"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

夕凪の街へ~その弐『呉』

2008年08月07日 15時49分16秒 | まち歩き

 旧七月七日。今日は旧暦の七夕。そして二十四節気の【立秋】です。「暦の上では」とよく聞きますが、まったく秋という実感のわかない酷暑ぶりです。それでも朝6時頃に水辺に出てみると、空気はわずかにヒンヤリとして、空には鱗雲がなびいていました。ここ数日襲った雷雨によって洗い流されたのでしょうか、済んだ青空がいつもより高く感じられる朝でした。今日からは「残暑」ですが、もはや「暑中」よりも長いのが「残暑」になってしまっているようですね。

0807kuresen  広島への旅の第二弾。尾道に続いて訪れたのは「呉」です。尾道で山陽本線の各駅停車に乗り込み、三原で乗り換え呉線に入ります。三原からは途中「広」で乗り継ぎ呉までは1時間45分。のんびりとした移動です。呉線は瀬戸内海の海岸と背後から迫る山とのわずかな隙間を国道と共に縫って走ります。車窓からは、貨物船と競争したり(写真の感じです)、波打ち際を走ったり、海水浴場の賑わいを手に取るように見ることが出来、飽きることがなく時間を感じさせない絶景の路線でした。

 呉は明治の中頃から終戦まで軍港として栄えた町です。 今でも海上自衛隊の駐屯地があって、制服姿の自衛官が町を歩いていたり、
0807kurekou港には潜水艦や戦艦が停泊している(写真右の風景)ので、どことなく横須賀の町に似た雰囲気でした。7歳か8歳の時に一度だけ来たことがあるのですが、記憶といえば商店街のおもちゃ屋さんでウルトラマンのソノシート付き怪獣集を買ってもらったことくらいです。駅の南、港の周辺は大規模なショッピングセンターが出来て、人気の「大和ミュージアム」(写真左:左側の建物)や海上自衛隊呉史料館「てつのくじら館」(写真左:中央の潜水艦)があって賑わっています。いろいろ見所はあるのですが、この町では喰いっ気を出すことにしました。

 呉出身の後輩によると、名物の冷麺を食え、とのことで早速ガイドブックにも載っている写真のお店に行ってきました。0807reimen_2 岩手で有名な焼き肉屋さんの冷麺ではなく、見た目は冷やし中華ですが、決定的に違うのはデフォルト酢が入っていない、という点。鶏ガラベースでしっかりとした味のスープに細めの平打ち麺がマッチしてとても美味しかったです。テーブルには黒酢と唐辛子が一本入った酢が置いてあり、好みで掛けるのですが、黒酢が美味しいです。これは東京に進出したらヒット間違いないなしでしょう。

 もう一つ、呉の名物あります。これは横須賀にある奥さんが呉出身という焼き鳥屋さんで初めてしったのですが「みそだき」です。
0807santori鶏の皮をちょっと甘めの味噌でじっくり煮込んだ料理で、とりあえずビールとみそだき、というのが定番だそうです。だいたい200円くらいという値段も嬉しいですね。繁華街にある昼から営業している居酒屋「第一 三とり」でこれを頂きました。濃い目の味とぷりぷりした皮の食感がたまらず、ビールが進みます。広島に向かう電車までもう少し時間があるのでもう一品。「ちりめん生酢」を頂きます。胡瓜、わかめ、ちりめんじゃこ、茗荷、生姜に絶妙なバランスの甘酢が掛かって冷やしてあり、清涼感がたまりません。こうなるとお酒が欲しくなります。呉のお酒といえば「千福」。冷たい生酒を一合頂いて駅へと急ぎました。

 ほとんどグルメリポートになってしまいましたが、次回はいよいよ広島の街です。


最新の画像もっと見る