旧七月朔。二十四節気の【立秋(りっしゅう)】となりました。
初めて秋の気立つがゆえなればなり
『暦便覧』(天明八年/1788年出版)
関東は、7月6日に梅雨が明けましたから、すっかり夏に浸りきった感があります。このところは、涼しい日があったり、不安定で突然の雨に見舞われたりと、季節が少し戻って、梅雨の半ばから後半あたりの陽気が続いていました。それが、たまたまではありますが【立秋】とともに、猛暑が再来。厳しい残暑の日々を予感させる秋のはじまりです。
佃島の住吉神社は、例年8月6日と7日が例祭です。3年に一度となる本祭は、土日を挟んで4日間。町内には浮世絵にも描かれた6本の大幟が立てられ、獅子頭や八角神輿、氏子の各町内神輿による渡御が華々しく行われます。
東日本大震災のため、4年ぶりの本祭が行われた昨年は、それはもう華々しく、厳粛に、祭が執り行われました。
本祭に対して、俗に陰祭と言われる例祭は、実に質素に、ひっそりとしたものです。そもそも神事たる祭は、拝殿の中で静かに執り行われるもので、それは、本祭とて同じことですが、陰祭では賑やかさがない分、より一層厳かな空気が島を包んでいるように感じられます。
いつもと変わらない佃島の風景。旧家の軒下には、住吉神社の赤い提灯がつり下げられ、静かな祭を祝うかのように、町が薄化粧をしたかのようです。雲がすっかりとれた空は、昨日よりだいぶ高くなったような気がする秋のはじまりです。