"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

“打ち水”大ブレイク中

2005年08月20日 14時18分24秒 | 日々のことなど

旧七月十六日 望。七月の満月です。
東京では一昨日あたりから西の強い風が吹き、空気が澄んでいますね。

「今日満月?」という会話があちこちから聞こえてくるような、大きな月白々8-19tsukiと夜空を照らす、月夜が続いています。この晴天が続けば今日の満月も明るいでしょう。夕方銀座から月島に帰ると隅田川の向こう側にぽっかりと月が浮かんでいます。月島の名の由来は、月出島(つきいずるしま)なのでしょうか。次の満月、旧八月十五日(9/18)はもう中秋の名月。日に日に秋深まるというこの頃です。
(↑これは昨夜(8/19)の月。佃・住吉神社にて)

それにしても残暑が厳しいです。本日東京正午の気温は33.7度だそうです。まだまだこれから上がるのでしょうか。そんな今年、都市の温度を少しでも下げようと“打ち水”が大ブームになっています。8-20uchimizu【打ち水大作戦2005】のホームページをご覧頂けると、打ち水の効果、やり方、地域の打ち水イベントから、オリジナルTシャツ、さらには打ち水音頭CDに至るまで、打ち水に関するいろいろなことが紹介されています。この運動、テレビのニュースなどでも頻繁に紹介されていますが、皆思い思いにスタイルで打ち水を楽しんでいますね。中には浴衣を粋に着こなし、木の桶と柄杓で水を撒いている人もいます。昔の人の知恵を思い出して、過ごしやすさを追い求めようとすることは、とても良いことですね。

よくテレビでは、白昼に強い太陽に照らされたコンクリートやアスファルトに打ち水をしているところを紹介しています。確かに熱せられたコンクリートは打ち水によって冷やされ、水が蒸発する時に熱を奪う気化熱の効果で気温は少し下がるのですが、それはひとときのことだと思います。その後は周辺の湿度が急激に上がり、かえって蒸し暑く不快指数は上がってしまうように感じます。これは先日の住吉神社例大祭、御神輿に大量の水を掛ける時に身をもって実感しました。

そこで、私がよくやっている打ち水の方法をここでご紹介しましょう。自宅前の路地に打ち水をするのは、朝、路地に直射日光が差し込む前、だいたい8時くらいまででしょうか。そして夕方は少し空が暮れ始めた頃ですね。路地はコンクリートで固められているのですが、地面、そして植木にも水をやります。水は主に炊事になどに使った残り水。道具は5年くらい前に買った青森檜の桶と自分の手。手のひらをグーとパーの中間くらいに、手首を柔らかくして撒くのがムラ無くきれいに打ち水をするこつだと、思っています。

道具に使っている檜の桶についてちょっと。伝統工芸品が少しずつ見直されていることもあって、飯台、おひつ、桶、手桶といった木工品を目にする機会が増えてきました。
(↓my湯桶。いつでも檜の良い香りが立ちます)oke
檜の桶は風呂用にと買ったのですが、今は台所を中心に野菜を洗ったり布巾を絞ったり、打ち水用に米のとぎ汁を溜めておいたりと、活躍しています。水に濡れた桶を置いておくだけで、付近には檜の良い香りが立つのです。食品用には香りの少ないサワラ材を、風呂には檜を、と用途によって素材も違うそうです。こうした木工品はずっと生活に密着してきた道具であるために、今でも全国の職人が素晴らしい製品を作っています。もちろん東京都内にも。ぜひご紹介してゆきたいと思っています。