旧十二月二十七日。今日は節分。寒の締めです。東京は早朝から雪がちらつき始めすっかり雪景色となりました。
節分といえばいろいろな風習がありますね。煎った大豆を撒いたり、歳の数、あるいは歳の数に一つ加えて食べたり、その年の吉方を向いて太巻きを一気に食べる恵方巻だったり、鰯の頭を柊の枝に刺して玄関に飾り邪気を祓ったり・・・と、その地その地で様々です。節分は二十四節気の立春、立夏、立秋、立冬の前日で、年に4回あります。季節を分ける日、と言う意味があります。中でもこの立春前日の節分がとても一般的なのは、季節の最初、年の始め、長い冬の終わりを予感させる春の訪れに因ることなのでしょうね。皆さんの暮らしの近くにはどんな風習がありますか。
いつも催しの事後レポートばかりになってしまい、面白そうな催しは事前に教えてください、という声も届くようになったので、今日は一つご紹介しましょう。
国立小劇場で3月1日(土)に開催される『山形 出羽の芸能』です。詳しくは国立劇場のHPこちらをご覧下さい。公演は午前の部「山伏が伝えた芸能」と午後の部「山形を彩る芸能」の入替性二部構成になっています。中でも私が興味を抱いてチケットを入手したのが「山伏が伝えた芸能」です。
山形の出羽三山(月山、羽黒山、湯殿山)は、山伏修業のメッカとして全国から山伏が集まって、修検と情報交換がされていました。やがて山伏らは東北の各地に散って民俗信仰に影響を与え、豊富民俗芸能のルーツを伝搬していったとされています。今回はそのルーツの一つと言っていい、山形県内で行われている神事と芸能「冬の峰 松例祭神事」出羽三山神社(鶴岡市)、「稲沢番楽」(獅子舞/三人太刀/金巻)稲沢番楽保存会(最上郡金山町)、「杉沢比山」(翁/鳥舞/景政)杉沢比山保存会(飽海郡遊佐町)を東京の舞台で披露する貴重な公演で、とても興味深いです。
午後の部「山形を彩る芸能」では
「花笠音頭」東京花笠連合会、「日和田弥重郎花笠田植踊」日和田弥重郎花笠田植踊保存会(寒河江市)、「梓山獅子踊」(道行/梵天舞)梓山上組獅子踊保存会(米沢市)、「黒川能」(羅生門)黒川能上座(鶴岡市)
が上演されます。
また、ロビーでは民話語りの実演が行われます。
きっと山形の、それぞれの芸能が伝承されている土地を訪れたような感覚になることでしょう。非日常的で素朴で躍動感ある山伏伝来の芸能をぜひご覧下さい。