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オルセー美術館展

 あの映画「ダビンチコード」の舞台となったルーブル美術館とセーヌ川をはさんだ対岸にオルセー美術館がある。今、その所蔵作品が「19世紀芸術家たちの楽園」というテーマで東京都美術館で展示されている

 こういう展示会は「ギュスターヴ・モロー展」のように一人の作家の展示会のほうが好きである。美術館展だとどうしても総花的になってしまうから。

 パリの美術館は、古代から19世紀までを所蔵したルーブル、19世紀後半の美術品を所蔵したオルセー、20世紀の作品を所蔵したポンピドゥー・センター国立近代美術館とに分かれている。

 このようにオルセーは19世紀後半という短い期間の、印象主義を中心に集められているため、美術館展であってもその主題が明確に見えてくる。そんな意味でも、なかなか気に入った展示会であった。

 印象派の絵は近くで見ると何が描いてあるか良くわからないが少し離れた見ると画家の意図したものが浮かび上がってくる。自然そのものの描写より、より強い印象を与えることが出来るのが芸術だと考えているので、印象派の試みには興味がつきない。

 特に今回の展示会ではマネの作品に強い印象を受けるものが多かった。マネはそれまでの写実主義からはなれた印象派の中心人物である。

 その荒いタッチ、と言って良いかどうか判らないが、筆のあとの残った絵が、少し離れて見ると輝いて見える。

 マネの「アンリ・ロシュホールの逃亡」とモネの「べリールの岩、打ち付ける波」が並べて展示してある。同じような荒れた海の描写であるが、原色に近い絵の具の多用、激しい筆致で描かれているマネの方が好きである。

 こういった見方も出来る今回の展示会はなかなかお勧めである。4月8日までやっている。

Photo: http://www.orsay3.com/exhibition/imgs/pt01.jpg

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