイムリーなライヴでした。
ライヴを主宰する松永鉄九郎さんは、長唄の三味線方であることはもちろん、映画やテレビドラマの音楽制作や、若手の指導、オリジナル曲の創作活動などなど、さまざまな場面で活躍されています。杵屋邦寿さんとの三味線デュオ・ユニット【伝の会】でもお馴染みです。 この夜のライヴは鉄九郎さんのお弟子さんユニット『スクイーズ☆ハジキーズ』(松永鉄駒・松永鉄六)で始まり、囃子方小鼓の川島佑介さんと長唄三味線の奥様(お名前失念)のユニット『かわしま夫妻(表記?)』、長唄の杵屋三七郎さんが登場。中入り後はインプロヴィゼーションによるフリーセッション、そして最後は鉄九郎さん(三味線)、鉄六さん(三味線と鳴り物?)、三七郎さん(唄)、川島佑介さん(囃子と鳴り物)による「たぬき」でした(写真上の四人です)。
彼らのような邦楽の担い手は、普段歌舞伎や舞踊の後ろで雛壇に座り、
神妙な面持ちで音を紡ぎ出しているのですが、この日ばかりは自分たちが主役。膝元にはいつもはないマイクが置いてあり、曲の解説や楽器の説明から、世間話、邦楽界の裏話など愉しいお話しが次から次へと飛び出してきます。ちょっと長唄や邦楽は敷居が高いな、と思う人にとってもこういうスタイルのライヴは自然にひきこまれ、楽しめてしまうでしょう。こういう場がどんどん広がってゆくと邦楽はますます面白くなってくるでしょうね。(写真は舞台で小鼓を組み立てながら独特な間のトークで場内を沸かせる川島さん)
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