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御坊市が地域公共交通計画素案(たたき案)を提示 〈2023年10月1日〉

2023年10月02日 08時30分00秒 | 記事


協議会で公共交通計画素案を提示


 御坊市は、将来の地域公共交通を維持確保するための地域公共交通計画素案(たたき案)をまとめた。地域住民への利用実態調査結果などを踏まえ、基本理念や3つの基本方針を掲げ、路線バス、JR、紀州鉄道、タクシーなど事業者ごとの取り組み、行政の支援策を盛り込んでいる。12月に開く地域公共交通活性化再生協議会で計画案をまとめ、市民から意見を聞いた上で今年度末に策定する。

 全国的に地域公共交通機関の利用者が減少する中、市内や周辺町でも同様の傾向にあり、現状のままでは将来的に地域公共交通体制が維持できなくなる恐れがあると危機感を持ち、昨年6月に事業者、利用者、関係機関で協議会を設置。利用実態調査や事業者へのリアリングを行いながら今後のあり方を検討し、このほど開いた協議会で素案を提示し、意見を聞いた。
 素案は「活気運ぶ御坊の地域公共交通」を基本理念に(1)維持確保と利便性向上で移動を支える地域公共交通(2)まちを育て、まちが育てる、まちと歩む地域公共交通(3)皆で使って守り育てるわたしたちの地域公共交通、を基本方針に掲げた。
 事業者や行政の取り組みとして、JRは運行継続とダイヤ等の利便性確保・改善、サイクルトレインの運行、御坊駅への全列車(特急、普通)停車の確保など。乗用タクシーは御坊駅等の主要拠点での常駐による利用環境の確保や多様な予約方法の設定(電話、アプリ等)、環境に優しい車両の導入を挙げた。
 路線バスはダイヤの継続的な改善や人と環境に優しい車両への更新などに加え、新たな取り組みとして市内の運行経路の見直し(御坊駅への乗り入れ路線増加など)や熊野御坊南海バス日裏線のあり方検討とあわせた市内バス路線の再編検討を挙げた。
 紀州鉄道はJRダイヤ改正や利用実態を踏まえた時刻表等の継続的な改善、設備更新等による乗り心地の改善などに加え、新たな取り組みとして運行本数の増加、生活利用促進で副駅名称導入、寺内町の入り口としての西御坊駅の活用(情報案内充実等)日高地域の観光資源として他の観光資源とのパッケージ化、ふるさと納税返礼品に一日駅長設定などを挙げた。
 行政は路線バスでは複数市町を横断する基幹的な路線、駅等に接続して周辺地域を結ぶ補助的な路線の維持確保に向けた継続的な財政支援、紀州鉄道には国による施設整備費補助、市による固定資産分相当分の補助、タクシーでは高齢者や障害者等を対象にした移動手段施策の実施を挙げた。
 行政や事業者が連携した新たな取り組みでは運転免許返納者へのタクシーお試し乗車券配布、路線バス沿線施設と連携したバス待合空間の確保、バス路線網を考慮した道路整備、地域公共交通の経路や時刻表を集約した公共交通マップの作成、生涯学習や出前講座での公共交通利用教室の開催、バスや鉄道によるお出かけ体験会や買い物ツアーの開催、担い手募集の情報提供などを盛り込んだ。
 協議会では「経営難もそうだが、乗務員や職員の担い手が不足していることも大きな問題。ひとつの事業者で、できることは限られてくるので、エリア全体で魅力的な環境づくりに努めることが大事。移住施策と絡めた取り組みなどを考えてはどうか」などの意見が出され、12月に提示する計画案に反映させる。


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