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竹やりと機関銃

 モールス符号の絶滅についての記事を書いたら、こんな話題があるとメールをいただいた。

 「オーストラリアの博物館で、92歳の元通信士と13歳の少女が情報伝達の速度を競った。元通信士はモールス符号で、少女は携帯メールを使って。その結果、92歳の元通信士のモールス符号のほうが早かった。」

 使われた文章は女性週刊誌からとられた

 "Hey, girlfriend, you can text all your best pals to tell them where you are going and what you are wearing."

であり、モールス符号ではこの文章のまま送られ、90秒を要したという。携帯メールでは省略した

"hey gf u can txt ur best pals 2 tel them wot u r doing, where ur going and wot u r wearing."

が送られたにもかかわらず、108秒かかり、モールス符号の圧勝となったという。

 しかし、かかったというこの時間、どうも両者とも平均以下の速度ではないかと思う。たとえばモールス符号では実質57文字/分だが、その倍くらいの速度を出すのは容易であろう。まあ年齢が92歳ということもあるのだろうけれど。

 そんなわけで日本でも実験をしてみた。文章は女性週刊誌からとった、課題はこうである。

 「色とりどりに揃ったアイシャドウやキラキラのグロス。勢揃いした春コスメ、女の子なら眺めているだけでわくわくしてくるはず! さて、それをどう使いこなすか、が問題ですよね。」(84文字: ananの編集からのメッセージ)

 被験者は姪のライオン娘、携帯メールの速さは普通といっている。その結果2分17秒であった。37文字/分である。意外に遅い。では課題をモールス符号で送るとすると、ローマ字で

"irotoridori ni sorotta aisyadou ya kirakira no gurosu.seizoroi shita harukosume,onnanoko nara nagamete irudakede wakuwaku shite kuruhazu!sate,sore wo dou tukai konasu ka,ga mondai desu yone."(165文字)

を送ることになるのか。これだと165文字を1分26秒で送ることが出来た。やはり携帯メールには圧勝である。大体115文字/分ということ。でも、こんなアルファベットの羅列を送ってもしょうがないと言われると、確かにそうかもしれない。携帯メールはちゃんと漢字カナ交じりで送られているのだから。

 それでは一歩譲って和文モールスで

「いろとりどりにそろったあいしゃどうやきらきらのぐろす。せいぞろいしたはるこすめ、おんなのこならながめているだけでわくわくしてくるはず! さて、それをどうつかいこなすか、がもんだいですよね。」(93文字)

を送ると良いのだが、和文は受験勉強しかしていないのでパス、、、

 測定を終わったライオン娘との会話。
 
 ライオン娘:こういう文章を入れるっていらいらするのよね。
 クマさん:えっ、どうして?
 ライオン娘:メールじゃ紙に書いてある文章を送ることは無いし
 ライオン娘:こんな文章を送ることも無いし
 クマさん:、、、
 ライオン娘:頭の中にある文章を送るのだったらもっと早いわよ。
 クマさん:じゃー、いつも送ってるような文章を50文字入れてみてくれる?
 ライオン娘:いいわよ

 で、その結果が50字を39秒、これを換算すると77文字/分になる。スピードだけなら和文モールスといい勝負である。しかし携帯メールは漢字カナ混じり文であることを考えると、モールス符号の完敗ともいえる。

 漢字文化の国では、そもそもこういう比較は難しいと言うことが判った。それに携帯では一文字入れると候補の単語がずらりと出てくる。携帯では言語プロセッサーのトレーニングが進めば進むほど入力速度は速くなるのだ。これでは竹やりと機関銃の戦争のようなもの、勝負にならない。

 データー採取のためにキハチのランチをご馳走したが、無駄な実験に終わった。実験は計画段階でもっと良く考えろと言われ続けてきたのを、又思い出してしまった、、、三つ子の魂5Xまで、、、しょぼん、、、


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