"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

まさに梅雨明け『居酒屋寄席~梅雨明けの会』ご来場感謝

2011年07月10日 16時22分20秒 | 主催する催し

 旧六月十日。なんと澄み切った青空でしょうか。これぞ待ち望んでいた夏の空です。関東地方は昨日(7月9日)に平年より12日、昨年より8日も早く梅雨明け致しました。
 
『居酒屋寄席』の開催を7/9と決め、さて「何の会」と題したらよいかと頭を悩ませていたのが三月の頃。0710houzuki本来であれば、梅雨の後半。シトシト降る五月雨からまとまった勇ましい雨の季節となっているはず。みなさん梅雨明けの澄み切った青空が恋しくなっているだろうな、と思い願望を込めて『梅雨明けの会』としたのですが、それがまさかドンピシャその日に梅雨が明けるとは、ニュースを聞いて耳を疑いました。

 今回の『居酒屋寄席~梅雨明けの会』は、立川志の春さんの初登場にして一人会。
ということになりました。今年のお正月に晴れて二つ目昇進を果たしたばかり、立川志の輔師匠の三番目のお弟子さんです。0710shinoharu前座修行から解放され、これからは自分の芸とある意味孤独に向かい合って行かなければなりません。そして十分に力を蓄えて、何年後かに次のステップ、真打ちに上がるためにはしっかり御贔屓さんについてもらって、人気面でも右肩上がりになって行かなければならない大切な段階が幕を開けたばかりです。会場の居酒屋ニュー信州には満員のお客様。すでに志の春さんの御贔屓さんから初めての方まで、落語を聞き盃を交わす頃には、志の春さんを応援して行こうという想いを膨らませたことでしょう。
 そんな志の春さんがこの夜聞かせてくれたのは三席の噺。まずは、言葉巧に
おねだりをする子供の所作が滑稽な「初天神」。続いて、ドジな泥棒と貧乏で姑息な長屋の住人が登場する「出来心」。盗まれたもの何でも「裏には花色木綿」と大家に報告する八五郎。この花色とは露草の花の色のことだそうで、高座の背景に飾られた蛍と露草の手拭とさりげなくマッチしていました。少しの休憩を挟んで三席目は、旦那がへたくそな義太夫を語る月に一度の会。聞かずに済ませるためにあの手この手で逃げるご近所さんと店のものたちのやりとりが面白い「寝床」でした。
0710sakehouzuki  ご自分の人となりや身の回りの出来事をまくらで聞かせつつ、その話の流れですーっと噺に入って行く技量は師匠譲りです。落語そのものと同じくらいまくらの組み立てに苦労される落語家さんは多い、と聞いていますが、志の春さんのまくらはとてもセンスが良く、惹き付けられます。もっと聞いていたいな、と感じさせられました。

 落語のあとはこれまた楽しみの一つ、酒宴です。まずは志の春さんの発声で乾杯。 居酒屋ニュー信州からのお振舞酒は、新潟市内野にある樋木酒造が醸す銘酒「鶴の友」の非売品大吟醸です。
皆さんで分けるとほんの一口になってしまいますが、旨味・香り・酸味のバランスが抜群なフルボディの大吟醸は全身を駆け巡ります。そして季節の味覚のお楽しみ。夏と言えば枝豆。これも新潟の名産地、黒埼から届いた甘み抜群の枝豆でした。0710kanpai酒宴にはシーズン最後の山菜や、稚鮎、トマトなど季節の味が並び、お酒も進み、志の春さんはテーブル一つ一つを回って、お客様との話に花を咲かせていました。
 楽しい時間は瞬く間に過ぎ、〆は志の春さんの前途を祝して三本締めでお開きとなりました。皆さんどうもありがとうございました。

立川志の春さんのブログ「一進一退の日常」
月例独演会『Tueseday Night Live』巣鴨studio FOUR
   第三回は7月12日(火)、第四回は8月16日(火)
   以降第二金曜日の次の火曜日に開催。

(写真提供は水野稔さんです。ありがとうございました。)